この記事を要約すると
- 自筆証書遺言の検認は家庭裁判所で行う偽造防止の手続きで3ヶ月以内が推奨
- 検認手続きは5ステップで進み、自分で行う場合の費用は5千円〜1万5千円程度
- 専門家に依頼すると3万円〜7万円で戸籍収集から検認期日同行まで依頼可能
親が亡くなり、遺品整理をしていたら自筆の遺言書が見つかった。封を開けてもいいのか、どのような手続きが必要なのか、期限はあるのか、不安になりますよね。
遺言書の検認は、相続手続きにおいて必ず押さえておくべき重要な手続きです。
本記事では、遺言書の検認について、手続きの流れ、必要書類、費用まで、司法書士が分かりやすく徹底解説します。
この記事はこんな方におすすめ
- 自筆証書遺言が見つかり、検認手続きが必要か知りたい方
- 検認の具体的な手続きの流れや期限を理解したい方
- 検認に必要な書類や費用を事前に把握したい方
目次
遺言書の検認とは?3ヶ月以内に必要な手続き
遺言書の検認は、家庭裁判所で行う法的手続きです。
ここでは、検認の基本的な意味と目的、検認が必要な遺言書と不要な遺言書の違い、検認を怠った場合のペナルティについて解説します。
まずは検認の基礎知識をしっかり押さえましょう。
検認は遺言書の偽造防止が目的の家庭裁判所手続き
遺言書の検認とは、家庭裁判所が遺言書の形状や内容を確認し、その状態を記録する手続きです。
検認の目的は、遺言書の偽造や変造を防止することにあります。
遺言書が見つかった時点での内容や状態を裁判所が公的に記録することで、後日「遺言書が書き換えられた」といったトラブルを防ぐことができます。
ただし、検認は遺言書の有効性を判断するものではありません。
検認を受けたからといって、その遺言書が法律的に有効であることが保証されるわけではないのです。
検認はあくまで「この遺言書は、この日にこのような状態で存在していた」という事実を証明する手続きと理解してください。
検認の手続きは、相続が開始したことを知った日から3ヶ月以内に行うことが推奨されています。
遺言書を発見した相続人は、遅滞なく家庭裁判所に検認の申立てをする必要があります。
検認が必要な遺言書・不要な遺言書の違い
検認が必要な遺言書と不要な遺言書があります。
以下の表で確認しましょう。
手元にある遺言書はどのタイプでしょうか?
| 遺言書の種類 | 検認の要否 | 理由 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言(自宅保管) | 必要 | 偽造・変造のリスクがあるため |
| 自筆証書遺言(法務局保管) | 不要 | 法務局が原本を保管し偽造リスクがないため |
| 公正証書遺言 | 不要 | 公証人が作成し原本が公証役場に保管されているため |
| 秘密証書遺言 | 必要 | 自宅保管の場合が多く偽造リスクがあるため |
特に注意したいのは、令和2年7月から始まった「自筆証書遺言書保管制度」を利用している場合です。
この制度で法務局に遺言書を預けている場合は、検認が不要になります。
なぜなら、法務局が原本を厳重に保管しているため、偽造や変造のリスクが無いからです。
一方、自宅や貸金庫で保管していた自筆証書遺言は、必ず検認が必要になります。
公正証書遺言は公証役場で原本が保管されているため、検認は不要です。
検認しないと5万円以下の過料が科される
遺言書の検認※1は法律で義務付けられた手続きです。
民法第1004条では、「遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない」と定められています。
参考:民法第1004条 – e-Gov法令検索
検認を怠った場合、または検認を受けずに遺言書を開封した場合、5万円以下の過料※2が科される可能性があります。
遺言書を見つけて、つい中身が気になって開けたくなる気持ちは分かりますが、ここは我慢が必要です。
ただし、検認を受けずに開封してしまったとしても、遺言書自体が無効になるわけではありません。
しかし、遺言書の内容に疑義が生じた場合、「開封時に改ざんされた可能性がある」と疑われるリスクがあります。
相続人間のトラブルを避けるためにも、遺言書を発見したら絶対に開封せず、速やかに家庭裁判所で検認の手続きを行いましょう。
検認が必要かどうか判断に迷う場合は、まずは無料相談で司法書士の専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。
※1遺言書の検認:家庭裁判所が遺言書の形状や内容を確認し、その状態を記録する手続き
※2過料:法律違反に対する制裁金。刑罰ではありません
FAQ
Q. 遺言書の検認とは?
A. 家庭裁判所が遺言書の形状や内容を確認し偽造を防止する手続きです。
Q. 検認の期限は?
A. 相続開始を知った日から遅滞なく、できれば3ヶ月以内が推奨されます。
Q. 検認しないとどうなる?
A. 5万円以下の過料が科される可能性があります。
検認の手続きの流れを5ステップで徹底解説
検認手続きは、必要書類の収集から検認済証明書の取得まで、5つのステップで進みます。
各ステップの具体的な内容と注意点を理解することで、スムーズに手続きを進めることができます。
ここでは、検認手続きの全体の流れを詳しく解説します。

ステップ1〜2:必要書類収集と家庭裁判所への申立て
検認手続きの最初のステップは、必要書類の収集です。
検認申立てには、遺言者(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本が必要になります。
特に遺言者の戸籍謄本は、本籍地の役所で取得する必要があり、本籍地が遠方の場合は郵送請求も可能です。
戸籍の収集は意外と時間がかかり大変です。
必要書類が揃ったら、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に検認の申立てを行います。
申立書には、遺言者の氏名、本籍、最後の住所、死亡年月日、申立人と相続人全員の氏名、住所、遺言者との続柄などを記入します。
申立書は裁判所のホームページからダウンロードできます。記入例も公開されているので、参考にしながら作成しましょう。
申立てには収入印紙800円と、裁判所が指定する郵便切手が必要です。
参考:遺言書の検認 – 裁判所
ステップ3〜4:検認期日の通知と検認期日への出席
家庭裁判所が申立書を受理すると、約1〜2ヶ月後に検認期日が指定されます。
裁判所から申立人と相続人全員に対して、検認期日の通知が郵送で届きます。
この通知には、検認が行われる日時と場所が記載されています。
検認期日には、申立人は必ず出席する必要がありますが、他の相続人は出席しなくても構いません。
ただし、できる限り多くの相続人が立ち会うことで、後のトラブルを防ぐことができます。
検認期日当日は、裁判官の面前で遺言書の封が開けられます。
裁判官が遺言書の用紙の種類、筆記具、日付、署名、押印の状態などを確認し、検認調書※を作成します。
この検認調書が、遺言書の存在とその内容を証明する公的な記録となります。
※検認調書:遺言書の存在とその内容を証明する公的な記録
ステップ5:検認済証明書の取得と遺言執行
検認期日が終了すると、検認済証明書を取得できます。
検認済証明書は、遺言書に検認済みであることを証明する書類で、不動産の名義変更や銀行口座の解約など、相続手続きで必要になります。
検認済証明書の取得には、収入印紙150円が必要です。検認期日当日に取得することもできますし、後日家庭裁判所に申請して取得することもできます。
検認が完了したら、遺言書の内容に従って相続手続きを進めます。
不動産の名義変更(相続登記)、銀行預金の解約、株式の名義変更など、各種の手続きを行いましょう。
遺言執行者※が指定されている場合は、遺言執行者が中心となって手続きを進めます。
遺言執行者が指定されていない場合は、相続人全員で協力して手続きを行うことになります。
※遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人
手続きに不安がある場合は、無料相談で司法書士に相談し、スムーズな進行をサポートしてもらいましょう。
FAQ
Q. 検認の手続きはどこで行う?
A. 遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で申立てを行います。
Q. 検認期日に相続人全員が出席必要?
A. 申立人は必須ですが他の相続人は任意です。ただし立会いが望ましいです。
Q. 検認にかかる期間は?
A. 申立てから検認期日まで約1〜2ヶ月程度かかります。
検認に必要な書類と費用について
検認手続きを進めるには、事前に必要書類を揃え、各種費用を準備する必要があります。
ここでは、検認申立てに必要な3種類の書類、実際にかかる費用の内訳、専門家に依頼した場合の費用相場について詳しく解説します。
費用面も含めて、事前にしっかり準備しましょう。
検認申立てに必要な3種類の書類とは
検認申立てに必要な書類は、大きく分けて3種類あります。
1. 検認申立書
家庭裁判所のホームページからダウンロードできる申立書です。
遺言者の情報、申立人の情報、相続人全員の情報を記入します。
記入例も公開されているので、初めての方でも作成できます。
2. 遺言者の戸籍謄本(出生から死亡まで)
遺言者の身分関係を証明するため、出生から死亡までの連続した戸籍謄本が必要です。
遺言者が何度か転籍している場合、複数の役所から戸籍を取り寄せる必要があります。
本籍地の役所で請求できますが、遠方の場合は郵送請求も可能です。
特に改製原戸籍※が必要になることもあります。
※改製原戸籍:法改正により様式が変更される前の古い戸籍
3. 相続人全員の戸籍謄本
相続人全員の現在の戸籍謄本が必要です。
相続人が配偶者と子の場合は比較的シンプルですが、子がいない場合は両親や兄弟姉妹まで戸籍を取得する必要があり、書類収集に時間がかかることがあります。
これらの書類収集には、通常2週間から1ヶ月程度かかります。
特に遺言者の戸籍が複数の市区町村にまたがる場合、時間に余裕を持って準備しましょう。
検認にかかる費用は収入印紙800円+郵便切手
検認申立てにかかる費用は、比較的少額です。
収入印紙
収入印紙は約800円程です。
検認申立書に貼付する収入印紙のことで、主に家庭裁判所や郵便局で購入できます。
郵便切手
裁判所によって異なりますが、概ね1,000円〜2,000円程度です。
裁判所が相続人全員に検認期日の通知を郵送するための切手代です。
相続人の人数によって必要な切手の枚数や金額が変わります。
具体的な金額は、申立先の家庭裁判所に事前に確認しましょう。
検認済証明書
検認後に取得する検認済証明書の発行手数料です。150円程です。
戸籍謄本等の取得費用
戸籍謄本の取得には、1通あたり450円(戸籍抄本)〜750円(改製原戸籍)程度かかります。
必要な戸籍の通数によって総額が変わりますが、一般的には3,000円〜10,000円程度です。
全体として、自分で検認手続きを行う場合、費用は5,000円〜15,000円程度に収まることが多いでしょう。
専門家に依頼した場合の費用相場
検認手続きは自分でも行えますが、専門家に依頼することもできます。
司法書士に依頼した場合の費用相場は、3万円〜7万円程度です。
司法書士報酬の内訳
| サービス内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 戸籍謄本等の収集代行 | 1万円〜2万円 |
| 検認申立書の作成 | 1万円〜2万円 |
| 検認期日への同行 | 1万円〜3万円 |
専門家に依頼するメリットは、書類収集の手間が省けること、申立書の記入ミスを防げること、検認期日への同行で安心感が得られることです。
特に相続人が遠方に住んでいる場合や、平日に時間が取れない方は、専門家への依頼を検討するとよいでしょう。
また、検認後の相続登記や銀行手続きも一括して依頼できるパッケージプランを提供している司法書士事務所もあります。
相続手続き全体を考えると、専門家に依頼することで時間と労力を大幅に節約できることもあります。
最新の司法統計によると、令和5年の遺言書検認の申立件数は約2万件となっており、年々増加傾向にあります。
遺言書を遺す方が増えているため、検認手続きの需要も高まっています。
出典:司法統計年報 – 裁判所
専門家に依頼することで、手続きの確実性と時間の節約ができるため、無料相談でまずはご相談ください。
FAQ
Q. 検認申立ての必要書類は?
A. 検認申立書、遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本です。
Q. 検認の費用はいくら?
A. 自分で行う場合は5千円〜1万5千円、専門家依頼で3万円〜7万円です。
Q. 専門家に依頼するメリットは?
A. 書類収集の手間削減、申立書記入ミス防止、検認期日への同行が可能です。
まとめ:遺言書の検認は3ヶ月以内に!専門家のサポートで確実に
遺言書の検認は、自筆証書遺言が見つかった場合に必須の手続きです。
検認の目的は遺言書の偽造防止であり、相続開始を知った日から遅滞なく、できれば3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てを行うことが推奨されます。
検認を怠ると5万円以下の過料が科される可能性があり、また検認前に遺言書を開封すると相続人間のトラブルの原因になりかねません。
検認手続きは、必要書類の収集、家庭裁判所への申立て、検認期日への出席、検認済証明書の取得という5つのステップで進みます。
自分で行う場合の費用は5,000円〜15,000円程度と比較的少額ですが、戸籍収集や書類作成に時間がかかることもあります。
検認手続きや相続手続き全般に不安がある場合は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
当事務所では、遺言書の検認から相続登記まで一貫してサポートいたします。
無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
専門家のサポートを受けることで、手続きを確実かつスムーズに進めることができます。
この記事の監修者

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