相続一般

離婚した妻の実子には相続させたくない!5つの方法とは?

離婚した妻の実子には相続させない方法

この記事を要約すると

  • 離婚した妻との間の子は実子であるので、第一順位の相続人になる
  • 前妻の子に連絡せず遺産分割協議をしても無効になる
  • 離婚した妻との間の実子に相続させない方法はある

離婚した妻との間の実子は相続人になれるのでしょうか?

今回は離婚した妻との間の実子に相続させない方法を紹介しています。離婚した妻との間の実子に相続権を渡したくない人は、是非ともこの記事を参考にしてください。

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前妻の子は、相続人になるのか?

離婚した妻との間の実子が相続人になるのかを詳しく見ます。

相続権の基本的な考え方

相続権とは亡くなった時に、その人の財産や権利または義務などを引き継ぐことができる権利です。

相続の方法は主に3つです。

  • 法定相続
  • 遺言による相続
  • 分割協議による相続

法定相続は民法で決められた人だけが、受け取ることができる相続です。相続分の割合も決められています。遺言による相続は亡くなった人の遺言書で、相続の内容を決めます。

分割協議による相続は、相続人全員で相談をし、遺産の分割方法を決めます。

民法で規定している相続人の範囲を見ます。

  • 配偶者
  • 子供
  • 両親
  • 兄弟姉妹

民法では離婚した妻との間の子は実子であるので、第一順位の相続人になります。なお配偶者は常に相続人になります。

前妻は相続人ではないが、前妻の子は相続人になる

前妻と前妻の子では前妻の方に相続権があるように思われますが、実は前妻には相続権はなく、前妻の子には相続権があります

前妻には相続権がなくて前妻の子には相続権があるのは、民法独自の解釈があるからです。前妻が子供と一緒に出て行った場合でも、民法の解釈では親子関係と認定されています。

推測ですが民法が離婚した妻との間の実子の相続権を認めているのは、親の離婚話に離婚した妻との間の実子が関与できないからでしょう。

前妻に相続権がない理由は、既に離婚して婚姻関係がないからです。前妻は元妻なので離婚話に関与できます。このような理由があるので、前妻には相続権はないとされています。

前妻の子に、相続で連絡しないとどうなる?

離婚した妻との間の子は法律的には実子なので、前妻の子に連絡せず遺産分割協議をしても無効になります。

そのため離婚した妻との間の実子の不在時に実施された遺産分割協議が円満な結果になっても、離婚した妻との間の実子が異議を申し立てたら、協議をやり直す必要があります。

前妻の子の住所と電話番号が分からない場合は、関係者をあたって教えてもらうしかありません。

どうしても連絡がつかない場合は家庭裁判所に相談するしかありませんが、家庭裁判所がどのような判断を下すのかは不明です。

前妻の子に相続させない方法

民法では離婚した妻との間の子は実子とされていますが、前妻の子に相続させない方法はあります

遺言書をつくる

遺言書を作成し、離婚した妻との間の実子に相続権を渡さない方法です。

遺言書に父親の財産は後妻の子に相続させる、そして離婚した妻との間の実子には相続させないと明記します。

しかし離婚した妻との間の実子にも遺留分という権利は与えられているので、遺言書を作成したからといって、万事解決というわけにはいきません。

遺留分というのは法定相続人に、最低限保証された遺産取得分です。このような法律があるので、たとえ遺言書があったとしても、一筋縄では協議は進まないでしょう。

遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言があり、公正証書遺言の場合は公証人の手数料が必要ですが、手数料は目的の価額によって異なります。

自筆証書遺言は、要件を満たさないと無効になる恐れがあります。また自筆の証書なので、書き換えられる可能性もあります。

当たり前のことですが、遺言書は相続人が見つけやすい場所に保管するのが基本です。

生前贈与する

生前贈与すれば財産が減り、結果的に離婚した妻との間の実子に相続させる財産はなくなります。

年間110万円以内で贈与すれば贈与税はかからないので、父親は余計な税金を支払う必要がありません。

財産が多い場合は何年かに分けて贈与すればいいので、父親にとっては負担の少ない方法であると言えるでしょう。

生前贈与は確実な方法ですが、意外に知られていない注意点があります。

生前贈与した口座を被相続人である父親が管理している場合は、名義預金扱いされる可能性があります。名義預金となると生前贈与とは認められない可能性があるので、相続税の課税対象になるかもしれません。

このような事態を避けるためには、贈与時に必要な通帳と印鑑は、父親が相続人にしたい受贈者が管理することが大切です。

※贈与税免除の期間は時代によって変更になる可能性があるので、生前贈与するときは注意してください。

遺贈・死因贈与する

遺贈とは遺言書を通じた贈与のことです。

遺贈には法律で定められた規則があり、財産を贈る相手は法定相続人以外の個人または団体と定められています。

従って民法上は実子である離婚した妻との間の子に、財産は渡らないです。また遺贈先が公益法人や認定NPO法人であれば、相続税は課税されません

手続きの詳細は、遺贈先の団体で確かめてください。

死因贈与とは契約の種類で、贈与者が亡くなった場合、前もって取り決めていた財産を受贈者に贈与します。

死因贈与には負担付死因贈与というものがありますが、意味は贈与者が財産を贈与する代わりに、受贈者には何らかの義務や負担が課せられます。

遺贈と死因贈与にはさまざまな違いがありますが、見逃してはいけない相違点は、死因贈与には書面が不必要であるのに対し、遺贈には書面が必要なことです。

そのため死因贈与の場合は口約束であっても、法律上は通用することがあります。ただ口約束は信憑性に欠けるので、死因贈与であっても書面に残した方が無難です。

死後に相続放棄をしてもらう

円満な話し合いがなければ難しいですが、離婚した妻との間の実子に相続放棄してもらう方法があります。その場合は父親の財産は、後妻と後妻の子に引き継がれます。

離婚した妻との間の実子が相続放棄をする場合は、相続開始から三ヶ月以内に、家庭裁判所に申し立てする必要があります。

なお強制された相続放棄は原則的に認められないので、十分な時間をかけて話しあうことが大切です。

相続人廃除を行う

父親が離婚した妻との間の実子から著しい非行を受けていた場合は、父親は家庭裁判所に相続人廃除の申し立てをすることができます。

ただ離婚した妻との間の実子の非行を証明することは難しいため、スムーズに相続人廃除が認められないケースもあります。

主な相続人廃除の理由には以下があります。

  • 離婚した妻との間の実子から長年暴力行為を受けていた
  • 離婚した妻との間の実子の借金を肩代わりさせられていた
  • 離婚した妻との間の実子が犯行に手を染めていた

他にも相続人廃除の理由はあるかもしれませんが、詳しく知りたい人は、家庭裁判所で聞いてください。

前妻の子には遺留分が認められる 

離婚した妻との間の子は民法では実子であるため、現在の子と同じ法定相続になります。

前妻の子とトラブルを避けるため遺留分対策を

離婚した妻との間の実子とのトラブルを避けるためには遺留分対策が必要ですが、どのような対策方法があるでしょうか。

遺留分相当額の現金や生命保険を準備

一般的に知られている方法は、生前に生命保険契約を結ぶことです。受取人には後妻や後妻の子を指名します。生命保険は原則受取人の財産になるとされているので、相続財産にはなりません

生命保険契約による遺留分対策は、無条件で使える方法ではありません。それでも生命保険契約による遺留分対策は、条件付きで有効です。

他の相続人との間で著しい不公平がある場合は、最高裁で遺留分と認められたケースがあります。また被相続人への介護の貢献度が加味されて、寄与分として認められる可能性もあります。

生前に遺留分を放棄してもらう

民法上は離婚した妻との間の子は実子ですが、離婚した妻との間の実子が生前の間に遺留分を放棄したら、離婚した妻との間の実子は遺留分を受け取ることができません

遺留分の放棄は口約束も念書も無効で、家庭裁判所の許可が必要です。家庭裁判所の許可が必要な理由は、被相続人からの遺留分放棄の圧力がある可能性があるからです。

原則的に家庭裁判所の許可があれば離婚した妻との間の実子による遺留分の放棄は認められますが、放棄する理由に合理性がない場合は、申し立ては却下されることがあります。

離婚した妻との間の実子による遺留分放棄は、被相続人が生前に行う必要がありますが、被相続人の死後に、遺留分放棄の申し立てをしたらどうなるのでしょうか?

被相続人の死後に念書を書いた場合は、自由に遺留分の放棄ができます。ただ共同相続人がいる場合はトラブルに発展するおそれがあるので、慎重に対応しなければいけません。

なお離婚した妻との間の実子が遺留分放棄の念書を書いても、相続権はなくなりません

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まとめ  

この記事では離婚した妻との間の実子に相続させない方法を解説しましたが、各々の方法には注意点もあり慎重な判断が必要です。

まずは司法書士などの専門家に無料相談をすることをおすすめします。小さな相談にも応じますので、不明点がある方は、是非とも相談してください。

この記事の監修者

あいりん司法書士事務所    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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