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高倉健の遺産相続とその波紋【養女】は法定相続人となるのか?

高倉健相続問題_養女は法定相続人か

この記事を要約すると

  • 高倉健の養女が遺産を全て相続した
  • 実妹が存在を知ったのは死後半月後であり、実妹は高倉健の訃報も知らされず、葬儀にも参加できなかった
  • このことがきっかけで養女と遺族との間にトラブルが生じている

2014年に昭和の大俳優・高倉健が永眠し、世間に大きな衝撃を与えました。あれから約9年、大俳優・高倉健の養女が高倉健の書籍を出版し、それに伴ってメディアに顔出しをしたことで、再び話題になっています。

高倉健のただ1人の養女であり、遺産の全てを相続した養女:小田貴月

高倉健の遺産相続や葬儀についても高倉健の実妹とトラブルが起こっていることも世間を騒がせています。この記事では高倉健の遺産に関するニュースに触れつつ、法定相続人とは何か?養女は相続人になれるのか?などについて説明します。

ニュースについて

なぜ話題に?

ずっと顔出しをしていなかった養女:小田貴月が著書の出版のタイミングで顔出しを解禁したことで関係者の間で話題になっています。今まで見せていなかった顔を出してスポーツ紙の取材を受けたり、NHKの『アナザーストーリーズ』にも顔を出して出演しています。

著書には高倉健のプライベートな事柄が記されており、高倉健は生前、プライベートをあまり明かさなかった人物だったため、貴月さんの行動に対して疑問や批判が寄せられています。さらに小田貴月の存在が明らかになったのが高倉健が亡くなった直後であり、そのことで遺族とのトラブルが起こっていることも話題となっています。

問題点

問題点は以下のとおりです。

  • 高倉健の死後に養女の存在が明らかになった
  • 著書出版のタイミングで顔出しをしたため、売名の疑いがある
  • 高倉健は本当に「僕のこと、書き残してね」と言ったのか疑問
  • 兄弟などの遺族は葬儀にも参加できなかった
  • 遺産相続後の行動も養女が単独で行い、遺族には知らされなかった

高倉健の養女→小田貴月が彼についての本を出版しましたが、プライベートを公にしなかった彼が「僕のこと、書き残してね」と言ったのか定かではなく、このタイミングで顔出しを解禁したことで”高倉健”を利用したビジネスでないかと疑問視されています。

また、他の遺族には訃報も伝えられず、散骨をしたことも知らされていませんでした。養女は「健さんの意思」と説明しているが、その真意は定かではありません。

高倉健の家族関係は?

ここで高倉健の家族構成についてご説明いたします。高倉健の家族構成は以下のとおりです。

  • 海軍出身の父
  • 元教員の母
  • 3人の兄弟
  • 元妻:江利チエミ
  • たった1人の子ども
  • 養女:小田貴月

1つずつ説明していきますね。

海軍出身の父

高倉健の父は旧日本海軍の軍人でした。戦艦の乗組員などを経験し、炭鉱夫の取りまとめなどを行なっていました。

高倉健の父は1976年「君よ憤怒の河を捗れ」の撮影中に亡くなっています。

元教員の母

高倉健の母は教員をしていました。病弱だった高倉健の幼少期を支えていました。

高倉健の母は1989年7月に亡くなっています。当時「あ・うん」の撮影中だった高倉健は母の葬儀に参加せず、そのまま撮影を続けたとのことです。

高倉健の兄弟

高倉健は4兄弟の第3子です。

長男:昭二

長女:黎子

次男:剛一(高倉健)

次女:俊子

※デイリー新潮:7回忌を迎えた「高倉健」 甥が初めて明かす「親しかった著名人」「やりたかった映画

(https://www.dailyshincho.jp/article/2020/11101100/?all=1)

兄弟のうち、現在存命であるのは次女の俊子だけです。

元妻:江利チエミ

高倉健は1959年に歌手の江利チエミと結婚しました。江利チエミは1937年1月11日生まれで、高倉健の6歳下です。馴れ初めは1956年の「恐怖の空中殺人」での共演でした。

高倉健は江利チエミのことを大変愛していましたが、1971年9月3日に離婚に至りました。高倉健は離婚後、生涯独身を貫いており、高倉健の妻になったのは江利チエミただ1人です。

たった1人の子ども

高倉健と江利チエミの間には1人だけ子供を授かりました。しかし、妊娠中に江利チエミは重度の妊娠高血圧症候群(当時の妊娠中毒症)にかかり、中絶を余儀なくされました。その後も子宝には恵まれていません。

養女:小田貴月

高倉健には小田貴月(おだ・たか)という養女がいました。1964年1月13日生まれで、高倉健より33歳年下です。

養女と言っていますが、高倉健を17年間支えてきた女性です。1996年に高倉健と出会い、2013年に養女になりました。

 

法定相続人とは

法定相続人とは、亡くなった人(被相続人)の財産を相続する権利を法律で定められた人のことです。

法定相続人には順位があり、第一順位から第三順位までの相続人がいます。第一順位には子供が、第二順位には両親、第三順位には兄弟姉妹となります。なお、配偶者は必ず相続人となるため、順位には含まれていません。

では養女は法定相続人となるのかについて、簡単に解説します。

養子は相続人?

養女とは養子縁組によって子となった女子のことを指します。養子縁組は、法律上の親子関係を確立する制度です。

養子は、養親との間で法律上の親子関係が成立するため、法定相続人の範囲に含まれます。そのため、養子縁組となった養子は、実子と同様に第一順位の法定相続人となり、配偶者や実子と同じく、被相続人の財産の相続権を持ちます。

また、養子が成年であるか未成年であるかに関係なく、相続権が認められます。養子縁組の効果は、養子縁組が成立した時点から発生し、その時点から養子は法定相続人として扱われることになります。

なお、養子縁組を解消した場合、養子と養親との間の法律上の親子関係は将来に向かって消滅します。また、養子縁組解消後に養親が死亡した場合、養子に養親を相続する権利は生じません。

ただし、養子縁組解消後も遺言によって養子に相続財産を譲ることができます

兄弟と養女のどちらが先順位の相続人?

養子縁組によって、養子は法定相続人となります。具体的には、養子は実子と同じく第一順位の相続人に位置づけられます。

一方で、兄弟姉妹は第三順位の相続人となります。これは、法定相続人の順位が法律で定められており、養子が実子と同じ扱いを受けるためです。実子や養子が存在する場合、兄弟姉妹の相続権は消滅します。

これは、法定相続人の順位に基づいて、高い順位の相続人がいる場合、低い順位の相続人は相続権を持たなくなるという原則から来ています。

例えば、実子が1人、養子が1人、兄弟姉妹が2人いる場合、実子と養子が第一順位の相続人となり、兄弟姉妹の相続権は認められません。

ただし、遺言によって相続人や相続分が指定されている場合は、遺言の内容が優先されます。この場合、遺言に従って兄弟姉妹にも相続財産を分け与えることができます。また、遺言がなくても、相続人間で協議を行い、相続財産の分割を合意することが可能です。

高倉家の法定相続人は養女だけ

1971年、高倉健は江利チエミと離婚しました。この時、2人には子供はいませんでした。高倉健が亡くなった時には、実妹だけが存命でした。

本来であれば、高倉健の遺産は第三位の相続人である実妹が相続することになる予定でした。ところが、高倉健の死後に養女の小田貴月が現れ、彼女が高倉健の全遺産を相続することになったのです。

 

養女や実の兄弟姉妹がいる場合

相続に関して、被相続人に養子(養女)や兄弟姉妹がいる場合について説明していきます。

相続時にトラブルになりがち

養女と実の兄弟姉妹が疎遠な場合、遺産相続の際にトラブルが発生しやすくなります。これは、遺産分割に関する意見の相違や、相続人同士の情報格差が原因となることが多いです。特に、養女が遺産の大部分を相続する場合、実の兄弟姉妹が納得できないことがあり、対立が生じることがあります。

また、養女が実の兄弟姉妹との繋がりが薄い場合、相続に関する情報が十分に共有されず、互いの意向や意見が把握できないことがトラブルの原因となることもあります。このような状況では、家族間での話し合いが難しくなり、遺産分割に関する紛争が長期化する恐れがあります。

遺産相続のトラブルを回避するためには、相続に関する情報を透明性を持って共有し、遺族間でのコミュニケーションをとることが大切です。

一番良いのは遺言を残すこと

遺産相続においてトラブルを回避する最善策は、遺言書を作成しておくことです。遺言書によって、故人の意思が示せるため、遺産の分配や相続人の指定が明確になり、養女や実の兄弟姉妹間の紛争を防ぐことができます。

遺言書を作成する際には、まず専門の弁護士や司法書士に相談し、正確な手続きや書式を確認しておくことが重要です。また、遺言書には、養女に遺産を相続させる理由や、実の兄弟姉妹への配慮を記載することが望ましいです。

遺言書を作成した後は、遺言執行者を任命し、その人に遺言書の存在や保管場所を伝えておくことも大切です。遺言執行者は、遺言者の意思に従って遺産分割を行い、相続人間のトラブルを解決する役割を果たします。

また、遺言書を作成することで、家族間のコミュニケーションが促される効果も期待できます。遺言書によって、遺産相続に関する話題がタブー視されず、家族間での相続問題に対する理解が深まることで、円滑な遺産相続が実現できるでしょう。

昭和の大俳優は相続でも「不器用な男」だったのか

今回、高倉健の訃報をきっかけに養女である小田貴月と、遺族との間で相続問題が起こりました。小田貴月は、高倉健のことを書き残すという“宿題”を果たすために、高倉健についての本を出版しました。しかし、遺族は小田貴月に不信感を持ち続けています。

高倉健は、生涯で200本以上の映画に出演し、今でも特集が組まれているほどの人気俳優でした。しかし、彼はプライベートを公にせず、神秘的な存在とされていました。

現在、高倉健の遺言の存在は明らかにされておらず、書籍の出版や遺産の処分に関しても本当に彼の意思なのかは定かではありません。

「自分、不器用ですから」

高倉健を代表するセリフとして有名です。

養女の存在を秘密裏にしていたことで自分の死後に実妹とトラブルになっていることまでは想定できていなかったのでしょうか。遺言を残さなかった彼は相続でも「不器用」だったのかもしれません。

 

まとめ

ここまで高倉健の遺産相続について、ニュース記事に触れながら法定相続人についても解説してきました。

遺産相続に彗星のごとく現れた養女の存在。遺産を相続できると思っていた実妹には寝耳に水の出来事だったことでしょう。法定相続人の仕組みを知らなければ、なぜ養女が遺産を全て相続できるのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

この記事をもとに、法定相続人の仕組みや誰が相続人となれるのかを知っていただければと思います。

この記事の監修者

あいりん行政書士伊藤

あいりん行政書士法人   伊藤 慎

葬儀会社出身。

葬儀会社と士業の架け橋となるためあいりん行政書士法人に入社。葬儀会社時代を経験を活かして相続人様目線に立った、寄り添った相続サポートをいたします。

 

 

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