松本明子さんの実家問題から学ぶ:空き家問題と相続税の現実と解決策

空き家問題と相続税の現実と解決策

この記事を要約すると

  • 日本の空き家問題は、高齢化や人口減少、都市部への人口集中などの社会的背景が深く関わっている
  • 空き家の増加は、地域の活性化を阻害し、自治体の財政負担を増加させる要因である
  • 空き家の所有者は、固定資産税の増加や、自治体からの罰則のリスクがある

日本の空き家問題は、都市部から地方まで、多くの人々の生活に影響を及ぼしています。この問題の深層を垣間見ることができるのが、タレントの松本明子さんの実家問題です。

松本明子さんは、25年間放置されていた高松市の実家を売却する決断を下しました。

その背景には、実家の維持や管理の難しさ、相続に関する問題、そして家族の絆や思い出が絡んでいました。彼女の経験は、多くの日本人が直面する空き家問題の深い部分を浮き彫りにしています。

この記事では、松本明子さんの実家問題を詳しく探ることで、空き家や相続に関する問題の深層を解明します。そして、その中で私たちがどのような対応をすべきか、具体的なアドバイスや情報を提供していきます。

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松本明子さんの実家問題:空き家問題の深層

彼女の実家は、昭和一桁世代に生まれた父が建てた、総ヒノキ造りの平屋建ての家。この家には、父のこだわりや家族の思い出が詰まっています

しかし、松本さんが15歳で上京したことをきっかけに、実家は空き家となりました。その後、彼女は芸能界でのキャリアを積み重ね、忙しい日々を送る中で、実家の維持や管理に多額の費用をかけ続けました。結果として、彼女は実家の維持に約1800万円を費やしました。

この問題には、空き家の維持費やリフォーム費用、さらには不動産の査定額とのギャップなど、多くの現実的な問題が絡んでいます。松本さんの経験を通じて、私たちは空き家や相続に関する問題の深さを理解することができます。

また、彼女の経験は、多くの家庭が抱える空き家問題や相続の悩みを代弁しています。彼女が実家の売却や片付けに関する経験を公にしたことで、多くの人々が共感しました。彼女の話は、空き家問題の現実を知るための貴重な情報源となっています。

空き家問題の背景や原因について、具体的な統計データや専門家の意見をもとに詳しく解説していきます。

 

深刻な2つの空き家問題

日本の空き家問題は、一見単純なようでいて、実は複雑な背景があります。この問題を理解するためには、2つの大きな原因を知る必要があります。それは「高齢化社会」と「空き家の管理・活用の課題」です。

高齢化社会と空き家の関連性

想像してみてください。あなたの近所に、昔から住んでいるおばあちゃんやおじいちゃんがいます。彼らが住んでいた家が、ある日突然空き家になったとします。その理由は様々。老人ホームへの移住、健康の問題、あるいは亡くなってしまったことなど。このようなシチュエーションは、日本全国で増え続けています。

総務省の2013年の調査によれば、全国の空き家数は約820万戸。これは全住宅の7戸に1戸が空き家ということを意味します。さらに驚くべきことに、2033年には空き家数が2,150万戸に増加すると予測されています。これは、都心から離れた地域や駅から遠い場所で特に顕著になるとされています。

空き家の管理・活用の課題とは

空き家は、以下の4つのカテゴリーに分けられます。

  1. 売却用:販売中の空き家で、不動産会社が管理しています。
  2. 賃貸用:入居者を募集中の空き家で、こちらも不動産会社が管理。
  3. 二次利用:普段は使っていない別荘などで、所有者が管理しています。
  4. その他:上記3つのカテゴリーに当てはまらない空き家。所有者が管理していますが、この「その他」のカテゴリーが最も問題となっています。

「その他」のカテゴリーの空き家は、2013年時点で318万戸にも上り、他のカテゴリーの空き家に比べて管理する動機が弱いため、放置されるケースが多いのです。

放置された空き家は、老朽化や天候の影響で崩れるリスクが高まり、近隣住民の安全を脅かす要因となります。さらに、放置された空き家やその周辺の草木が放置されることで、地域の景観が悪化し、地域の活力が低下します。

空き家の増加は、住民そのものの減少を示しており、これが自治体の税収減少に直結します。税収が減少すると、道路や水道などの公共インフラの維持が難しくなり、自治体の財政負担を増加させる要因となります。

また、「空き家率30%を超えると、自治体は財政破綻の可能性が高まる」と言われており、夕張市やアメリカのデトロイト市の事例がこれを裏付けています。

政府は2025年までに「その他」の空き家を大幅に減少させる目標を掲げていますが、現在の日本の空き家率は全国平均で13.5%となっており、2033年には30.2%にもなると予想されています。このままの状態が続けば、2033年の財政破綻のリスクが高まる可能性があります。

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空き家問題のデメリット

日本の空き家問題は、日本全国で増加している課題として知られています。しかし、この問題の背後には、高齢化や人口減少、都市部への人口集中などの社会的背景が深く関わっています。

地方の町や村で、若者が都市部へ移住し、高齢者だけが残るという現象は、空き家の増加を招いています。また、一人暮らしの高齢者が亡くなった後、その家が空き家となるケースも増えています。

空き家問題は、単なる「家が空いている」という問題だけではありません。それは、社会全体の問題として捉える必要があります。この問題を深く理解することで、適切な対応をすることが求められています。

1. 近隣住民への影響

想像してみてください。あなたの隣の家が長い間空き家として放置されているとします。その家の庭には雑草が生い茂り、害虫や野良猫が住み着いています。

さらに、夜になると不審者が出入りすることも…。このような状況は、近隣住民にとって非常に迷惑なものです。放置された空き家は、地域の安全性や景観を損なうだけでなく、火災のリスクや犯罪の温床ともなり得ます。

また、放置された空き家の周辺の物件価格も下落する可能性があり、地域経済にも悪影響を及ぼすことが考えられます。

2. 罰則のリスク

空き家の所有者は、その管理に責任を持っています。例えば、あなたが古い家を相続したとしましょう。その家を放置してしまうと、近隣の住環境に影響を与える可能性があり、自治体からの指導や勧告を受けることが考えられます。

放置すると直ちに指導勧告を受けるわけではありませんが、その家が著しく保安上危険や衛生上有害となるおそれがある場合には、指導や勧告が行われることがあります。

さらに、適切な管理が行われない場合、最大で50万円の罰金が科されることも。これは、空き家問題を解決するための国や自治体の方針に基づくものです。また、放置された空き家が原因で発生するトラブルや事故に関しても、所有者が法的な責任を問われることがあります。

3. 税金の増加

空き家を所有していると、固定資産税などの税金がかかります。通常、土地には固定資産税が課税されます。

しかし、空き家でも建物が存在している場合、土地の固定資産税は1/6に軽減される特例があります。ただし、空き家が特定の条件を満たすと、この税制上の特例が適用されず、課税が軽減されません

このため、空き家を放置することは、経済的なデメリットとなり得ます。さらに、空き家を放置することで、その土地の有効活用が進まず、地域の活性化が阻害される可能性もあります。

 

そうなる前に売却を検討!2つの売却方法

空き家のデメリットを考えると、売却を検討することが一つの解決策となります。売却方法は大きく分けて2つあります。

しかし、売却を検討する際には、多くの人が直面する疑問や悩みが存在します。当事務所に寄せられる相談の中で、多くの方が「空き家管理の手間から開放されたい」という理由や「固定資産税の支払いが重くのしかかってくる」といった悩みを抱えています。

空き家を解体して売却

空き家を解体して土地だけを売却する方法です。これは、建物の状態が悪い場合や、新たに建物を建てることを希望する買い手が見つかる可能性が高い場合に有効です。

この方法を選ぶメリットとしては、一般的に「古家付土地」よりも高く早く売却できる可能性が高まることです。

ただし、注意点として、建物を解体した状態で1月1日を迎えると、固定資産税・都市計画税の特例が適用されなくなる可能性があるため、計画的に進める必要があります。

空き家をそのままにして売却

空き家をそのままの状態で売却する方法です。これは、建物の状態が良好で、すぐにでも住むことができる場合や、リフォームを行って新たな価値を生み出すことを希望する買い手が見つかる可能性が高い場合に有効です。

この方法のメリットは、手間がかからず、お金の持ち出しもないこと。一方、デメリットとして、市場価格や需要に合わせて適切な価格設定をする必要があり、また、適切な買い手を見つけるための時間や労力が必要となることが考えられます。

不動産会社の選び方

空き家や空地を売却する際、不動産会社に販売を依頼するのが一般的です。しかし、どの不動産会社に相談すれば良いのか、選び方に迷う方も多いでしょう。

その際、相続や空き家問題に強い不動産会社を選ぶことが重要です。地域をまたぐ店舗間での連携を行っている不動産会社は少なく、販売活動は相談した店舗が主体となるため、売却したい空き家に近い地場の不動産会社に相談することをおすすめします。

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まとめ

日本の空き家問題は、都市部から地方まで、多くの人々の生活に影響を及ぼしています。この問題の背後には、高齢化や人口減少、都市部への人口集中などの社会的背景が深く関わっています。

特に、地方の町や村での若者の都市部への移住や、一人暮らしの高齢者の死亡による空き家の増加は、日本全国での課題として知られています。

空き家は、近隣住民にとっても多くのデメリットをもたらします。放置された空き家は、地域の安全性や景観を損なうだけでなく、火災のリスクや犯罪の温床ともなり得ます。さらに、空き家の増加は、地域の活性化を阻害し、自治体の財政負担を増加させる要因ともなります。

空き家の所有者にとっても、固定資産税の増加や、自治体からの罰則のリスクがあります。これらの問題を解決するための一つの方法として、空き家の売却が考えられます。

売却方法は大きく2つ、空き家を解体して売却する方法と、空き家をそのままにして売却する方法があります。どちらの方法を選ぶかは、空き家の状態や買い手のニーズによります。

最後に、空き家や空地を売却する際の不動産会社の選び方も重要です。相続や空き家問題に詳しい不動産会社を選ぶことで、適切なアドバイスやサポートが期待できます。

空き家問題は、単なる「家が空いている」という問題だけではありません。それは、社会全体の問題として捉える必要があります。あなたもこの問題を深く理解し、適切な対応をしていきましょう。

 

この記事の監修者

“横浜市内の相続代行の相談を受ける司法書士”

あいりん司法書士事務所    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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