この記事を要約すると
- 公正証書遺言の費用は公証人手数料・専門家報酬・実費の3種類で構成される
- 公証人手数料は財産額で変動し、1億円以下の場合は遺言加算13,000円が加算される
- 書類を自分で集めシンプルな内容にすることで費用を抑えられる
公正証書遺言を作成したいけれど、「費用はどのくらいかかるの?」「財産額によって変わるって本当?」と不安に感じていませんか?
公正証書遺言の費用は、公証人手数料、専門家報酬、実費の3つで構成され、特に公証人手数料は財産額によって大きく変動します。
この記事では、公正証書遺言の費用の内訳、財産額別の具体的な計算例、そして費用を抑えるポイントを司法書士が分かりやすく解説します。
公正証書遺言の費用は、公証人手数料・専門家報酬・証人費用・必要書類の実費に分かれます。公証役場へ支払う手数料と、専門家へ支払うサポート費用は別です。財産額、家族構成、遺言内容、依頼する範囲によって変わるため、総額を一律に断定することはできません。
本記事の料金情報は2026年8月17日時点で確認しています。正確な見積もりは、財産の一覧と家族関係を確認して個別に算出します。
公正証書遺言の費用内訳
| 費用項目 | 何に対する費用か | 金額の決まり方 | 支払先 |
|---|---|---|---|
| 公証人手数料 | 公正証書の作成 | 受取人ごとの目的財産の価額などで変動 | 公証役場 |
| 専門家報酬 | 文案、資料案内、公証役場との調整など | サポート範囲・内容で変動 | 事務所 |
| 証人費用 | 証人2名の手配・立会い | 人数・手配方法で変動 | 証人・事務所など |
| 必要書類の実費 | 戸籍・登記事項証明書など | 取得する書類の数で変動 | 各発行機関など |

公正証書遺言の作成を検討中で、自分の場合の費用を確認したい方は、現行の料金ページ、個別サービス費用、無料相談の予約ページをご確認ください。
この記事はこんな方におすすめ
- 公正証書遺言の作成を検討していて費用の相場を知りたい方
- 自分の財産額だとどのくらいの費用になるか計算方法を知りたい方
- 公正証書遺言の費用を少しでも抑える方法を探している方
目次
公正証書遺言の費用の内訳3種類と相場を徹底解説
公正証書遺言の作成にかかる費用は、公証人手数料、専門家への報酬、その他実費の3種類に分かれます。
ここでは、それぞれの費用の仕組みと相場を詳しく解説します。
全体像を理解することで、予算を立てやすくなります。
公証人手数料の仕組みと金額
公証人手数料は、公証人手数料令により定められています。公正証書遺言では、相続人や受遺者ごとに、その人が受け取る財産の価額を基準に手数料を計算し、合算します。根拠は公証人手数料令第9条・第19条(e-Gov法令検索)です。
また、民法第969条は、公正証書遺言について証人2人以上の立会いなどの方式を定めています。方式と費用を別々に考えず、誰に何を残すか、遺留分への配慮が必要かまで整理することが大切です。e-Gov法令検索の民法も確認してください。
2025年10月1日以降の公証人手数料の目安は次のとおりです。最新の取扱いは日本公証人連合会の手数料案内でも確認できます。
| 目的財産の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円超〜100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円超〜200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円超〜500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円超〜5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 49,000円 |
| 1億円超〜3億円以下 | 49,000円に5,000万円ごとに15,000円を加算 |
| 3億円超〜10億円以下 | 109,000円に5,000万円ごとに13,000円を加算 |
| 10億円超 | 291,000円に5,000万円ごとに9,000円を加算 |
遺言による相続・遺贈の目的財産の合計額が1億円以下の場合は、遺言加算13,000円が加わります。受取人が複数いる場合は、各人の受取額に対応する手数料を合算します。出張作成では別途、病床執務加算・日当・交通費がかかる場合があります。具体的な条件は作成予定の公証役場へ確認してください。
専門家へ依頼する費用と現行料金
専門家報酬は、公証人手数料とは別に発生します。文案の検討、相続人・財産資料の整理、必要書類の案内、公証役場との調整、証人の手配、当日の立会いなど、どこまで依頼するかで費用が変わります。
当事務所の公開料金ページでは、公正証書遺言おまかせプランは137,500円(税込)、証人の手配は11,000円(税込)/1名と案内しています。公証人手数料、戸籍・登記事項証明書などの実費は別途確認が必要です。料金の詳細は相続の料金ページと個別サービス費用をご覧ください。
| ケース | 想定する状況 | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| シンプル | 財産・相続人が少なく、内容が比較的単純 | 公証人手数料と基本サポート費用を確認 |
| 標準 | 不動産・預貯金など複数の財産がある | 資料収集・調整範囲を含めて個別確認 |
| 複雑 | 再婚、子なし、遺留分、不動産複数、受遺者多数など | 事前相談と個別見積もりを推奨 |

公正証書遺言の費用だけでなく、遺言内容が家族関係に合っているかを確認することが重要です。遺留分の説明は遺留分の記事、1人に財産を相続させる場合の注意点はこちらの記事、証人の役割は公正証書遺言の証人の記事で確認できます。
その他実費の内訳と金額
公証人手数料や専門家報酬以外にも、公正証書遺言の作成には各種実費がかかります。
これらの費用は数千円から1万円程度ですが、事前に把握しておくことで正確な予算を立てられます。
まず、必要書類の取得費用があります。
遺言者の印鑑登録証明書は1通300円程度、戸籍謄本は1通450円、住民票は1通300円程度です。
相続人の戸籍謄本も必要で、相続人の人数分の費用がかかります。
不動産を遺言に含める場合は、登記簿謄本(登記事項証明書※)が1通600円、固定資産評価証明書が1通300円程度必要です。
不動産が複数ある場合は、それぞれの物件について取得する必要があります。
※登記事項証明書:不動産の所有者や面積などの情報が記載された法務局発行の証明書のこと
また、遺言書の正本・謄本の交付手数料もかかります。
公正証書遺言を作成すると、原本は公証役場に保管され、遺言者には正本と謄本が交付されます。
正本・謄本の交付手数料は、用紙1枚(横書きの場合は250字まで)につき250円です。
たとえば、遺言書が4枚になる場合、正本と謄本でそれぞれ1,000円、合計2,000円の交付手数料がかかります。
遺言内容が複雑で枚数が多くなるほど、この費用も増えます。 証人※への謝礼も考慮する必要があります。
公正証書遺言の作成には証人2名の立ち会いが必要です。
親族や知人に依頼する場合は謝礼が不要なこともありますが、公証役場や専門家に証人の手配を依頼する場合は、1人あたり5,000円〜1万円程度の謝礼が必要になることがあります。
※証人:遺言作成に立ち会い、遺言者の意思確認や手続きの適正性を確認する人のこと
FAQ
Q. 公正証書遺言の費用は誰に支払いますか?
A. 公証人手数料は公証役場へ、専門家報酬は依頼した事務所へ支払います。戸籍や登記事項証明書などの実費は、各発行機関への支払いまたは事務所への精算となるため、見積書で確認しましょう。
Q. 公証役場の手数料と専門家報酬は別ですか?
A. 別です。公証人手数料は財産額などを基準に公証役場が計算し、専門家報酬は文案作成・書類収集・日程調整などのサポート範囲で決まります。
Q. 証人を自分で用意できない場合はどうなりますか?
A. 公正証書遺言には証人2人以上の立会いが必要です。親族・知人に依頼できない場合は、公証役場や専門家に手配方法と費用を確認してください。
Q. 財産が少なくても公正証書遺言を作れますか?
A. 作成できます。財産額が少ない場合でも、公証人手数料、証人、必要書類の実費などがかかるため、事前に総額の目安を確認しましょう。
Q. 再婚、子なし、不動産がある場合は費用が変わりますか?
A. 財産額だけでなく、相続人・受遺者の人数、必要書類、不動産の数、遺留分への配慮などで準備や確認の範囲が変わります。家族関係が複雑な場合は個別相談が適しています。
Q. 正確な費用を知るには何を準備すればよいですか?
A. 財産の概算、不動産の所在地、預貯金の金融機関、相続人・受遺者の関係、希望する分け方を整理してください。戸籍や登記事項証明書が揃っていなくても、まず相談できます。
特に公証人手数料は財産額によって変動するため、事前に概算を把握しておくことが重要です。
費用が気になる方は、無料相談で司法書士に相談し、具体的な見積もりを取得することをおすすめします。
財産額別の公証人手数料の計算式
公証人手数料は、遺言で財産を受け取る相続人・受遺者ごとに、受取額を現在の手数料表へ当てはめて計算し、合算します。財産総額が1億円以下の場合は、遺言加算13,000円を加えます。負債は手数料計算上、目的財産の価額から差し引かない点にも注意してください。
計算例:4人の相続人に合計6,000万円を配分する場合
妻に2,000万円、長男に1,500万円、次男に1,500万円、長女に1,000万円を相続させる例です。各人の手数料を合算すると、次のようになります。
妻分:2,000万円 → 26,000円
長男分:1,500万円 → 26,000円
次男分:1,500万円 → 26,000円
長女分:1,000万円 → 20,000円
合計:98,000円
遺言加算:13,000円
公証人手数料の合計目安:111,000円
これは公証人手数料だけの計算例です。専門家報酬、証人費用、戸籍・登記事項証明書などの実費は別に確認します。財産の評価方法や遺言内容によっても変わるため、最終的な金額は公証役場または専門家へ確認してください。
FAQ
Q. 不動産の評価額はどう計算する?
A. 固定資産評価証明書に記載された評価額を使用します。市区町村役場で取得できます。
Q. 負債がある場合の財産額の計算は?
A. 公証人手数料の計算では負債を差し引かず総財産額で計算します。
Q. 遺言加算は相続人の人数で変わる?
A. 相続人の人数に関わらず財産総額が1億円以下なら一律13,000円です。
正確な費用を知りたい場合は、事前に財産額を整理し、専門家に相談することをおすすめします。
無料相談で司法書士に相談すれば、具体的な見積もりを提示してもらえます。
公正証書遺言の費用を抑える3つの実践ポイント
公正証書遺言の費用は決して安くありませんが、工夫次第で費用を抑えることが可能です。
ここでは、費用を抑えるための3つの実践的なポイントを紹介します。
品質を落とさずに節約できる方法を活用しましょう。
自分で準備できる書類を集めて節約
専門家への依頼費用を抑える効果的な方法は、必要書類を自分で収集することです。
ただし、調べる時間や間違った場合のリスクなどを抑えたい場合は、この限りではありません。
必要な書類は、遺言者本人の書類として、印鑑登録証明書(市区町村役場で取得、1通300円程度)、戸籍謄本(本籍地の市区町村役場で取得、1通450円)、住民票(住所地の市区町村役場で取得、1通300円程度)があります。
相続人に関する書類として、相続人全員の戸籍謄本(各相続人の本籍地で取得)、相続人全員の住民票が必要です。
これらの書類は、マイナンバーカードがあればコンビニで取得できる自治体も増えています。
参考:コンビニエンスストアにおける証明書等の自動交付
不動産がある場合は、登記簿謄本(法務局で取得、1通600円。オンライン請求も可能)、固定資産評価証明書(不動産所在地の市区町村役場で取得、1通300円程度)が必要です。
参考:登記情報提供サービス
遺言内容をシンプルにして手数料削減
公証人手数料は、相続人や受遺者の人数が多いほど高くなる傾向があります。
また、遺言内容が複雑だと専門家報酬も高くなります。
必要な範囲で遺言内容をシンプルにすることで、費用を抑えられます。
たとえば、細かく財産を分けるのではなく、「長男に全財産を相続させる」「妻に全財産を相続させる」のように包括的に指定すると、手数料の計算が簡単になります。
ただし、遺留分の問題には注意が必要です。 また、付言事項※を長く書きすぎると、遺言書の枚数が増え、正本・謄本の交付手数料が高くなります。
付言事項は必要最小限にとどめることで、数百円から数千円の節約になります。
※付言事項:法的効力はないが、遺言者の想いや理由を記載する部分のこと
一方で、費用を抑えることだけを重視して、本来必要な内容を省略してしまうのは本末転倒です。
たとえば、遺言執行者※の指定や祭祀承継者※の指定など、重要な事項は費用がかかっても記載すべきです。
※遺言執行者:遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う者のこと
※祭祀承継者:お墓や仏壇などの祭祀財産を引き継ぐ者のこと
専門家への依頼範囲を調整して費用最適化
専門家への依頼内容を調整することで、報酬を抑えることができます。
すべてを任せるのではなく、自分でできる部分は自分で行い、専門的な部分だけを依頼する方法です。
専門家への依頼範囲と報酬の目安
専門家報酬は、依頼する範囲によって変わります。料金ページに掲載されている当事務所の公正証書遺言プランは137,500円(税込)、証人の手配は11,000円(税込)/1名です。公証人手数料や戸籍・登記事項証明書などの実費は別途かかるため、合計額は財産内容・家族構成・依頼範囲に応じて見積もります。
| 依頼の考え方 | 向いているケース | 確認する費用 |
|---|---|---|
| 公証役場へ自分で相談 | 財産・相続人が少なく、内容が比較的単純 | 公証人手数料、必要書類の実費 |
| 一部サポートを依頼 | 文案や必要書類だけ専門家に確認したい | 相談・文案・書類確認の報酬 |
| 作成全体を依頼 | 再婚、子なし、不動産複数、受遺者多数など | 基本報酬、証人費用、実費 |
また、無料相談を活用することで、初期段階での費用を抑えられます。
多くの司法書士事務所では初回相談を無料で実施しており、遺言の必要性や大まかな内容について相談できます。
複数の事務所で相談して、報酬や対応を比較するのもよいでしょう。
ただし、費用だけで判断せず、専門家の経験や実績、対応の丁寧さなども考慮することが重要です。
安さだけを重視して不適切な遺言を作成してしまうと、後々のトラブルで結果的に費用がかかることもあります。
FAQ
Q. 公正証書遺言の費用は分割払いできる?
A. 公証人手数料は一括払いですが専門家報酬は事務所によって分割可能な場合があります。
Q. 自分で書類を集めれば専門家は不要?
A. 書類収集は可能ですが法的チェックや文案作成は専門家への相談をおすすめします。
Q. 一番安く公正証書遺言を作成する方法は?
A. 書類を自分で集め遺言内容をシンプルにし相談のみ専門家に依頼する方法です。
特に、法的な問題点のチェックや遺留分への配慮は、専門家の助言が不可欠です。
費用と品質のバランスを考えた最適なプランについて、無料相談で司法書士に相談してみましょう。
まとめ:公正証書遺言の費用を理解し適切な予算計画を
公正証書遺言の費用は、公証人手数料(財産額によって変動)、専門家報酬(依頼範囲に応じて個別見積もり)、実費(数千円〜1万円程度)の3種類で構成されます。
公証人手数料は財産額と相続人の人数によって決まり、1億円以下の場合は遺言加算として13,000円が加算されます。
費用を抑えるには、必要書類を自分で収集する、遺言内容をシンプルにする、専門家への依頼範囲を調整するなどの方法があります。
ただし、費用だけでなく、法的に有効で後々トラブルにならない遺言を作成することが最も重要です。
公正証書遺言の作成には、財産額の把握、相続人の確定、遺言内容の検討など、事前準備が欠かせません。
自分の財産状況に応じて、どのくらいの費用がかかるのかを把握し、適切な予算計画を立てることが大切です。
また、専門家に依頼する場合は、無料相談を活用して複数の事務所を比較検討することをおすすめします。
公正証書遺言の費用や作成方法について不安がある場合は、無料相談で司法書士に相談し、具体的な見積もりと最適なプランの提案を受けることをおすすめします。
この記事の監修者

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