相続一般

兄弟姉妹が相続人になるケースとは?注意点と対策についても解説

兄弟姉妹が相続人になるケースとは

この記事を要約すると

  • 兄弟姉妹は相続人としては第3順位であり必ずしも相続人になることはなく、相続人となるケースは限られている
  • 兄弟姉妹が相続人になる場合、遺留分や代襲相続、相続税において他の相続人と違いがあり、注意が必要である
  • 被相続人は自分の相続に対してトラブルを起こさせないよう、生前に対策しておくことが望まし

相続人と聞くと、被相続人の配偶者、その配偶者との間に生まれた子どもを想像するのではないでしょうか。

しかしながら、現代の家庭環境は戦後から変化してきており、子どもを持たずに夫婦だけで過ごすケースや、生涯配偶者を持たずに独り身で過ごされるというケースも増えてきました。

このような場合、自身の親や兄弟姉妹が相続人となります。この親や兄弟姉妹への相続は、必ず発生するわけではなく、特に兄弟姉妹が相続人になる場合には、トラブルにつながるケースも多いのです。

そこで今回の記事では、兄弟姉妹が相続人となるケースについて解説するとともに、兄弟姉妹が相続人となる場合にトラブルが起こらないようにするための注意点、対策についても解説します。

ご自身やご親族の中で兄弟間で相続が発生する可能性がある場合は、ぜひ参考にしてください。

 

兄弟姉妹が遺産を相続するケースは3つ

亡くなった方の兄弟姉妹は、必ず相続人になるということはありません親族の中でも誰が優先的に相続できるかを示す相続順位があるからです。

例えば、亡くなった方に配偶者がいる場合、常に法定相続人の一人となり、遺産の半分を相続する権利を持ちます。

そして、残りの半分の遺産については、民法で定められた相続順位の親族が法定相続人になります。

兄弟姉妹は、最終的な位置付けとなっており、通常、子が第1順位であり、子がいない場合は直系尊属である親、もしくは祖父母が第2順位となります。

その直系尊属も全員他界している場合に、兄弟姉妹が第3順位の相続人として、相続することになります。

したがって、兄弟姉妹が遺産を相続するケースは、次の3つの場合です。

被相続人に配偶者はいるが、子供と直系尊属がいないケース

民法に定められている相続権が得られる順位の通り、配偶者が生存している場合、配偶者には相続財産の半分の権利があります。

残り半分について、第1順位の子が相続権を得ますが、子がいない場合には相続権は第2順位の直系尊属に移ります。

しかし、父母や祖父母も生存していない場合、第3順位の兄弟姉妹が相続権を得ることができるのです。

また、配偶者以外の法定相続人全員が相続放棄をした場合にも、兄弟姉妹が相続権を得ることができます。

この場合、相続放棄する原因に資産性の高いプラスの財産だけでなく、借金などのマイナス財産も多くある可能性が高いです。

被相続人に配偶者・子供・直系尊属がいないケース

1つめのケースとは違い、配偶者が既に他界し第1順位の子もいない場合、もしくはそもそも単身で生活をされていたような場合、かつ第2順位の直系尊属も他界するなどして存在しない場合には、被相続人の兄弟姉妹のみが相続人となります。

先のケースとの違いは、被相続人に前妻がいてその前妻との間に子がいた場合に、その子が相続権を持つということです。

その場合、兄弟姉妹は相続人にはなれません。

また、被相続人と前妻との間の子も亡くなっていたとしても、孫が生まれていた場合には孫が代襲相続することから、このケースにおいても兄弟姉妹は相続権を得ることができず、相続人になることはできないのです。

遺言書に「兄弟姉妹に相続させる」と記載されていたケース

被相続人が亡くなる前に遺言書を作成していた場合、相続優先順位の上位に当たる相続人が存在していたとしても相続人になることができます

ただし、配偶者及び第1順位、第2順位の法定相続人には遺留分があり、その遺留分を侵害することはできません。

 

兄弟姉妹が遺産を相続する場合の注意点

被相続人は、相続人となる第1順位や第2順位の親族がいない場合、自分の死後のトラブル回避のため、次の3つの注意点を意識しておく必要があります。

  • 兄弟姉妹には遺留分が認められない
  • 兄弟姉妹の代襲相続は1代のみ
  • 相続税の金額が2割加算される

それぞれについて解説します。

兄弟姉妹には遺留分が認められない

兄弟姉妹が法定相続人になる場合、上位順位の相続人と違い、遺留分が認められていません

遺留分とは、その相続における相続人に与えられた最小限の利益保障の部分をいいます。

兄弟姉妹は、亡くなった人の子や親と比べても血縁関係が遠く、生活関係もそれぞれが独立して離れていることが多いこと、相続順位も第3順位と相続人になることの必然性が低いことから、第1順位や第2順位の相続人のような遺留分は認められていないのです。

兄弟姉妹の代襲相続は1代のみ

兄弟姉妹が相続権を得たケースで、兄弟姉妹が亡くなってしまっていた場合、その子が代襲相続することができます

しかし、その子も亡くなってしまっていたりした場合は、それ以降の再代襲はできません。亡くなった人の子どもの場合は、代襲相続は何代でも法律上可能です。

亡くなった人の子や孫、ひ孫が亡くなっており、玄孫(やしゃご)がいるというような場合、玄孫が第1順位の法定相続人になります。

ですが、兄弟姉妹が相続人になる場合は、子の子は代襲は行うことができません。兄弟姉妹の子までが相続権を得られる対象となります。

相続税額が2割加算される

兄弟姉妹が相続する場合、相続税の金額は、2割分加算されます。

配偶者や第1順位、第2順位の法定相続人以外が相続人になる場合、負担の均衡を図る目的で、相続税が2割加算される制度があるからです。

これにより、相続財産から相続税を算出する際に、配偶者とそれ以外の法定相続人の相続税を通常通り計算した後、相続人が兄弟姉妹であれば、その金額の2割分を上乗せして税額を算出します。

 

兄弟姉妹が相続人ならやっておくべき4つの生前対策

兄弟姉妹が相続人になると、それまで仲が良かった兄弟姉妹間でもトラブルや争いに発展する場合があります

遺産を残す立場であれば、できれば兄弟姉妹間で起こるトラブルは回避したいものです。そのために、生前に対策しておくことをおすすめします。

例えば、被相続人が4人兄弟だった場合、相続人は残りの3人。兄弟姉妹間でも、個々の仲の良さや生まれた順などで、関係性が良好でない可能性があります。

そういった場合、配偶者と子どもで相続する場合とは違い、大きな相続トラブルに発展してしまう可能性があるのです。

そのため、死後に相続人同士が争いをすることを防ぐためにも、生前に対策をしっかりとしておくべきだといえるのです。

遺言書を作成する

兄弟姉妹が相続人になる場合には、遺言書を作成しておくとトラブルを回避することが可能です。

兄弟姉妹には遺留分がありませんので、遺言書に遺産分割方法を指定しておけば、遺言書の記載内容が優先されることになるからです。

例えば、長男であった被相続人に3人の弟がおり、一番下の弟にずっと世話になっていたとします。

被相続人は、世話になったことで、できれば一番下の弟に財産を相続させたいと考えるようになっていたとします。

弟たちを集めて相続の話をしていたとしても、いざ被相続人が亡くなってしまうと、口約束だということで争いが生じてしまい、相続人どうしで分割しなくてはいけなくなってしまいます。

そのようなとき、遺言書を作成しておけば、兄弟姉妹への相続の場合には遺留分がないので、一番下の弟に全て相続させることが可能となるのです。

そのため、遺言書作成は生前対策として念頭に入れておきましょう。

生命保険を活用する

生命保険を活用することも、生前対策として有効です。

生命保険の死亡保険金は、指定されている受取人の固有財産であり、被相続人の遺産ではありません

そのため、死亡保険金は遺産分割協議の対象にはなりません

配偶者に多くの遺産を残したい場合や、法定相続人となる兄弟間でも特定の方に金銭を残したい場合には、該当者を受取人に指定しておくといいでしょう。

ただし、本人が契約者且つ被保険者の場合、兄弟姉妹が保険金を受け取る場合には相続税の課税対象となり、相続税額が2割加算されますので、兄弟間で事前に話し合っておくといいでしょう。

財産目録・エンディングノートを作成する

兄弟姉妹が相続人になる場合の生前対策の3つめとして、財産目録やエンディングノートの作成があげられます。

生計をひとつにしない兄弟姉妹の場合、独立して生計を立てている被相続人が取引先にしている金融機関はおろか、どのような資産があるかなどの状況を把握しているということはありません。

そのため、遺産分割協議を行う際に遺産が思ったよりも少なかったような場合に、兄弟の誰かが遺産を隠しているのではといったトラブルに発展する場合があるのです。

財産がどの程度あるのかがわかるように目録にしたり、エンディングノートを作成したりしておけば、このような兄弟姉妹間でのトラブルを未然に防ぐことができます。

兄弟姉妹に自分の相続について話をしっかりしておく

兄弟姉妹が相続人になる場合の対策3つを先に紹介しましたが、それらと合わせて兄弟姉妹と相続について話をしっかりしておくのもトラブル防止策となります。

なぜなら、残された配偶者について兄弟姉妹があまり理解していない場合、相続を巡ってトラブルにつながってしまうからです。

あるいは、被相続人に配偶者がいない場合には、兄弟姉妹に葬儀などの対応を行ってもらわなければいけないからです。

例えば兄弟姉妹と離れた場所で生活しており、数年に1度程度しか顔を合わさないような関係でしたら、配偶者との人間関係は深くなっていない可能性があります。

お互いにどのような考えを持っているかわからない状態であれば、相続時に揉めることもありえます。

残された家族と兄弟姉妹とで争いにならないように、生前にしっかりと話をしておくといいでしょう。

 

まとめ

兄弟姉妹は、相続順位が第3順位であり、親族の状況に応じて必ず相続人になるということはありません

ですが、その分相続人になると、トラブルが起こりやすい傾向にあります。相続トラブルを防ぐために意識しておきたい注意点や生前に対策できることについて解説しました。

とはいえ、兄弟姉妹が相続人になった場合、関係性の近い親族間での相続に比べると、どうしても争いが生じる可能性は高くなります。

事前に揉めてしまいそうなことが想定されるような場合、最適な対応が個々の事情によっても違ってくることから、専門家による無料相談を活用することをおすすめします。

自分の死後、兄弟姉妹間で争いが起こることは誰しも望まないことではないでしょうか。無用な争いを起こさないようにするためにも、まずは無料相談で問題点が無いか確認してみましょう。

この記事の監修者

あいりん司法書士事務所    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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