この記事を要約すると
- 相続手続きは全て専門家にお任せできる
- 相続人同士でトラブルがある場合、費用が高くなる可能性がある
- 司法書士事務所の料金体系は固定料金制と料率料金制の2つがある
司法書士に相続手続きを依頼したいけど、どう依頼したら良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。
相続手続きの依頼は固定料金型でのパッケージがおすすめです。ただし、相続財産によって依頼するパッケージの種類が変わります。
この記事では、司法書士に相続手続きの依頼をする際の費用や注意点について分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
煩雑な相続手続きを依頼するならパッケージサービスを利用する
相続手続きを自分で行う場合、財産調査や相続税申告の申請など、数多くの手続きや書類の作成が必要です。膨大な時間と手間がかかるため、面倒に感じてしまう人は多くいます。
しかし、司法書士が提供している手続き代行のパッケージで依頼すると、相続人調査や財産調査などの相続手続き全てを丸投げすることが可能です。
最近では、まとまった時間が取れない人や、相続人が多く連絡が大変な人などが相続手続きを専門家に依頼をしています。
パッケージサービスを利用した場合、依頼者が感じるメリットについて解説していきます。
相続手続きを丸ごとおまかせできる
司法書士事務所では、相続手続きを丸ごとお任せできるパッケージプランを提供しています。
各種相続手続きをする場合、以下の手続きや準備が必要となるため、依頼者にとってのメリットが大きいです。
- 相続人の調査と確定:戸籍謄本の取得・相続関係説明図の作成
- 相続財産の調査と確定:各種証明書の取得・財産目録の作成
- 法定相続一覧図の作成
- 遺産分割協議書の作成
- 不動産の名義変更(相続登記)
- 預金・有価証券の解約または名義変更
相続に必要な手続きや必要書類の作成には、各所へ赴かなければなりません。
司法書士に、丸ごとお任せできるパッケージを利用することで、司法書士事務所を窓口として調査・手続き・書類の作成などを一つにまとめられます。
相続手続き費用の計算もシンプルになる
司法書士へ丸ごと依頼できるパッケージプランを利用すると、相続手続き費用の計算もシンプルになります。
相続書類の作成や手続きを別々に依頼した場合、各手数料などの費用の計算をしなければなりません。
しかし、基本的に丸ごとパッケージプランは、手続きにかかる費用も計算してもらえるため、依頼者は提示された金額を支払うだけです。
また、司法書士の丸ごと代行パッケージの費用相場は、20〜50万円程度といわれています。ただし、相続人数や相続財産が多い場合料金が変わる可能性があるので、注意しましょう。
相続手続きパッケージの2つの注意点
相続手続きパッケージを依頼する際には、以下2つの注意点があります。
- パッケージに含まれるサービスを把握しよう
- 相続人同士のトラブルがあると、別途費用がかかる場合がある
全てを任せられるメリットはありますが、自分にとってデメリット部分になりかねないため、注意点を必ず意識しておきましょう。
ここからは、相続手続きパッケージの注意点を詳しく解説します。
パッケージに含まれるサービスを把握しよう
パッケージに含まれている相続手続きのサービス内容は、きちんと把握しておきましょう。司法書士事務所によっては、全ての作業を依頼できるわけではないからです。
依頼したい内容や作業によっては、別途料金がかかる場合があります。
例えば「銀行解約は3行まで。それ以上は追加料金」などです。
司法書士から提示されるパッケージ内容や、見積書などをきちんと確認しないままだと、後々トラブルとなりかねません。
請求書提出時に司法書士事務所とトラブルにならないように、事前にサービス内容の確認・別途料金の金額も、合わせて確認しておきましょう。
相続人同士のトラブルがあると、別途費用がかかる場合がある
相続手続きを依頼するときは、相続人全員と関係が良好であることが前提です。
相続対象者と対立していたり、音信不通だったりするなどがあると相続手続きが滞るため、時間がかかってしまいます。
パッケージの内容をスケジュール通りの期間で遂行できなくなることから、相続人同士のトラブルが懸念・発生する可能性を考慮して、追加料金がかかると考えておくことが大切です。
また、もし相続人同士で揉めていたり、音信不通の場合は事前に司法書士の先生に情報を共有しておきましょう。契約後に発覚してしまうとスケジュールの変更や別途費用を請求される可能性もあるので注意が必要です。
財産の種類によって相続手続きの費用が変わる
相続財産は、種類によって手続きの費用が変わるため、注意しなければなりません。
ここからは、以下の財産種類の費用について解説しています。
- 不動産
- 預金
- 有価証券
- 車やバイクなど
不動産がある場合
相続財産に不動産がある場合、相続登記の手続きが必要であり、登録免許税・書類の取得費用がかかります。
相続登記の必要書類と取得金額は、以下のとおりです。
- 住民票:300円
- 住民票の除票:300円
- 戸籍謄本:450円
- 除籍謄本:750円
- 印鑑証明書:300円
- 不動産の登記事項証明書:600円
- 固定資産評価証明書:400円(2件目以降は1件100円)
書類は、不動産が所在する市町村の役場で取得可能です。
登録免許税は、法務局に支払う税金のことであり、固定資産税評価額×0.4%の金額となるため、相続不動産の金額を確認しておきましょう。
また、上記の金額と別途で司法書士へのパッケージ依頼費用もかかります。
預金を相続する場合
預金を相続する場合、銀行の窓口で以下の書類を提出します。
- 口座名義人の戸籍謄本・預金通帳・届出印
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書(発行後3ヵ月以内のもの)
- 遺産分割協議書
戸籍謄本や印鑑証明書は数百円で取得できますが、遺産分割協議書を依頼して作成する場合は3〜10万円の費用がかかります。
また、口座名義人が亡くなると口座が凍結されるため、預金の引き出しができません。
ただし、預金口座の相続手続きは、凍結後に行えるため、遺言書や委任状などがない状態で行わないようにしましょう。
有価証券がある場合
株式などの有価証券を相続する場合、遺産分割協議書を作成後に証券会社へ手続きを行わなければなりません。
証券会社へ手続きを行う際は、以下の書類を提出して名義変更を行いましょう。
- 名義人の遺言書
- 遺産分割協議書
- 名義人の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本(関係性がわかるもの)
- 相続を受ける相続人全員の実印
- 相続人全員の印鑑証明書(発行後3ヵ月以内のもの)
相続人の戸籍謄本は、名義人と関係性がわかる内容で発行依頼をしましょう。
車やバイクなどを相続する場合
車やバイクなどの乗り物を相続した後に、売却や廃車を行う場合でも相続手続きが必要です。新しい名義人に変更してから各処分の手続きをとりましょう。
自動車の相続手続きをする場合、必要な書類は以下のとおりです。
- 車検証
- 名義人の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本(関係性がわかるもの)
- 相続人の実印
- 相続人の印鑑証明書(発行後3ヵ月以内のもの)
- 遺産分割協議書(複数相続人がいる場合)
書類を持って管轄の運輸支局に行き、名義変更の申請を行います。
申請の際には、3種類の書類作成が必要です。
- 申請書(OCRシート第1号様式)
- 自動車税・自動車取得税申告書
- 手数料納付書
バイクの相続手続きには、排気量ごとに書類が異なったりバイクの種類によって手数料が発生したりします。
料率金額制の司法書士は割高
司法書士への相続手続きの料金体系は、固定金額制と料率金額制の2種類があります。
固定金額制は手続き内容に合わせて、最初から金額が定められている料金体系です。料金が固定されているため、料金が明瞭で安心して依頼することができます。
ただし、見積もり時は全額の提示がされるため、高額費用に感じてしまうデメリットがあります。
料率金額制は、相続財産額に応じて司法書士事務所への報酬額が変動する料金体系です。
相続財産額が低ければ、司法書士への支払いは安くなりますが、相続財産が高くなれば相続手続き費用も高額になります。
シンプルな依頼内容でも、料率金額制は相続財産を基準としているので、固定金額制よりも料率金額制が割高になることが多いです。
できる限り費用を抑えたい場合は、パッケージでお願いするべきですが、事前にパッケージ料金・見積金額はよく確認してください。
また、料率金額制のみを採用している司法書士事務所は、固定金額制に比べて割高になりやすいです。
司法書士に言われたまま依頼・費用の支払いをしないためにも、料率金額制と固定金額制の違いを理解し、どこの事務所に依頼すべきか検討してください。
まとめ
司法書士事務所へ相続手続きを依頼する場合、調査や書類作成などの面倒な作業を全て丸ごとお任せできるパッケージがおすすめです。
そう依頼は料率金額制の方が割高となるため、依頼する際はパッケージ内容と費用を比較して依頼をしましょう。
この記事の監修者
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