【司法書士解説】不動産を相続!ダイレクトメールが送り付けられた時の対策マニュアル

不動産相続マニュアル

この記事を要約すると

  • 登記後すぐに届き始めるDMに対しては早期対応が効果的
  • 業者との対応履歴をつけることで効率的に対応が可能
  • 税理士、司法書士など専門家のアドバイスを積極的に活用しよう
 
大切な家族を亡くして辛い時に、突然届き始める不動産会社からのダイレクトメール。
『どうして私の住所を知っているの?』『なぜ相続した不動産のことが知られているの?』と不安になった経験はありませんか?
実は相続登記後、平均して20社以上の業者からDMが届くというデータもあります。
 
この記事では、なぜあなたの個人情報が流出しているのか、その仕組みと効果的な対策法を解説します。
適切な対応方法を知れば、不要な営業電話やDMに悩まされる時間を大幅に減らすことができます。
 

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不動産相続後に届くダイレクトメールの実態と送付元の分析

大切な家族を亡くし、相続手続きを進める中で突然届き始める不動産関連のダイレクトメール。「どうして私の情報が?」と驚かれる方も多いのではないでしょうか。

ここでは、なぜダイレクトメールが届くようになるのかという仕組み、そしてその対策法について詳しくご説明します。

相続登記で公開される個人情報と情報収集の仕組み

相続登記を行うと、不動産登記簿に新しい所有者情報が公開されます。これは法律で定められた公示制度の一環であり、誰でも閲覧できる公開情報となります。

登記簿から取得される個人データの種類

✓ 所有者の氏名
✓ 住所情報
✓ 取得原因(相続、売買など)
✓ 取得時期
✓ 不動産の詳細情報

 
不動産業者は主に以下の方法で相続情報を入手しています
  1. 法務局での登記情報の定期確認:専門業者が定期的に法務局で新規登記情報をチェック
  2. 情報提供会社からの購入:登記情報を収集・販売する専門業者からのデータ購入
  3. 不動産情報サービスの活用:不動産情報プラットフォームの登記変更データの利用

ダイレクトメールを送ってくる主な業種と目的別対応法

相続登記後に連絡してくる業者は大きく分けて3種類あります。それぞれの特徴と対応方法を押さえておきましょう。

1. 不動産買取業者の特徴と対応

不動産買取業者からのDMは通常、「相続した不動産の買取査定」や「すぐに現金化できます」といった文言が目立ちます。
下記の表を参考に、業者の特徴に合った効果的な対応法をチェックしましょう。

業者の特徴 効果的な対応法
早期の連絡が多い 冷静に査定額を比較検討する
即決を促す文言 複数業者からの見積もりを取る
「特別価格」の強調 市場相場を事前に調査しておく

2. 土地活用コンサルタントの提案内容

不動産業者以外にも、相続した土地の有効活用を提案してくるコンサルタントも多く見られます。「アパート経営で安定収入」「駐車場経営のご提案」などの文言が特徴です。

土地活用の提案を受ける際は、収益シミュレーションの前提条件をしっかり確認しましょう。楽観的な入居率や賃料設定に基づいたプランには注意が必要です!

3. 相続税対策サービスの勧誘方法

相続税に関する不安を煽るような文言で税理士や相続コンサルタントからの連絡も増えています。

「相続税の申告漏れにご注意を」「二次相続で損をしないために」などの文言に注意し、信頼できる、または相続に詳しい税理士へ相談し、実際の所どうなのかを確認するのがお勧めです。

【対応のポイント】

  • 相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を確認
  • 相続財産の評価額が基礎控除を超える場合のみ検討
  • 信頼できる税理士への相談を優先する

 

相続登記後のダイレクトメール時期別対策ガイド

相続登記をすると、時間の経過とともに届くダイレクトメールの種類が変化します。ここでは時期別の特徴と効果的な対応方法を解説します。

登記直後(0〜1ヶ月)の初期対応でDMの総量を減らす方法

登記完了から約2週間後に最初のダイレクトメールが届き始め、1ヶ月頃には最も多くのDMが届きます。この初期段階での対応が適切かどうかで、その後届くDMの総量が大きく変わります。

なぜ初期対応が重要なのか?

初期段階で「送付停止」の意思表示をしないと、業者のリストに「反応なし=まだ検討の余地あり」と判断され、継続的にDMが送られ続けます。

逆に、明確に対応することで不要なDMを大幅に減らせます。

<初期対応チェックリスト>
□ DMの差出人と内容を記録する
□ 必要な業者と不要な業者を分類する
□ 不要な業者には明確に送付停止を伝える
□ 興味があっても安易に個人情報を提供しない
□ 複数業者の情報を比較検討する仕組みを作る

DMを効率的に管理する具体的な方法

ダイレクトメールが増えてくると、「どの業者に既に断りの連絡をしたか」などが分からなくなります。以下の管理方法で混乱を防ぎましょう
    1. エクセルやノートで「業者リスト」を作る(業者名・連絡日・対応内容)
    2. DMに記載されている業者の連絡先情報をリストに追加する
    3. 対応後は必ず「送付停止依頼済み」などと記録する
    4. 興味のある提案は「検討中」などとマークしておく

相続登記後の時期別に変化するDMの特徴と対応策

相続登記後の時期によって、どんな業者からDMが届くかが変わります。時期別の特徴を知って効果的に対応しましょう。

時期別に届くDMの種類と対応方法

時期 届くDMの特徴 効果的な対応法
0〜1ヶ月 不動産買取業者からの連絡が集中
「すぐに現金化」などの文言が多い
・複数の査定額を比較する
・即決はせず市場相場を調査する
1〜3ヶ月 アパート経営や駐車場経営などの土地活用提案が増加 ・収益シミュレーションの前提条件を確認
・複数の提案を比較検討する
3〜6ヶ月 相続税対策や資産管理の提案が中心に ・信頼できる税理士に相談する
・過度に不安を煽る内容には注意
6ヶ月以降 定期的なフォローDMが継続 ・一括送付停止手続きを検討
・郵便局での受取拒否を申請

対応の3段階ステップ

初めての相続で混乱している方が多いため、段階的な対応がおすすめです:

  1. 初期段階(最初の1ヶ月):とにかく全てのDMを保管し、内容を整理する時間を確保
  2. 中期段階(1〜3ヶ月):必要なサービスが明確になったら複数業者から情報収集して比較
  3. 後期段階(3ヶ月以降):不要なDMには一括対策を実施(後述の「3-2. 業者データベース登録拒否」参照)

 

 相続不動産ダイレクトメール対策:実践的な対処法とテンプレート

ここからは、具体的な対処法とすぐに使えるテンプレートをご紹介します。

効果的なダイレクトメール対応マニュアル

DMへの対応は、連絡を受けた際の明確な姿勢と一貫した対応が鍵となります。

電話対応の基本スクリプト

【電話対応の基本フレーズ】
「ご連絡ありがとうございます。現時点では〇〇(サービス内容)の予定はございません。」
「今後もダイレクトメールや電話でのご案内は不要です。資料送付や電話での連絡は控えるようにお願い致します。」

送付停止依頼の効果的な伝え方

送付停止を依頼する際は、具体的かつ明確に伝えることが重要です。あいまいな表現は避け、相手に確実に意図が伝わるようにしましょう。

業者データベース登録拒否で将来的なDMをブロックする方法

効率的に対策を行うには、個別対応だけでなく一括対策も効果的です。

一括登録拒否サービスの活用法

日本ダイレクトメール協会が提供する「DMメール配信停止サービス」や、各種業界団体の提供する登録拒否サービスを活用すると効率的です。

サービス名 対象業種 登録方法 効果発揮時期
DMメール配信停止サービス DM協会会員企業 Web申請 登録から1〜2ヶ月後
不動産流通機構登録拒否 不動産業者 書面申請 登録から翌月以降
各地方自治体の不招請勧誘拒否登録 地域の事業者 窓口申請 登録から即時

自己防衛のための法的措置

これはあくまで、最終手段として把握していれば大丈夫です。ほとんどの業者は上記で解説したステップでDMをストップしてくれるのですが、それでもなお送り続けられるという場合。

悪質な勧誘や継続的なDMに対しては、法的措置も検討できます。

  1. 内容証明郵便での送付停止要請:証拠を残す効果も
  2. 消費生活センターへの相談:専門家のアドバイスを受けられる
  3. 個人情報保護委員会への相談:法令違反の可能性がある場合

郵便物受取拒否の正しい手続きと効果の維持方法

郵便局に特定の郵便物の受取拒否を申請することも効果的な対策です。

郵便局での具体的な手続き方法

  1. 最寄りの郵便局窓口で「特定郵便物受取拒否申請書」を入手
  2. 拒否したい郵便物の差出人と特徴を記入
  3. 本人確認書類を提示して申請
  4. 申請から1週間程度で効果が発揮

定期的な更新で効果を維持する方法

郵便物受取拒否の申請は6ヶ月間有効です。継続的な効果を得るためには、期限前に更新申請が必要です。

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相続不動産ダイレクトメール対策のポイントと相談窓口

最後に、相続不動産のダイレクトメール対策における相談窓口と活用法をまとめます。

専門家への相談と準備すべき資料

相続不動産に関する悩みは、適切な専門家に相談することで解決の糸口が見つかることも多いです。

弁護士相談の活用法

下記のケースに当てはまる場合は、弁護士への相談をするのも良いかもしれません。

  • 悪質な業者からの勧誘に悩んでいる
  • 送付停止依頼を無視された
  • 個人情報の不正利用が疑われる
  • 相続関連のトラブルが発生している

税理士・司法書士への効果的な相談方法

上記に当てはまらない場合は、まずは税理士・司法書士などその道のプロへ相談するのがお勧めです!
相談時に準備しておくと良い資料は下記の通りです。

専門家相談時の準備資料
✓ 届いたダイレクトメール一式
✓ 不動産の登記簿謄本
✓ 相続関係を示す戸籍謄本
✓ これまでの業者とのやり取りの記録
✓ 固定資産税評価証明書
✓ 相談したい具体的な質問事項のリスト

全国の無料相談窓口と利用方法

上記で紹介した方法は、少なくとも費用がかかってしまいます。
「相談はしたいけど、お葬式なども考えるとそこまでお金はかけられない…」そんな場合は下記のように、費用をかけずに専門家の意見を聞ける相談窓口も多数あります。

地域別相談窓口の探し方

相談窓口 特徴 連絡先の調べ方
法務局の登記相談 登記手続きに関する相談 各法務局のホームページ
自治体の無料法律相談 一般的な法律相談 市区町村のホームページ
消費生活センター 悪質商法や契約トラブル 全国共通番号:188
各士業団体の無料相談会 定期的に開催される専門相談 各団体のホームページ

オンライン相談の活用法

また、コロナ禍以降、多くの専門家がオンライン相談を提供するようになりました。
気になっているけど専門家に相談できる利点もありますので、相談したい税理士や相談先がある場合は、オンライン相談が可能なのかもチェックしてみるといいでしょう。

その際は下記を参考に準備をして相談をしてみてください。

  1. 事前に質問事項を整理しておく
  2. 必要書類をデータ化して準備
  3. 通信環境の良い場所で相談を受ける
  4. 相談内容をメモするツールを用意

まとめ

最後に、相続不動産に関するダイレクトメール対策をまとめると下記の通りです。

  1. 早期対応が効果的:登記後すぐに届き始めるDMに対して、初期段階での明確な対応が後々の負担を大きく軽減します。必要な情報はしっかり保管し、不要な勧誘にはすぐに停止依頼を出しましょう。

  2. 一元管理の仕組み作り:届いたDMを整理するリスト作成や、対応履歴をつけることで効率的に対処できます。同じ業者から何度も連絡が来ることを防ぐためにも、対応記録を残しておくことが大切です。

  3. 専門家の活用:相続不動産の処分や活用については、税理士、司法書士など専門家のアドバイスを積極的に取り入れましょう。多くの相談窓口では初回無料相談も実施しています。

相続は人生で何度も経験するものではなく、不安や疑問も多いものです。しかし、正しい知識と計画的な対応があれば、ダイレクトメールの対応にも困ることはありません。

今すぐできることから始めて、相続手続きをスムーズに進めましょう。ご不明な点や、調べてもよく分からないといった場合には、この記事を参考に、ぜひ専門家への相談も検討してみてください。

この記事の監修者

“横浜市内の相続代行の相談を受ける司法書士”

あいりん司法書士行政書士事務所 梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門7期目として相続業務を幅広く対応。

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