この記事を要約すると
- 相続登記は司法書士や弁護士しかできない
- 相続手続きを誰に頼むかは、相続にトラブルがあれば弁護士、土地を相続したり相続全般を相談したりするなら司法書士、相続税の申告をするなら税理士がよい
- 相続登記は自分でもできるが費用対効果を考えながら検討すべき
「相続登記は誰に頼むとよいのだろう」
「相続登記をスムーズに進めたいがどうすればよいのだろうか」
相続登記とは、不動産の持ち主が亡くなったときにその名義を相続人に変更する手続きです。これは相続人本人か代理人として国に認められた司法書士や弁護士しかできません。
相続手続きをスムーズに進めるには、目的に合った専門家を選ぶことが大切です。この記事では相続登記は誰に頼むとよいのか、自分でできるのかを解説します。
また相続の流れをふまえながら、あなたが相続手続きを誰に頼めばよいのかわかるでしょう。この記事を読めば、相続手続きを進める上での不安が解消します。ぜひ最後までお読みください。
相続登記ができるのは司法書士と弁護士のみ
相続登記は、本人のほかに司法書士や弁護士のみが代理で行えます。これは法律で定められていて、他の人はできません。
相続登記を専門家に依頼することで、手続きのもれや間違いを防げます。
司法書士
司法書士は不動産登記のエキスパートです。相続登記に関する手続きや書類作成を得意としており、多くの相続人が司法書士に依頼しています。
また相続手続きを代行する業務も行えます。戸籍謄本の取得や遺産分割協議書の作成はもちろん、預貯金の解約払戻手続きや有価証券の名義変更など相続全般を取り扱っています。
あいりん司法書士事務所では、横浜で遺産相続の実績が3000件以上あり、相続登記をはじめとする相続全般の手続きに精通しています。また、相続の無料面談を行っており、皆さまにご好評をいただいております。
ぜひ一度お気軽にご相談ください。
弁護士
弁護士も相続登記を扱えます。法律の専門家として相続法に関する問題にも対応可能です。特に相続争いがあるときの対応は弁護士にしかできません。
複雑な問題案件を扱える反面、弁護士の費用は高額となる場合が多いです。
相続手続きの専門家選びと費用の相場
相続の内容や状況によって、1人1人最適な依頼先は変わります。実際の相続手続きを確認しながら、あなたに合った専門家を見つけましょう。
相続手続きの流れで専門家を選ぶ
相続手続きを行うときに、どの専門家に頼めばよいか悩むかもしれません。
相続手続きに対応する、手続きを依頼する際におすすめの専門家は以下の通りです。
相続でトラブルが起こりそうなら弁護士
相続で家族間のトラブルが予想されるときは弁護士一択です。代理での交渉は弁護士しかできません。
法定相続人の間で遺産分割協議をするとき、もめている場合はまず弁護士に相談しましょう。弁護士は細かな遺産相続手続きを行うことはあまりありません。
相続の実務は司法書士が詳しいです。相続税の申告も税の専門家である税理士に頼むのがよいでしょう。
不動産登記や相続放棄を考えるなら司法書士
相続した不動産の名義変更(相続登記)や相続放棄の手続きをするときは、司法書士がおすすめです。司法書士は登記手続きを専門としており、相続に関する様々な書類作成も得意としています。
具体的には下記の業務があります。
- 不動産の相続登記申請
- 相続放棄の手続き
- 遺産分割協議書作成
- 相続に関する各種書類の作成
相続問題全般に強く、相続税の申告以外の手続きをワンストップで依頼できるので便利です。
相続税の申告が必要なら税理士
相続した財産の評価額が高く、相続税の申告が必要になる場合は税理士に相談しましょう。税理士は詳細な相続税計算や相続税、準確定申告などの税務申告や税に関するアドバイスを行います。
相続税を払う人の割合は令和4年度で9.6%です。(国税庁 令和4年分相続税の申告事績の概要)この方達は申告および納税が不要です。
相続税の基礎控除額は基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算します。法定相続人の数および相続財産を確認し、相続税の申告が必要かどうかを判断してください。
相続手続きにおける司法書士の費用相場
司法書士に相続手続きを依頼するときの費用は主に3つにわけられます。
ここでは例として相続登記の手続きをみていきましょう。
報酬
司法書士の専門的なサービスに対する対価です。相続財産の評価額や事務の複雑さによって変わります。
一般的に不動産の評価額が1,000万円の場合、少し古いデータですが報酬は10万円〜15万円となっています。(日本司法書士連合会:司法書士の報酬 2018年)
これは相続人の数や不動産の数などによって変動します。また都市部では費用が高めです。
実費
戸籍謄本や登記簿謄本などの取得費用です。
登録免許税
相続登記を行う際に国へ納める税金で、不動産評価額の0.4%です。 例えば評価額が1,000万円の場合、登録免許税は4万円になります。収入印紙で支払います。
これらの費用を合計すると、一般的な相続登記の場合、15万円〜30万円程度になることが多いです。金額は事務所によってかなり差があるので、あくまで参考としてお考えください。
相続手続きでの専門家選びのポイント
頼みたい専門家が決まっても、具体的にどこに頼むか悩むことも多いでしょう。そんなときはこちらにに注目しましょう。
- 相続手続きの実績が豊富にあるか
- 他の専門家との連携があるか
- 料金がわかりやすいか
相続手続きの実績が豊富にあるか
相続手続きは人によって状況が異なります。相続問題への対応実績が豊富な専門家は、経験をもとに効率的かつ適切な解決策を提案します。
同じ司法書士でも相続問題に日頃携わらない人もいるので、専門家は慎重に選びましょう。
他の専門家との連携があるか
相続問題は多岐にわたるので、ときには他の専門家の手を借りる必要があります。
相続登記には司法書士の専門知識が必要ですが、相続税を計算するには税理士のアドバイスが求められます。また相続争いが起こったときは弁護士しか対処できません。
他の専門家との連携が日頃からうまくいっているところは、相続手続き全体がスムーズになる可能性が高まります。
料金がわかりやすいか
相続の内容は人それぞれですが、大まかにでも費用の概算が知りたいと感じるのではないでしょうか。
ネットで情報収集するときは、できるだけ料金体系がわかりやすく書かれている専門家を選ぶと安心です。固定プランを選ぶのもよいでしょう。
相続登記を自分でする方法
登記手続きを自分でしてみたいと思う方がいるかもしれません。
法務局では、自分で相続登記をする人向けにハンドブックを作って情報提供しています。(法務局:相続登記・遺贈の登記の申請をされる相続人の方へ(登記手続ハンドブック))
相続登記をするには時間と根気が必要です。相続人が1人で他に複雑な手続きがない場合は、自分ですることも可能でしょう。
しかし、手続きをするには
- 各種法律の専門知識に対する理解
- 平日の時間確保
- 最新の法改正への対応
- 書類作成の慎重な取り扱い
- 必要書類の収集
などに時間と労力がかかります。
特に、相続人数が多かったり複雑な事情があったりするときはプロに任せたほうが安心です。
司法書士は、依頼者が最大限のメリットをうけられるよう、経験と実績に基づいて丁寧に手続きを進めます。また突発的なトラブルにもスムーズに対応可能です。
自分で行った場合のコスト(時間や労力、リスク)と専門家への依頼費用を比較検討し、相続登記をするかどうか判断するのをおすすめします。
まとめ
相続登記ができるのは、本人か代理人として国から認められた司法書士や弁護士だけです。
相続手続きを誰に頼むかは、それぞれのケースで違います。相続手続きの流れをみながら、今あなたに必要な専門家を選びましょう。
相続登記における司法書士の費用の目安は、不動産の評価額が1,000万円の場合は15万円から30万円ぐらいです。物件の評価額や事務所によって大きく変わるので注意してください。
相続登記は自分でもできますが、かける労力やコスト、時間と専門家への依頼費用とを比較検討することをおすすめします。
この記事の監修者
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