この記事を要約すると
- 自筆証書遺言は全文自書・日付・氏名・押印・訂正方式の5つの条件が必須
- 「一切の財産を〇〇に相続させる」という包括的な書き方が全財産を漏れなく残す方法
- 日付・署名・押印の欠落や誤った訂正方式が、遺言書が無効になる最も多い原因
「長年連れ添った妻に、全財産を苦労なく残してあげたい」
「面倒を見てくれている長男にすべてを譲りたいが、他の兄弟と揉めないか心配だ」
ご自身の財産を大切な人に確実に引き継ぐため、「遺言書」を作ろうと思い立ったものの、「全財産を渡すにはどう書けばいい?」「せっかく書いても、形式が間違っていて無効になったらどうしよう…」と、ペンが止まってしまう方は非常に多くいらっしゃいます。
実は、遺言書には厳格なルールがあり、「日付の書き方」や「ちょっとした訂正ミス」だけで紙切れになってしまう恐れがあります。
さらに、「全財産を一人に渡す」という内容は、書き方を間違えると残された家族間で激しい争い(争族)を引き起こす原因にもなりかねません。
この記事では、数多くの相続手続きをサポートしてきた司法書士が、遺言書を「絶対に無効にしない」ための基本ルールから、全財産を漏れなく確実に渡すための具体的な記載例、そして家族を揉めさせないための実務上の秘訣までを徹底解説します。
この記事はこんな方におすすめ
- 遺言書を自分で書きたいが、書き方のルールが分からない方
- 全財産を特定の人に確実に渡したいと考えている方
- 遺言書が無効にならないよう、正しく作成したい方
目次
遺言書を有効にする法律上の3つの書き方ルール
遺言書は、正しい形式で作成しなければ法的に無効になってしまいます。
特に自分で書く「自筆証書遺言」は費用ゼロで作れる手軽さがある一方、書き方のルールが厳格です。まずは遺言書を有効にするための基本ルールを押さえておきましょう。
自筆証書遺言を有効にする5つの必須条件
自筆証書遺言※が法的に有効であるためには、民法968条で定められた5つの必須条件をすべて満たす必要があります。
■ ① 全文自書
遺言書の本文すべてを手書きで書く(パソコン不可)
■ ② 日付の自書
作成した日付を正確に書く(「〇月吉日」は無効)
■ ③ 氏名の自書
氏名を自分で書く(戸籍上の名前でなくても可)
■ ④ 押印
認め印でも可だが、実印が望ましい
■ ⑤ 訂正の方式
削除・訂正は定められた方式で行う
この5つのうち1つでも欠けると、遺言書全体が無効になってしまいます。
特に注意が必要なのが日付の記載です。「令和7年6月吉日」のように曖昧な書き方をすると無効になります。年月日を特定できない記載は民法968条の要件を満たさないとされており、「令和7年6月24日」と正確な日付を記載しましょう。
氏名については、通名(ペンネームや旧姓)でも本人特定ができれば有効とされる場合がありますが、相続発生後のトラブルを避けるために戸籍上の氏名を使うことをおすすめします。
※自筆証書遺言:遺言者が全文を自分の手で書く遺言書の形式。費用がかからず手軽に作成できるが、形式ミスによる無効リスクがある。
財産目録はPC作成OK!添付できる書類と注意点
2019年(平成31年)の民法改正により、財産目録※に限ってパソコンで作成することが認められるようになりました。
財産の多い方でも効率よく遺言書を準備できるようになっています。財産目録として添付できる書類の例は以下のとおりです。
- パソコンで作成した財産一覧表
- 不動産の登記事項証明書のコピー
- 預金通帳のコピー
- 証券会社の残高証明書のコピー
ただし、財産目録を添付する場合には重要な注意点があります。
財産目録のすべてのページに、遺言者の署名と押印が必要です。表と裏がある場合は両面に署名・押印します。この手続きを怠ると財産目録が無効となり、遺言書全体の解釈に影響が出ることがあります。
なお、本文(誰に何を相続させるかという記載)はあくまで手書きが必要です。本文をパソコンで作成すると遺言書全体が無効になるので注意してください。
※財産目録:遺言書に添付する形で、相続財産の種類・内容を一覧にした書類。2019年の改正でパソコン作成が認められたが、各ページへの署名・押印が必要。
遺言書に書けること・書けないことの具体例
遺言書には法律上効力を持つ事項(遺言事項※)と、書いても法的な効力を持たない事項があります。まず下の表で2つの区分を整理しておきましょう。
■ 書けること(遺言事項:法的効力あり)
法律で定められた範囲で、法的な効力を持ちます。
- 財産を誰に相続させるか(相続分の指定・遺産分割方法の指定)
- 相続人以外の人に財産を渡す(遺贈※)
- 認知
- 遺言執行者※の指定
- 祭祀主催者(お墓の管理者)の指定
■ 書いても効力がないこと(法的拘束力なし)
遺言書に書いても無効にはなりませんが、法的な強制力はありません。
- 「家族仲良くしてほしい」など精神的な希望や願い
- 葬儀・お墓の方法に関する要望
- 相続人以外の人を「法定相続人にする」旨の記載
- 単純に義務だけを課す内容(負担付遺贈の形をとれば可能)
法的効力がない事項を遺言書に記載しても、遺言書自体が無効になるわけではありません。ただし、希望を実現する法的な力はないため、別途家族への申し送りや信託の活用を検討しましょう。
※遺言事項:遺言によって法的効力を持つ事項のこと。民法が定める範囲でのみ法的な効力を持つ。
※遺贈:遺言によって相続人以外の人(法人や第三者)に財産を渡すこと。
※遺言執行者:遺言の内容を実際に実行するために指定される人のこと。司法書士や弁護士が就任することが多い。
「誰に何を渡すか」が明確でない遺言書は相続人間の争いの原因になります。作成前にぜひ一度、無料相談をご活用ください。
FAQ
Q. 「字が汚くて自信がありません。パソコンで作って印刷し、ハンコだけ押すのはダメですか?」
A. 本文のパソコン入力はNGです!遺言書全体が無効になります。
財産一覧(財産目録)だけはパソコン作成や通帳のコピーでも認められますが、「誰に何を渡すか」という本文自体は、必ずご自身の手書き(全文自書)でなければ法的な効力を持ちません。
Q. 「遺言書の中に『兄弟で揉めずに実家を守ってくれ』と書いたら、法的に守らせることはできますか?」
A. 気持ちを伝えることはできますが、法的な強制力はありません。財産の分け方以外の「精神的なお願い」は、法的な効力(遺言事項)を持ちません。
ただ、付言事項として感謝や願いを添えることは、死後の家族の争いを防ぐ上で非常に効果的です。
全財産を漏れなく書く!記載例と包括遺贈の活用
「全財産を渡したい」という場合、財産を1つひとつ列挙する方法と、包括的に指定する方法があります。
どちらの方法にも特徴があるため、自分の財産状況に合った方法を選ぶことが大切です。ここでは3つの記載パターンと具体的な書き方を解説します。
全財産を確実に指定する3つの記載パターン
あなたが財産を渡したいのは特定の1人だけですか?それとも複数の方に分けたいですか?渡し方によって最適な記載パターンが異なります。
全財産を特定の人に相続させる場合、主に以下の3つのパターンで記載します。
・【パターン①】包括的記載(一切の財産を〇〇に相続させる)
メリット:漏れがない / デメリット:負債も引き継ぐリスクあり
・【パターン②】割合指定(全財産の〇分の〇を〇〇に相続させる)
メリット:配分が明確 / デメリット:具体的な分け方は後で話し合いが必要
・【パターン③】財産列挙(具体的な財産を記載)
メリット:誰が何を受け取るか明確 / デメリット:書き漏らした財産は話し合いになる
パターン①:「一切の財産を相続させる」と包括的に書く
最もシンプルで漏れが少ない書き方です。
遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、長男 山田太郎(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。
「一切の財産」と書くことで、不動産・預貯金・株式など財産の種類を問わず、遺言書作成後に取得した財産も含めてすべてが対象になります。財産の数が多い方や、将来的に財産が増える可能性がある方に特に向いている書き方です。
パターン②:相続割合で指定する
複数の相続人に全財産を割合で振り分けるパターンです。
遺言者の有する全財産を、妻 山田花子に3分の2、長男 山田太郎に3分の1の割合で相続させる。
割合で指定する場合、具体的な財産の分け方は相続人同士で話し合う必要があります。大まかな配分の意思を示したい場合に向いています。
パターン③:財産を種類ごとに列挙する
不動産・預貯金など種類ごとに具体的な財産を記載するパターンです。
別紙財産目録1記載の不動産を長男 山田太郎に、別紙財産目録2記載の預貯金を妻 山田花子に、それぞれ相続させる。
財産ごとに受け取る人を細かく指定できる一方、列挙し忘れた財産は法定相続分に従って分割されるため注意が必要です。
不動産・預貯金・株式の具体的な書き方
財産の種類によって、特定に必要な情報が異なります。記載の際は以下を参考にしてください。
■ 不動産
別紙財産目録1記載の不動産を、長男 山田太郎(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。
財産目録には、土地・建物の登記情報(所在・地番・地目・地積など)を正確に記載します。登記事項証明書を法務局で取得し、記載内容をそのまま転記すると間違いが少なくなります。
■ 預貯金
〇〇銀行〇〇支店の普通預金(口座番号:1234567)の預金全部を、妻 山田花子(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。
金額は変動するため「全部」と記載するのが一般的です。金融機関名・支店名・口座種別・口座番号を正確に記載しましょう。
■ 株式・投資信託
〇〇証券株式会社〇〇支店に保管中の有価証券の全部を、長男 山田太郎(昭和〇〇年〇月〇日生)に相続させる。
証券口座で管理している有価証券は、口座単位で「全部」と記載するのが実務上よく使われる方法です。銘柄名を一つひとつ列挙すると、後から購入した銘柄が漏れるリスクがあります。
遺言書作成後に増えた財産を包括遺贈で対応する方法
遺言書を作成した後に財産が増える(不動産を購入した、証券口座を新設したなど)ケースは少なくありません。
このような場合に備えて有効なのが「包括遺贈」という方法です。
包括遺贈※とは、「財産の〇分の〇」や「全財産」のように、具体的な財産を列挙せずに割合や全部を指定する遺贈の方法です。
書き方の例:
遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、妻 山田花子(昭和〇〇年〇月〇日生)に包括して遺贈する。
参考:民法第964条(包括遺贈及び特定遺贈)- e-Gov法令検索
包括遺贈を使うと、遺言書作成時点では存在しなかった財産も自動的に対象に含まれるため、遺言書を書き直す手間を省くことができます。
ただし、包括遺贈を受けた人(包括受遺者※)は、財産だけでなく借金などの負債も引き継ぐこととなります。
もし負債がある場合は、相続人に相続させる形(「相続させる」という文言を使う)を選ぶか、司法書士や弁護士に相談のうえ遺言内容を検討することをおすすめします。
日本公証人連合会の統計によると、公正証書遺言の作成件数は年間約11万件と、近年増加傾向が続いています。遺言書への関心が高まるなか、どの記載方法を選ぶかの判断はとても重要です。
出典:日本公証人連合会
※包括遺贈:財産を具体的に特定せず、割合や全部で指定する遺贈。相続人以外の人が対象の場合に使う。相続人に対しては「相続させる」という表現を使うのが正しい書き方。
※包括受遺者:包括遺贈を受けた人。相続人と同一の権利義務(財産も負債も含む)を承継する。
家族を揉めさせない!特定の人に全財産を渡す際の必須対策
「妻に全財産を」「長男にすべてを」という遺言書は、実は死後に骨肉の争い(争族)に発展するリスクが最も高いパターンです。家族が揉めず、手続きをスムーズに進めるために、実務上は必ず以下の2つの対策をセットで行います。
■ 対策①:遺留分(いりゅうぶん)トラブルを防ぐ「付言事項」
「長男に全財産を渡す」と書くと、他の相続人(次男など)の「遺留分(法律で保障された最低限の財産をもらう権利)」を侵害することになり、高い確率でトラブルになります。
これを防ぐために有効なのが、遺言書の最後に「付言事項(ふげんじこう)」を書き添えることです。
【付言事項の記載例】
「長男の太郎には、長年にわたり私の介護をしてくれたことに深く感謝し、全財産を相続させます。次男の次郎も、どうか私の思いを理解し、兄弟仲良く助け合って生きていってください。」
このように「なぜ全財産を渡すのか」という切実な理由や感謝の思いを自分の言葉で添えることで、他の家族の感情的な納得を得やすくなります。(※心配な場合は、あらかじめ遺留分相当の現金を生命保険等で準備しておくのも実務上の有効な手段です)
■ 対策②:単独で手続きを進められる「遺言執行者」の指定
全財産を渡す遺言を書いても、いざ亡くなった後の「銀行口座の凍結解除」や「不動産の名義変更」の窓口手続きは非常に煩雑で、場合によっては他の相続人の協力が必要になることもあります。
そこで、遺言書の中で「遺言執行者(いごんしっこうしゃ)」を指定しておきましょう。
【遺言執行者指定の記載例】
「遺言者は、本遺言の遺言執行者として、長男 山田太郎を指定する。」
遺言執行者を指定しておけば、その人が単独で解約や名義変更の手続きを進めることができるようになります。手続きの負担を減らすためにも、全財産を渡す遺言書には必ずセットで書き込んでおきましょう。(司法書士などの専門家を執行者に指定して、手続きを丸投げすることも可能です)
FAQ
Q. 「長年連れ添った妻に全財産を渡したいです。なんて書くのが一番トラブルになりませんか?」
A. 「一切の財産を妻〇〇に相続させる」という一文が最も確実です。
個別の預金口座などを細かく書きすぎると、後から別の銀行で口座を作った際に漏れてしまうリスクがあります。「一切の財産」と包括的に書くことで、将来増えた財産もすべて漏れなく渡すことができます。
Q. 「実家の土地の書き方ですが、郵便物が届く住所(住居表示)を書けばいいんですよね?」
A. いいえ、危険です!必ず法務局の『登記事項証明書』通りに書いてください。
普段使っている住所(〇丁目〇番〇号など)と、法務局に登録されている地番は異なることがほとんどです。ここを間違えると、死後の不動産の名義変更手続きがスムーズに進まなくなる恐れがあります。
遺言書でよくある3つのミスと無効になる書き方
遺言書を自分で作成する場合、形式上のミスが原因で無効になってしまうケースが後を絶ちません。
「丁寧に書いたつもりなのに」と後から気づいても、遺言者が亡くなった後では取り返しのつかない事態になってしまいます。よくあるミスを事前に知って、確実に防ぎましょう。
日付・署名・捺印がないと無効!最重要チェックリスト
遺言書を書き終えたら、以下のチェックリストで最終確認をしてください。細かい部分まで気が回らないこともあるかと思いますが、このリストを使えば安心です。
■ 【日付】年月日まで正確に記載されているか
⭕️ OK:令和7年6月24日
❌ NG:令和7年6月吉日(※特定できないため無効)
■ 【署名】遺言者本人の氏名が自書されているか
⭕️ OK:手書きの氏名
❌ NG:パソコンでの印字やスタンプ印
■ 【押印】印鑑が押されているか
⭕️ OK:実印・認め印いずれも可(※実印が望ましい)
■ 【全文自書】本文がすべて手書きか
⭕️ OK:手書き全文
❌ NG:本文のパソコン入力・代筆
■ 【財産目録】(※PCで作成した場合のみ)
⭕️ OK:目録の「全ページ」に署名と押印がある
日付は特に見落としやすいポイントです。日付がない、または「吉日」のように特定できない記載は遺言書を無効にします。
また、署名は戸籍上の氏名を使うのが最も確実です。通名・旧姓でも本人特定ができれば有効とされる場合がありますが、相続発生後のトラブルを防ぐためにも戸籍の記載どおりに書くことをおすすめします。
訂正・書き直しのルールと無効になる2つのミス
書き間違えてしまうのは誰にでもよくあることですよね。ただ、遺言書の訂正は民法で定められた方式に従わなければ、その箇所が法的に無効となってしまいます。
正しい訂正方法は以下のとおりです。
① 訂正箇所に二重線を引く → ② 余白に「〇行目〇字削除〇字加入」と書く → ③ 訂正箇所の近くに押印する → ④ 署名する
この手順を1つでも守らずに行った訂正は、法的に無効となります(民法968条2項)。
■ 無効になるミス①:修正テープや修正液で消す
修正テープや修正液で消した訂正は、民法の訂正方式を満たしていないため無効です。「正しく訂正できない」と判断された場合、その部分の内容が遺言書から削除されたとみなされます。
■ 無効になるミス②:訂正箇所への署名・押印を忘れる
訂正箇所に二重線を引いても、署名・押印を忘れると訂正が無効になります。元の文字が生きてしまい、意図しない内容で確定してしまう可能性があります。
訂正ミスが増えてきた場合は、最初から書き直すことを強くおすすめします。書き直す場合は、古い遺言書を廃棄(ハサミで切るなど)しておかないと、「どちらが有効な遺言書か」という混乱を招くことがあります。
法務局保管制度を使って遺言書を安全に守る方法
自筆証書遺言の弱点として、自分で保管するために紛失・改ざんのリスクがある点が挙げられます。
そこで活用したいのが、法務局の自筆証書遺言書保管制度です。2020年7月から始まったこの制度を使うと、法務局が遺言書を原本で保管してくれます。
主なメリットは以下のとおりです。
- 紛失・改ざんのリスクがない
- 遺言者が亡くなった後、相続人が「遺言書情報証明書※」を請求できる
- 家庭裁判所での「検認※」手続きが不要になる
- 費用は1件3,900円(2025年時点)と安価
参考:遺言書の検認 – 裁判所
申請の流れはシンプルです。
- 遺言書を完成させる(法定の様式を満たすこと)
- 最寄りの法務局(遺言書保管所)に予約を入れる
- 遺言者本人が出頭し、申請書・遺言書・身分証を持参する
- 法務局で受付・確認・保管
保管制度を使っても、遺言書の内容(誰に何を渡すか)については法務局がチェックするわけではありません。あくまで書き方の形式についての確認が行われます。
内容の法的有効性を確実に担保したい場合は、公正証書遺言の選択や、司法書士・弁護士への相談をあわせて検討することをおすすめします。
※検認:自筆証書遺言が発見された場合、家庭裁判所で遺言書の状態を確認する手続き。法務局保管制度を利用した遺言書は検認が不要。
※遺言書情報証明書:法務局が保管している遺言書の内容を証明する書類。相続人全員が請求できる。
遺言書は「書いた後」が本番!専門家に相談する圧倒的メリット
自筆証書遺言は費用をかけずに自分で作れるのが魅力ですが、最大の落とし穴は「いざ亡くなった後、遺された家族が自力で複雑な手続き(銀行の解約や不動産の名義変更)をしなければならない」という点です。
特に全財産を受け取る場合、他の親族とのやり取りや、法務局・金融機関を何往復もする過酷な手続きが待っています。
だからこそ、作成の段階から司法書士などの専門家に相談するメリットは計り知れません。
相続と不動産のプロである司法書士を「遺言執行者(あなたの代わりに手続きをする人)」として遺言書の中で指定しておけば、死後の面倒な名義変更や財産の分配をすべて窓口ひとつで任せることができます。「ただ正しい形式で書く」だけでなく、「大切な人に一切の苦労をかけずに財産を届ける」ことまでを見据えた提案ができるのが、実務を知り尽くした専門家の強みです。
「本当に有効な遺言書ができているか不安」という方は、作成後に一度専門家に確認してもらうことをおすすめします。無料相談をお気軽にご利用ください。
FAQ
Q. 「縁起が良いので、日付を『令和〇年〇月吉日』って書いちゃったんですが、これってマズイですか?」
A. 大変マズイです。「吉日」と書かれた遺言書は法律上、無効になります。
遺言書は「いつ書かれたものか」を特定できなければ効力を持ちません。「〇月〇日」と正確な年月日を書き直す必要があります。
Q. 「書き間違えたところを修正テープで消して、上から書き直してハンコを押しました。これで有効ですよね?」
A. 修正テープの使用はNGです!その訂正は無効とみなされます。
遺言書の訂正ルール(二重線を引いて、余白に文字数を書き、押印と署名をする)は法律で厳格に決まっています。少しでも訂正を間違えるとトラブルの元になるため、最初から新しい紙に書き直すことを強くおすすめします。
まとめ:全財産を遺言書に確実に残す3つのポイント
遺言書の書き方には法律で定められた厳格なルールがあります。形式を1つ外れるだけで無効になってしまうため、作成時には十分な注意が必要です。
全財産を確実に残すために押さえておきたいポイントをまとめます。
- 日付・署名・押印の3点セットは必須。日付は「〇年〇月〇日」と正確に記載する
- 「一切の財産を〇〇に相続させる」という包括的な記載が、漏れを防ぐ最も確実な方法
- 法務局の保管制度を活用することで、紛失・改ざんリスクをなくし、検認手続きも不要になる
「自分で書ける自信がない」「財産の種類が多くて不安」という場合は、公正証書遺言の選択も有力な選択肢です。費用はかかりますが、公証人が作成に関わるため形式上の無効リスクをほぼゼロにすることができます。
また、一度作成した遺言書でも、遺言者が生きている間はいつでも撤回・書き直しができます。遺留分(法定相続人が持つ最低限の取り分)に関わる複雑な判断が必要な場合は、専門家への相談をあわせてご検討ください。
最後に:迷いや不安があれば、まずは「あなたの思い」を聞かせてください
「自分のケースだと、どう書くのが一番安全なんだろう?」
「他の兄弟から文句が出ないか、やっぱり少し不安だ」
少しでも迷いがある場合は、ひとりで思い悩まず、まずは私たちの無料相談をご活用ください。
遺言書は、単なる財産の分け方を書く紙ではなく、あなたの「思い」を家族に届ける最後の手紙です。
あいりん司法書士事務所では、法律の専門家としての視点から、その思いを確実に、そして平和に実現するための最適な道筋をアドバイスいたします。
まだ内容が固まっていなくても全く問題ありません。「今の状況をちょっと聞いてほしい」というお気持ちで、どうぞお気軽にお声がけください。
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この記事の監修者

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