遺言書の検認期日は欠席できる?相続人・申立人別の対応と欠席後の確認方法

遺言書の検認期日を欠席できるか、相続人と申立人の違いを示すアイキャッチ

家庭裁判所から遺言書の検認期日通知書が届いたものの、仕事、介護、入院、遠方への居住などを理由に「出席できない」と困っている方もいるでしょう。

申立人以外の相続人は、遺言書の検認期日を欠席できます。相続人全員がそろわなくても、検認手続は行われます。ただし、申立人は遺言書原本を家庭裁判所へ提出する役割があるため、出席できないと分かった時点で裁判所へ連絡し、期日変更や提出方法について指示を受ける必要があります。

この記事を要約すると
  • 申立人以外の相続人は検認期日を欠席でき、欠席しても検認は進みます
  • 欠席だけを理由に相続分や遺留分を失うことはありません
  • 申立人が出席できない場合は、遺言書原本を扱うため家庭裁判所へ早めに連絡します
この記事をおすすめしたい方
  • 家庭裁判所から検認期日通知書が届いたものの、当日に出席できない相続人
  • 自分が申立人なのか、通知を受けた相続人なのか分からない方
  • 遺言書 検認 欠席、検認期日 行けないというキーワードで記事をお探しの方

1. 遺言書の検認期日は欠席できる?

結論は、申立人以外の相続人であれば欠席できます。裁判所の公式案内でも、申立人以外の相続人が検認期日に出席するかどうかは各人の判断に任され、全員がそろわなくても検認手続を行うと説明されています。

ただし、「相続人」と「申立人」では役割が違います。通知書の宛名だけで判断せず、書面に記載された事件番号、期日、申立人名を確認してください。

1-1. 申立人以外の相続人は欠席しても検認が進む

検認は、遺言書の状態を家庭裁判所が確認して記録し、相続人へ遺言書の存在を知らせる手続です。相続人同士が合意したり、遺言書の有効性を争ったりする期日ではありません。

そのため、通知を受けた相続人が仕事や介護などで欠席しても、ほかの相続人と申立人が出席すれば手続は進みます。欠席する相続人がいることを理由に、通常は期日が当然に延期されるわけではありません。

1-2. 申立人は遺言書原本を持参する役割がある

申立人は、遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人です。検認期日には申立人から遺言書原本を提出してもらうことが、裁判所の案内で予定されています。

申立人が出席できない場合は、自己判断で欠席せず、期日通知書に記載された家庭裁判所へ早めに連絡してください。裁判所が、期日変更の可否、遺言書原本の提出方法、代理人の取扱いなどを個別に案内します。

1-3. 代理人に任せたい場合も裁判所へ確認する

民法第1004条第3項は、封印のある遺言書について、家庭裁判所で相続人またはその代理人の立会いがなければ開封できないと定めています。ただし、誰を代理人にできるか、どの書類が必要かは、通知内容や事件の状況によって確認が必要です。

家族へ通知書を渡して代わりに行ってもらえばよい、と決めつけないでください。代理出席を希望する場合は、事件番号を伝えたうえで担当書記官へ確認しましょう。

2. 検認期日を欠席すると不利益はある?

欠席したことだけで、相続分、遺留分、遺言の有効性を争う権利が失われるわけではありません。検認は遺言書の有効・無効を判断する裁判ではないためです。

2-1. 欠席しても相続権を放棄したことにはならない

検認期日の欠席は、相続放棄でも遺産分割協議への同意でもありません。遺言書に不公平な内容が書かれていた場合も、欠席だけで異議を述べられなくなるわけではありません。

一方、相続放棄の熟慮期間や遺留分侵害額請求の期間は、検認とは別に進みます。検認期日を待っている間も、相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時から原則3か月、遺留分侵害額請求は相続開始と侵害する遺贈・贈与を知った時から原則1年という別の期間を意識してください。

2-2. 欠席しても遺言書を有効と認めたことにはならない

裁判所の検認は、遺言書の用紙、筆記、日付、署名、押印、加除訂正など、検認時点の状態を記録する手続です。遺言能力の有無、筆跡が本人のものか、遺言内容が公序良俗や遺留分に反するかまでは判断しません。

欠席後に遺言書の成立や内容へ疑問が生じた場合は、遺言書の写し、検認調書、筆跡資料、医療・介護記録などを整理し、紛争対応を扱う弁護士へ相談することを検討します。

2-3. 欠席した相続人にも検認手続の事実は通知される

家事事件手続規則第115条は、検認期日に立ち会わなかった相続人等へ、検認を実施した旨を通知することを定めています。ただし、通知だけで遺言書の全文や、その後の相続手続がすべて分かるとは限りません。

欠席した場合は、申立人や遺言書の保管者へ連絡し、検認済証明書が付いた遺言書の内容、遺言執行者の有無、預貯金や不動産の手続状況を確認しましょう。

3. 検認期日通知書が届いたら確認する5項目

通知書を受け取ったら、出席するかどうかだけでなく、次の5項目を順番に確認します。

  1. 自分の立場:申立人か、通知を受けた相続人か
  2. 事件番号:裁判所へ問い合わせる際に必要
  3. 期日と場所:本庁・支部、開始時刻、持参物
  4. 遺言書の保管者:原本を誰が持っているか
  5. 別の期限:相続放棄、税務申告、遺留分などの進行状況

3-1. 出席した方がよいケース

法律上、申立人以外の相続人の出席は任意ですが、次に当てはまる場合は出席する意味があります。

  • 封筒や遺言書の状態を自分の目で確認したい
  • 遺言書の筆跡、日付、訂正箇所に疑問がある
  • 相続人間で遺言書の保管経緯について意見が食い違っている
  • 検認後すぐに相続登記や預貯金手続へ進みたい

ただし、検認期日で遺言の有効性を争う議論を長時間行う手続ではありません。疑問点はメモにし、検認後の相談先も準備しておくと動きやすくなります。

3-2. 欠席すると決めた場合の連絡

申立人以外の相続人は、欠席しても検認が進みます。とはいえ、通知書に出欠回答書や連絡方法が書かれている場合は、その案内に従ってください。

裁判所へ連絡するときは、「事件番号」「遺言者名」「自分の氏名」「申立人との関係」「欠席理由」「遺言書の内容を後日確認する方法」を簡潔に伝えます。住所変更がある場合も、通知が届かなくなる前に伝えておきましょう。

プチ情報:兄弟3人のうち1人が遠方に住んでいたら

横浜で暮らしていた父の自筆証書遺言が見つかり、長男が検認を申し立てたものの、次男は大阪、長女は海外在住という場面を考えてみましょう。次男と長女が欠席しても、申立人の長男が遺言書原本を持参すれば検認は進みます。ただし、欠席した2人は遺言書を見ないまま相続手続が動く可能性があります。欠席を決めたら、長男へ遺言書と検認済証明書の写しを共有してもらう時期を決め、遺言執行者から連絡が来るかも確認しておくことが大切です。

4. 検認期日当日に行われること

検認期日では、申立人が遺言書原本を提出し、出席した相続人等の立会いのもとで裁判官が遺言書の状態を確認します。封印のある遺言書は家庭裁判所で開封します。

4-1. 検認は遺言書の状態を記録する手続

裁判官は、遺言書の形状、日付、署名、押印、加除訂正の状態などを確認します。出席者へ、遺言書の発見場所や保管状況を尋ねることもあります。

e-Gov法令検索の民法第1004条は、遺言書の保管者や発見した相続人に対し、相続開始を知った後、遅滞なく検認を請求するよう定めています。検認には「相続開始から3か月以内」という法定期限はありませんが、遅らせず申し立てる必要があります。

4-2. 検認済証明書を付けて相続手続へ進む

検認後、遺言書を執行するためには、遺言書へ検認済証明書を付ける必要があります。申請には遺言書1通につき150円分の収入印紙が必要です。

検認後は、遺言書の内容に応じて相続登記、預貯金の払戻し、株式の名義変更などへ進みます。遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者の選任方法・権限・必要書類も確認してください。

5. 横浜家庭裁判所で検認するときの費用と管轄

検認の申立先は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。相続人の現在の住所ではありません。遺言者の最後の住所が横浜市内の場合も、地域により本庁または支部の管轄を確認します。

5-1. 基本費用は収入印紙800円と連絡用郵便料

裁判所の遺言書検認手続案内によると、申立費用は遺言書1通につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便料です。

横浜家庭裁判所が公表する郵便料等一覧では、遺言書の検認について110円×(相続人数+2)の郵便切手が案内されています。金額や納付方法は変更されることがあるため、申立て直前に横浜家庭裁判所の最新郵便料一覧を確認してください。

5-2. 必要書類は相続関係により増える

標準的には、申立書、遺言者の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍などが必要です。子が先に亡くなっている、兄弟姉妹や甥・姪が相続人になるなどのケースでは、追加の戸籍が必要になります。

詳しい全体手順は、既存の遺言書の検認手続・必要書類の解説をご覧ください。封印のある遺言書を見つけた場合は、遺言書の封筒と開封時の注意点も参考になります。

6. 遺言書の検認を欠席するときの注意点

6-1. 通知を無視したままにしない

申立人以外の相続人は欠席できますが、通知書を捨ててよいわけではありません。期日、事件番号、申立人、裁判所の連絡先を保存し、検認後に遺言書を確認する段取りを決めてください。

6-2. 封印のある遺言書を自宅で開封しない

民法第1005条は、検認を経ずに遺言を執行したり、家庭裁判所外で封印のある遺言書を開封したりした者を5万円以下の過料に処すると定めています。開封しただけで直ちに遺言書が無効になるわけではありませんが、改ざんを疑われる原因になります。

6-3. 欠席後は遺言内容と期限を早めに確認する

検認が終わったら、申立人、遺言書の保管者、遺言執行者へ連絡し、遺言書の写しを確認します。不動産を誰が取得するか、預貯金の払戻しを誰が進めるか、自分の遺留分を侵害する内容がないかを整理しましょう。

遺言内容に納得できない場合は、検認の場で解決しようとするのではなく、遺言と遺留分の関係・請求期限を確認し、必要に応じて弁護士へ相談します。

7. まとめ:相続人は欠席可能、申立人は裁判所へ事前連絡

遺言書の検認期日は、申立人以外の相続人であれば欠席でき、全員がそろわなくても手続は進みます。欠席だけで相続権や遺留分を失うことはなく、遺言書を有効と認めたことにもなりません。

一方、申立人は遺言書原本を提出する役割があります。出席できない場合は、自己判断で欠席せず、事件番号を手元に置いて家庭裁判所へ早めに連絡してください。欠席する相続人も、検認後に遺言書の写し、遺言執行者、相続放棄や遺留分などの別期限を確認することが重要です。

8. 遺言書の検認欠席に関するFAQ

Q1. 相続人全員が検認期日に出席する必要はありますか?

いいえ。申立人以外の相続人が出席するかどうかは各人の判断に任され、全員がそろわなくても家庭裁判所は検認手続を行います。

Q2. 申立人も検認期日を欠席できますか?

申立人は遺言書原本を提出する役割があるため、出席できない場合は事前に担当家庭裁判所へ連絡が必要です。期日変更、原本提出、代理人の取扱いについて裁判所の指示を受けてください。

Q3. 検認を欠席すると相続分を失いますか?

失いません。検認期日の欠席は、相続放棄や遺産分割への同意ではありません。ただし、相続放棄や遺留分侵害額請求には別の期間があるため、欠席後も期限管理が必要です。

Q4. 欠席したら遺言書の内容を確認できませんか?

欠席後も確認できます。申立人、遺言書の保管者、遺言執行者へ連絡して、検認済証明書が付いた遺言書の写しや手続状況を確認してください。必要な記録の取得方法は家庭裁判所にも確認できます。

Q5. 検認期日の通知を無視してもよいですか?

通知を無視するのはおすすめできません。申立人以外の相続人は欠席できますが、通知書に出欠回答や連絡の案内があれば従い、事件番号と期日を保存してください。

Q6. 検認を欠席すると遺言書の有効性を争えなくなりますか?

欠席だけで争えなくなるわけではありません。検認は遺言書の状態を記録する手続で、有効・無効を判断する手続ではありません。筆跡や遺言能力などに疑問がある場合は、資料を整理して弁護士へ相談してください。

検認期日の対応に迷った方へ

通知書、遺言書の写し、戸籍、相続財産が分かる資料をそろえると相談がスムーズです。あいりん司法書士事務所では、検認後の相続登記や遺言執行を含め、次に必要な手続きを整理します。

この記事の監修者

司法書士・行政書士 梅澤 徹(うめざわ とおる)
あいりん司法書士事務所 代表。神奈川県司法書士会(第2259号)・神奈川県行政書士会(第15090451号)所属。相続手続き3,000件超をサポート。

司法書士・行政書士 梅澤徹

この記事の監修者

司法書士・行政書士 梅澤 徹(うめざわ とおる)

あいりん司法書士事務所 代表。神奈川県司法書士会(第2259号)・神奈川県行政書士会(第15090451号)所属。相続手続き3,000件超をサポート。プロフィールを見る 無料相談のご案内

【最低価格保証】
当公式サイトからのご予約が1番お得です!

電話で相談する

実績豊富な専門家が無料でお話を伺います phone 0120-470-055
  • 土日祝日も対応
  • 受付9:00-21:00

WEBで無料相談を予約

専用の予約フォームから簡単に
無料相談をご予約できます
24時間以内にご返信
代表司法書士梅澤

専門スタッフ
がお答えします