遺言書

遺言作成に適した年齢はいつからなのか?遺言と年齢の関係について解説!

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「自分はいつ遺言書を書けばよいのだろうか?」「そもそも自分は遺言書を書く必要があるのだろうか?」と悩んでいる人がいらっしゃるかと思います。遺言書を書くならば、何歳から書けるのか、どういったタイミングで書けばよいのか。

本記事では、遺言書を書くことの必要性と遺言書を書くべきタイミングについて解説します。

遺言ができる年齢

遺言ができる年齢は「15歳以上」であれば、何歳になってもすることができます。民法961条にも「十五歳に達したものは、遺言をすることができる」と定められています。遺言というと、高齢者のものというイメージがあるでしょう。しかし、法律では遺言は若い時からできるようになっています。これは、若い人でも遺言を必要とすることが考えられるからです。

遺言を作成する理由

遺言をする理由は、遺産相続で親族間での争い、いわゆる争族を防止することです。具体的な例として、遺産が自宅のみで、相続人が配偶者と親だったときに、遺言が無い場合です。遺言が無い場合、自宅をそのままにしておきたい配偶者と売却してお金にして法定相続分相続したい親とで意見が分かれる場合が考えられます。

遺言の種類と手続き

遺言には複数の種類があり、それぞれ手続き方法が違います。

公正証書遺言

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成する遺言方式で、最も信頼性が高い方法です。公証人は、法律的要件と遺言者の意思能力を確認しながら遺言書を作成し、遺言者が証人2人以上の前で口述し、公証人が作成します。検認が不要なため、手続きが迅速に進められ、無効になる可能性が低いとされています。

公正証書遺言書の原本が、公証役場で20年間保存されることも安心です。公正証書遺言では、遺言書を作成する費用が他の遺言方式と比べて最も掛かる遺言方式です。大事な遺言書を無効にしないためにも公正証書遺言が推奨されます。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が自分で遺言書の全文、日付、氏名を自書し、押印する遺言方式で、財産目録のみワープロで作成可能です。公正証書遺言のように公証人の面前で作成する必要がなく、自分だけで作成できるため、誰にも見られないメリットがあります。しかし、公証人のような専門家が作成しないために、内容の不備で遺言が無効になる可能性もあります。

遺言の保管は自己責任になるため、紛失や隠蔽・破棄・改ざんされる可能性があるので注意が必要です。遺言者の死亡後に遺言書について、家庭裁判所の検認が必要です。検認の手続きは非常に時間を要します。

家庭裁判所への申し立てや相続関係を証明する戸籍謄本などを提出しますその後に、改めて家庭裁判所から検認をする期日を指定されて、裁判所へ出向いての遺言書の原本確認をする必要があります。これが、検認を必要としない公正証書遺言とは異なる自筆証書遺言のデメリットです。なお、次の法務局による自筆証書遺言書保管制度を利用した場合は、家庭裁判所の検認は不要になります。

法務局による自筆証書遺言書保管制度

公正証書遺言は、公証役場で遺言が保管されるので安心です。自筆証書遺言にも法務局による保管制度があります。秘密証書遺言は対象外ですので注意しましょう。この保管制度は遺言書1件につき、3,900円という安価な費用で利用できます。保管先は、全国各所にある法務局の遺言書保管所です。

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自筆証書遺言のデメリット

1つは、遺言書が紛失、隠蔽、破棄、改ざんされる可能性があること。もう1つは、専門家による作成ではないために内容不備による遺言無効のリスクがあることです。前者は防止できますが、後者は法務局保管制度ではチェックされず、相談もできないため、防止できません。

秘密証書遺言

公正証書遺言は、遺言者が自分で作成した遺言書を封筒に入れ、公証人の前で封をする方法です。ワープロなどで作成可能で、内容は秘密にされ、改ざんを防ぐ手続きがありますが、内容不備により無効になるリスクがあります。遺言者の死後に家庭裁判所が検認を行います。

遺言作成に適したタイミング

遺言書作成に適したタイミングがあるのかを解説します。

考え方

遺言書作成に適した年齢は人それぞれ違います。つまり、遺言書作成は高齢になってから、だけではありません。なぜかというと、人それぞれ家族構成の変化や身体の状況、財産の構成変化のタイミングが違うからです。

下記の事由が生じたときは、遺言書作成に適したタイミングといえます。

家族構成が変化したとき

家族構成が変化すると、法定相続人の構成も変わります。例えば、結婚したときです。独身のときは、自分の法定相続人は親または兄弟になります。しかし、結婚して子がいないときに自分に相続が発生すると、法定相続人は配偶者と自分の親または自分の兄弟という構成に変わります。つまり、配偶者は義理の親または義理の兄弟と遺産分割協議をすることになるので、遺言が無いと争いになることがあります。

また、離婚と再婚の場合も同様です離婚しても子は自分の相続人のまま変わりませんが、離婚相手は相続人から外れて、再婚相手が新たに相続人となります。再婚して生まれた子も新たな相続人となります。この場合、自分に万が一が起きると、争いが起きる可能性は十分に考えられます。あるいは、再婚相手に連れ子がいて養子縁組をすると、相続人になります。この場合も、他の子供との間で争族が生じる可能性があります。これらの争族を防ぐためにも、遺言書を作成しておくべきです。

身体状況が変化したとき

自分の万が一に備えて、遺言しておくことは大事なこととなります。ある日突然、脳卒中や心筋梗塞で倒れて亡くなるニュースも見ます。一般的には財産を築き出す一方、住宅ローンなどの負債を抱えていることも多いです。もし突然死した時に遺言がないと、どのような財産や負債があるのかがわからず、相続人が相続手続きに困ることがあります。遺言があると、財産や負債の詳細だけではなく、処分方法も指定できるため、相続手続きがスムーズに進み、争いも防げます。人生環境が複雑で多様化している年代でもあります。

財産構成が変化したとき

例えば、家を購入したときです。家は現金のような形態で分割ができません。自分の相続が発生して、複数の相続人が家を共有にした場合、売却や賃貸に出すには1人の相続人単独では決められません。この時、共有者の同意を得られないと争いになります。遺言があれば、家を1人に相続させて、他の相続人には別の財産を相続させることができます。

こういったことを踏まえて、遺言書作成に適したタイミングとは、ライフステージが大きく変化した時です。その年齢とは、必ずしも1回とは限らず、人により回数が違います。イメージとしては保険の見直しに似ています。もう一つ重要なことは、遺言するだけの意思能力があるうちに作成することです。法律上、遺言をするには、遺言するに足りる意思能力を要件としているからです。

高齢の方

60代以上の方です。身体状況にかなり個人差が出る年代です。元気な人でも病気になるリスクは急激に高まります。注意するべきは、遺言をするための意思能力です。

認知症などで意思能力が無くなると、遺言をしても無効となります。あるいは、相続人同士で遺言が有効か無効かの争いに発展することもあります。たとえ公正証書遺言でも、その法的効力は絶対的ではありません。亡くなる直前の遺言は、意思能力を疑われる可能性があります。

この年代では、不動産や株式など多額で多様な財産を持つ人が多く、相続人の間で争いが起こりやすくなります。したがって、意思能力が十分あるうちに遺言書を作成しておくべきです。他に注意することとして、配偶者に先立たれるということも起きます。相続人の構成が変わります。この場合も、争族対策のために遺言書の作成は大事です。

遺言は書き直すことができる

遺言書作成に適した年齢は、必ずしも1回ではないと前述しましたが、人によりさまざまです。なぜなら、自分や身の回りの状況が変化するからです。遺言書は何回でも書き直すことができますこの際、一度行った遺言は遺言の方式によって、その遺言の全部または一部を撤回する必要があります。

書き直す時の遺言方式は自由です。1回目の遺言は公正証書遺言で、2回目の遺言は公正証書遺言で撤回後に自筆証書遺言で作成しても大丈夫です。

遺言と併せて考えられる対策

対策には次のようなものがあります。

任意後見

任意後見とは、遺言者が信頼できる人に、自分の生前の財産管理を依頼する制度です。遺言者の意思能力が低下したときに家庭裁判所へ申述して、任意後見監督人が選任されたときに発動します。もし、遺言書を作成した後に、認知症になったときの備えとして有効です。なぜならば、生前の財産管理がきちんと行われないと、遺言書に記した財産内容が維持できなくなる可能性があるからです。

自分が元気なうちに任意後見契約を結び、自分が望む財産管理を任意後見人に託すことができます。しかし、何でもできるわけではなく、財産の維持・管理から外れる投資行為などはできません。

家族信託

家族信託とは、遺言者が信頼できる人に、自分の財産管理を依頼する制度です。財産管理を依頼された人は受託者とよばれます。遺言者の意思能力が低下する前でも、任意な時期に発動でき、生前だけではなく死後のことについても契約で定められます。認知症になったとき、自分が望む生前の財産管理を受託者に託せる点は任意後見制度と同様です。

しかし、財産管理の自由度が高く、投資行為や不動産購入のために借入することも可能です。例えば、遺言者が認知症になった後に受託者が借入をして不動産を購入することにより、相続税の課税価格が圧縮できれば、相続税対策が可能です。遺言では遺言者の相続についてのみ財産処分方法が指定できます。家族信託では二次相続についても指定できます。

死後事務委任

遺言者が信頼できる人に、自分の死後の事務を依頼する契約です。遺言では対応できない事務を定めることができます。遺言は何でも指定できるわけではないため、遺言を補完するものとして有効な手段です。例として、葬儀・納骨に関すること、行政手続きやクレジットカードの解約、知人への連絡などです。独身で兄弟がいないなど、身寄りのない方におすすめです。

生前贈与

遺言者が自分の財産を無償で相手に与えることを意思表示して、相手がこれを受諾する契約です。生前贈与は争族対策と相続税対策に有効です。生前贈与は遺言と異なり、契約であるため成人してからでないと単独では行えません。争族対策として例えば、被保険者を遺言者、保険契約者および保険金受取人を法定相続人の1人とした生命保険契約を締結します。

この保険料相当額および贈与税相当額を遺言者から法定相続人の1人に贈与すると、法定相続人の金銭負担なく生命保険契約ができます。遺言者の死亡後、受取死亡保険金により相続税の納税資金や、他の相続人への代償金の用意ができ、争族対策になります。相続税対策としては、遺言者から相続人へ生前贈与による財産移転をしつつ、遺言者の財産額が減るため、相続税を減らすことができます。贈与する際は、特別受益や遺留分に配慮することも大切です。

専門家に相談するメリット

遺言は15歳以上で意思能力があれば、誰でも作成できます。しかし、誰でも有効な遺言が作成できるわけではありません。無効になってしまっては、全くの無意味になってしまいます。専門家に相談するメリットは、無効にならない遺言書を作成できることです。さらには、自分が気付いていない潜在ニーズに、専門家ならではの助言をしてくれることもあります。

例えば、争族にならないための財産処分法などです。こういったメリットに時間と費用を使う価値はあります。

まとめ

本記事をお読みいただき、遺言は15歳から単独でできること、遺言をするタイミングは人それぞれで違うことがおわかりいただけたと思います。ライフスタイルの変化があった場合には、年齢に関わらず遺言を考えることが大切です。この記事を読んで、遺言をする必要性を感じたら、司法書士などの専門家にご相談することをおすすめします。

 

この記事の監修者

あいりん行政書士法人    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん行政書士法人と司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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