【税理士解説】相続税発生、税理士の料金相場はいくら?相続をする前に知っておきたいこと

税理士の料金相場はいくら

この記事を要約すると

  • 相続手続きの自己完結と専門家依頼のコスト:相続手続きに必要な書類の費用は自分で行う場合と専門家に依頼する場合で異なり、専門家に依頼すると最低でも10万円〜20万円がかかる。
  • 税理士の報酬とその支払い:税理士の報酬は遺産総額の0.5〜1.0%が相場で、通常は初期の相談や契約時に一部を支払い、残りは手続き完了時。
  • 税理士選定のポイント:税理士選びは料金だけでなく、サービスの質や実績を重視し、報酬体系の明確さや税務調査への対応能力も考慮するべき。

この記事では、相続手続きにおける税理士の役割と費用について解説しています。

税理士の料金相場や選び方のポイント、税理士の報酬体系など、相続をスムーズに進めるために知っておくべき重要な情報も記載していますので、ぜひ最後までご覧になってください。

 

相続の費用・料金はいくら?

相続手続きは、遺産の種類や状況によって費用が異なります

自分で行った場合と専門家に依頼した場合について簡単に説明します。

相続手続きを自分で行った場合

必要書類 費用相場(窓口で取得した場合)
相続人全員の戸籍謄本 1通450円
被相続人の除籍謄本 1通750円
相続人の戸籍の附票 1通300円
相続人全員の印鑑登録証明書 1通300〜400円
相続人の住民票 1通200円〜400円
被相続人の住民票除票 1通300円または350円
不動産の登記事項証明書 1通600円
固定資産評価証明書 1通400円〜
合計 3,300円〜

印鑑登録証明書は原本で提出する必要がありますが、その他の書類は1通取得して手続きごとに原本を返却してもらえば費用を抑えることができます。

また、提出窓口が多い場合は、戸籍・住民票等に代えて法定相続情報一覧図の写しを利用できます。

戸籍謄本や住民票は、相続人ごとに取得する必要があります。ただし、1枚の書類に相続人全員の情報が記載されている場合は、1通で問題ありません。

不動産の相続手続きには、登記事項証明書と固定資産評価証明書が必要です。ただし、相続財産に不動産がない場合、これらの書類は取得する必要はありません。

専門家に依頼した場合

専門家に相続手続きを依頼した場合の平均費用相場は以下の通りです​​。

  • 弁護士: 20万円以上
  • 司法書士: 10万円以上
  • 税理士: 遺産総額の0.5〜1.0%
  • 行政書士: 10万円以上
  • 銀行・信託銀行: 100万円以上

財産の名義変更など一連の相続手続きを専門家に依頼する場合、相続財産の種類や数、相続人の人数などによって費用は大きく異なります

最低でも10万円〜20万円はかかると考えておきましょう。

具体的には、不動産の登記や預貯金の解約など、それぞれの手続きにかかる費用に加え、専門家の報酬がかかります。相続財産の総額が大きいほど、手続きの件数や複雑さが増すため、費用も高くなる傾向があります。

また、専門家によって報酬体系や料金設定が異なるため、複数の専門家に見積もりを取ってから依頼先を決めるとよいでしょう。

税理士報酬は相続財産から控除できるのか

税理士報酬は、相続税申告に関連する費用であり、相続税の算定時に相続財産から控除できると考える方もいるかもしれませんが、実際には税理士報酬は相続税の債務控除には含まれません

相続財産から控除できる債務は、相続が始まった時点の段階で確定している債務のみですが、例外的に葬式費用は、相続財産から控除することができます

したがって、税理士報酬は相続財産から控除することはできません。具体的な費用や控除については、税理士や専門家に相談することをお勧めします。

税理士報酬を支払うタイミングはいつか

税理士への報酬の支払いタイミングは、契約内容や相続手続きの進行状況によります。通常、初期の相談や契約時に一部を支払い、残りは手続き完了時に支払うのが一般的です。

相続手続きには多くの時間と手間がかかるため、契約時に支払いスケジュールを明確にしておくことが重要です。

ただし、具体的な支払いスケジュールは税理士との契約内容によりますので、詳細は税理士に直接ご確認ください。

税理士報酬は誰が支払うのか

税理士への報酬は、基本的に相続人が支払います相続人が複数いる場合、相続財産の分配比率に応じて支払うのが通例です。

ただし、これは相続人間の合意に基づくものであり、事前にしっかりと話し合い、必要であれば遺産分割協議書に記載しておくことが望ましいでしょう。

途中で税理士を解約した場合、税理士報酬を支払う必要はあるのか

税理士に相続税の申告を依頼したが、何らかの理由で途中で解約する場合、多くの税理士は実際に行った作業に応じた費用を請求するのが一般的です。

契約内容や進行状況によって変わるため、契約前に解約時の取り決めを確認することが重要です。

ただし、具体的な費用や手続きは税理士との契約内容によりますので、詳細は税理士に直接ご確認ください。

また、税理士との契約解除に関しては、円満に解約することを考え、感情的なしこりを生み、引き継ぎに協力してもらえなくなったりするのは、得策ではありません。

具体的な手続きや注意点については、税理士や専門家に相談することをお勧めします。

基礎控除ギリギリの遺産総額だが、万が一相続税が発生した場合、税理士報酬は支払うのか

基礎控除ギリギリの遺産総額であり、相続税が発生しなかった場合でも、税理士へ依頼していた場合は報酬を支払う必要があります。

一般的に税理士の報酬は、遺産総額の0.5〜1.0%が相場とされています。

税理士に依頼することで、適切な申告が可能になり、場合によっては相続税の節税につながる可能性もあります。

ただし、最終的な遺産の評価額が基礎控除以下で相続税が発生しなかった場合の報酬についても、契約時に確認しておくことが肝心です。

具体的な手続きや注意点については、税理士や専門家に相談することをお勧めします。

 

相続を税理士に依頼した場合の料金相場は?

相続税申告は多くの方にとって複雑で、専門的な知識が必要です。このため、税理士に依頼することが一般的ですが、その際に気になるのが料金です。そこで、相続税申告を税理士に依頼する際の料金相場について、わかりやすく解説します。

相続税申告の税理士報酬相場

税理士に相続税申告を依頼する際、報酬の相場は遺産総額の0.5〜1%が目安とされています。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、具体的な料金は税理士事務所ごとに異なります。

料金が高いからといってサービスの質が高いとは限らず、また、低料金だからといって必ずしも悪いわけではありません。

料金だけでなくサービスの質も重要

料金の安さに惹かれることはありますが、それだけで税理士を選ぶのは避けるべきです。税理士の選定は、料金だけでなく、提供されるサービスの質や経験、実績も重要です。

例えば、過去にどれだけの節税を実現してきたか、相続税還付の実績があるかなど、具体的な成果を見ることが重要です。

相続税の過払いに注意

相続税申告では、適切な評価がなされないことで多額の過払いが発生することがあります。

特に、土地や不動産の評価には専門的な知識が必要で、経験豊富な税理士でないと正確な評価が難しいことが多いです。

したがって、適切な評価を行い、節税を実現できる税理士を選ぶことが大切です。

 

信頼できる税理士を選ぶポイント

税理士に依頼する際はその税理士が信頼できるかどうかがとても重要です。そこで、信頼できる税理士を選ぶポイントを3つ、ご紹介します。

相続税の申告実績が多い

相続税申告は複雑で専門的な知識が必要な領域です。そのため、税理士を選ぶ際には、相続税の申告実績が多い税理士を選ぶことが非常に重要です。

多くの申告実績を持つ税理士は、相続税の計算、適切な資産評価、税務上の問題への対応能力が高いです。

さらに、実績が豊富な税理士は、税務当局との折衝経験も豊かであり、依頼者にとって有利な結果を導く可能性が高まります。

したがって、相続税申告を行う際には、経験豊富な税理士を選択することが、スムーズで正確な申告につながるのです。

税理士報酬を公開している

税理士報酬を公開することは、依頼者と税理士との信頼関係を築く上で重要な要素です。

そのため、税理士を選ぶ際には、報酬体系が明確で、サービス内容が理解しやすい税理士を選ぶことが大切です。

具体的には、以下の点に注意するとよいでしょう。

  • 報酬の計算方法が明確に記載されているか
  • 報酬以外の追加費用が発生する場合は、その内容が明確に記載されているか
  • サービス内容や対応範囲が明確に記載されているか

これらの点を踏まえて、依頼者にとって最適な税理士を選びましょう。

税務調査を熟知している

税務調査とは、税務署が納税者の申告内容が正しいかどうかを調査する手続きです。そのため、相続税申告をきちんと行っていても、税務調査の対象となることがあります。

正しく相続税の申告をしたのに税務調査が行われることになると不安になりますよね。

そこで、税務調査のプロセスや注意点を熟知している税理士に依頼することで、税務調査に備え、万が一の際にも有利な立場を保つことができるでしょう。

また、税務調査の経験が豊富な税理士は、申告書の作成においても、税務上のリスクを低減するためのノウハウを有しています。

ですので、申告書の正確性を高め、税務調査のリスクを軽減することにもつながります。

 

まとめ

この記事では、相続手続きを自分で行う場合と専門家に依頼する場合のコストの違い、税理士の報酬の相場、そして税理士選定のポイントについて詳しく解説してきました。

相続税の申告は自分でも行うことができますが、税務調査などの可能性を考慮すると税理士など専門家に依頼するほうが安心して手続きを行えます。

税理士に依頼する際の費用は、遺産総額の0.5〜1.0%が一般的で、支払いは相談時と手続き完了時に分割されることが多いです。

また、税理士を選ぶ際は、料金だけでなくサービスの質や実績、報酬体系の透明性、税務調査への対応力なども重要です。

この記事の監修者

越智聖税理士事務所代表    越智聖

資格:税理士

越智聖税理士事務所は平成27年4月に松山で開業。

会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意としている。
事業再構築補助金の書類確認など多岐にわたる業務に対応ができ、圧倒的な実績を持つ認定経営革新等支援機関として多くの事業者を支援。

 

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