相続を進める場合は、さまざまな手続きを進める必要があります。被相続人の遺産を相続する方の中には、どのように手続きを進めるべきなのかと悩んでいる方がいるのではないでしょうか。
本記事は、司法書士に相続を依頼するメリットや依頼できることをお伝えします。司法書士に相続を依頼して円滑に手続きを進める方法がわかります。
目次
司法書士に相続を依頼するメリット
司法書士は相続において頼りになる存在であり、さまざまな面でサポートしてくれます。こちらが相続を依頼する4つのメリットです。
- 相続の対応業務が広い
- 不動産関系に強い
- 依頼者に合ったさまざまな方法を提案してもらえる
- 他の専門家と連携できる
ここでは、メリットについてご紹介します。
相続の対応業務が広い
1つ目のメリットは、相続の対応業務が広いことです。例えば、相続前の場合は遺言書の作成・依頼者のサポートなどを事前に準備します。相続後は、相続人の調査・金融機関の相続手続きなど幅広い業務にも対応できます。
司法書士は家族信託が得意であり、相続前からさまざまなサポートをしてくれるでしょう。相続の前後で不安を抱えている方は、一度相談してみてください。
不動産関係に強い
2つ目のメリットは、幅広い知識を持っているので不動産関係に強いことです。例えば、不動産を売買する場合、名義人の変更業務として登記申請します。不動産を贈与する際に登録変更したり、相続登記の申請ができたりと不動産に関する場面で重要な役割を担っています。司法書士は相続に関して、必要不可欠な存在といえるでしょう。
依頼者に合った方法を提案してもらえる
3つ目のメリットは、依頼者に合ったさまざまな方法を提案してもらえることです。例えば、相続する場合、期限のある手続きと期限のない手続きがあり、期限内に申告する必要があります。相続の放棄に関しては3ヶ月と定められており、期間内に決めなければなりません。他にも相続税には申告期限が10ヶ月と決められており、期限を過ぎるとペナルティを課せられます。司法書士は依頼者のリスクを減らし、さまざまな手続きを進められます。
他の専門家と連携できる
4つ目のメリットは、他の専門家と連携できることです。司法書士は、業務内容によっては対応できないケースがあります。例えば、相続の紛争・トラブルを解決する場合、弁護士の力が必要になります。
他にも相続税の申告に関しては、税理士の力を借りなければなりません。しかし、対応できない業務内容であっても他の専門家と連携し、問題を解決に導いてくれます。状況に応じて他の専門家と連携し、円滑に相続手続きを進めてくれるでしょう。
相続においてできる業務
司法書士ができる具体的な相続の業務を、項目ごとにみていきましょう。
相続に関する手続き
被相続人から相続を継承する相続人は、さまざまな手続きを並行して進める必要があります。相続手続きの中には一定の期限内に選択をし、申告しなければなりません。
以下の手続きは、相続が発生した時に実施します。
- 相続人の調査・情報収集
- 相続財産の調査
- 相続方法の選択
- 相続登記の手続き
ここでは、相続が発生した時の流れをご紹介します。
相続人の調査・情報収集
まずは相続人の調査・情報収集をし、該当する方を詳しく調べます。被相続人が出生してから死亡するまでの戸籍謄本を調べると、正確な相続人が判明します。
例えば、被相続人の戸籍謄本を全て調べた場合、家族が認識していなかった家族がいると分かるケースがあります。被相続人が、現在の家族に事実を伝えていない時に起こるケースです。場合によっては、トラブルが発生することもあります。そのため、事前に相続人の調査・情報収集を実施し、正確な人数を把握することが重要です。
相続財産の調査
次に相続財産の調査をし、具体的な内容を把握します。なぜなら相続財産は資産が一つだけではなく、いくつか存在することがあるからです。
例えば、複数の金融機関の口座に貯金しているケースがあります。預貯金は財産の中でも代表的なものですが、被相続人しか把握していない口座も存在します。相続人は正確な預貯金額を調べた上で、手続きを進めないといけません。
複数の金融機関に預貯金がある場合は、全ての情報を把握するために時間や労力がかかります。時間や労力を費やしたくない方は、司法書士に調べてもらいましょう。
相続方法の選択
続いて、相続人は調査した財産を把握した上で相続方法を選択しなければなりません。相続方法の選択肢は、単純承認・相続放棄・限定承認の3つです。財産を調査した結果を踏まえ、相続を知った時から3ヵ月以内に3つのいずれかの方法を選択しないといけません。単純承認を選んだ方以外は、家庭裁判所に申述する必要があります。相続人は適した相続方法を選択し、手続きを進めましょう。
相続方法の中で限定承認は単純承認と異なり、全ての負債を受け継げません。被相続人に負債があった時には、継承した資産額に応じた負債を受け継ぐ限定的な方法が取れます。資産や負債が把握できない相続人は、限定承認を選択することもあるでしょう。
相続登記の手続き
最後に被相続人の不動産を相続するために、相続登記します。相続登記は、被相続人が所有する不動産や土地の名義を変更する手続きです。例えば、相続人が被相続人の遺産を継承する場合、不動産の名義を変更する手続きをすると、遺産に関するトラブルを未然に防げます。手続きをしないと、売却・税金などさまざまな問題が発生するリスクがあります。相続人は、トラブルを防ぐために手続きを進めておきましょう。
相続登記は令和6年4月1日から申請が義務化されるため、早急に手続きを進める必要があります。参照元:法務省
遺言の手続き
司法書士が対応できる業務の中に、遺言の手続きがあります。遺言は、被相続人が財産について自らの意志を書面にしたものです。例えば、子どもが4人いる場合、事前に遺産分割を決めておくとトラブルになるリスクを抑えられます。遺書を残すことで、遺産分割協議する必要性が無くなります。被相続人は遺書に関する手続きを進め、相続手続き・家族間の人間関係が上手くいくようにしましょう。
遺言に関する手続きは各業務に関する書類作成のみならず、執行者への就任などさまざまなことがあります。依頼者は専門家に相談すると、負担を軽減できるでしょう。
生前対策でトラブルを回避
相続に関するトラブルを防ぐためには、司法書士に相談することがおすすめです。司法書士は相続に関する知識や手続き方法を知っているため、円滑に物事を進められます。例えば、相続に関する書類が必要な場合、作成から取得まで行ってくれます。特に不動産に関係する業務は幅広く対応でき、相談しやすいでしょう。生前、被相続人は司法書士に相談し、トラブルを未然に防ぐために対策を立てておきましょう。
他には、家族信託に関する手続きも対応してくれます。相続に関する悩みや不安がある方は専門家へ相談すると、早期に解決できるでしょう。
相続においてできない業務
以下の業務は司法書士ではなく、他の専門家に相談する必要がある業務です。
相続税の申告業務
相続税の申告業務は税理士に依頼するようにしましょう。なぜなら、相続税は税務に関係する業務のため、税理士の対応業務になるからです。相続税に関する手続きをしたい場合、税理士に直接相談するもしくは司法書士から紹介してもらいましょう。
相続の紛争・トラブルに関する法的な解決
相続の紛争・トラブルにおいて司法書士が交渉・家事調停の代理人が行えません。例えば、相続人同士で遺産協議の話し合いを進めている場合、司法書士が依頼者に代わって交渉はできません。相続人本人に代わって交渉をしてもらう場合は、弁護士に相談してください。既に司法書士に相続に関する相談をしている人は、弁護士を紹介してもらいましょう。双方の連携が取れているため、物事を進めやすくなります。
相続を依頼した場合の費用
司法書士に相続手続きを依頼した場合、業務ごとに費用が違います。依頼先によって費用の設定額も変わってくるため、一度確認する必要があるでしょう。
以下が、法律事務所の相続手続きに関する主な業務の費用目安です。
業務 |
費用(税込) |
戸籍収集(被相続人を含めて3名様まで) |
33,000円 |
相続関係説明図(被相続人含めて3名様まで) |
33,000円 |
遺産分割協議書の作成 |
88,000円 |
相続関係説明図/配偶者のみ |
22,000円 |
銀行口座の解約1行 |
33,000円 |
参照元:あいりん行政書士法人
上記の業務以外にも対応しており、依頼者の要望に合ったサービスを提供してくれます。あいりん行政書士法人に依頼する際は、パックプランを利用すると費用を抑えられるでしょう。
選ぶ時のポイント
初めて司法書士に相続手続きを相談する方は、どのような基準で選ぶべきなのか迷ってしまうはずです。多くの司法書士のなかから依頼先を選ぶ際は、以下の項目に注意しましょう。
相性が良い
1つ目のポイントは、依頼者と相性が良いことです。司法書士に自分の依頼内容が十分に伝わらないとトラブルになる場合があります。相続の手続きは慣れない内容ばかりで、不安や悩みを抱えている方が多いでしょう。司法書士との良好な信頼関係を築ければ、不安や悩みが解消でき安心して相続手続きを任せられるでしょう。
豊富な実績がある
2つ目のポイントは豊富な実績があることです。さまざまな経験を積んでいる専門家であれば、安心感や期待感が持てるからです。専門家によっては行動の素早さだけでなく、起こり得るトラブルを予想して対策を検討する人もいるでしょう。豊富な実績がある司法書士を選ぶと、迅速かつ確実に手続きを進められます。
相続で相談するべき専門家
相続手続きで悩みを抱えている人は司法書士以外に、行政書士・弁護士・税理士に相談しましょう。行政書士に相続手続きを相談した場合、遺産分割協議書の依頼・金融機関の手続きなどをしてくれます。相続に関する紛争が起こった時は、弁護士が業務を担当します。相続人の代理人として、問題を解決できる方法を模索してくれるでしょう。
このように相続手続きでは項目によって、業務に対応できる専門家が違います。そのため、相続手続きの項目ごとに対応できる専門家に依頼しましょう。
まとめ
今回は、司法書士に相続を依頼するメリットやできること・費用についてご紹介しました。司法書士に相続を依頼すると相続手続きが円滑に進められ、時間や労力を費やさずに済むでしょう。相続は、相続人や遺産の調査などさまざまな情報を集めなければなりません。相続に不安や悩みを抱えている人は、司法書士に相談し問題を解決しましょう。
よくあるFAQ
相続手続きは遺産に必要な書類・調査などさまざまな面で、時間や労力を費やします。相続手続きを始める場合は、相続人の調査・財産の調査・遺言書の有無の確認から始めましょう。
相続手続きの期限について
相続手続きの期限は種類によって、期限の有無や期間の長さが違います。手続きの種類次第では、数日以内に行う必要があります。期限の定めのない手続きに関しては、できるだけ早くするようにしましょう。
相続登記は誰に相談すべきか
相続登記は、司法書士に相談することをおすすめします。相続人同士で紛争が起こった場合は弁護士に介入してもらい、問題解決する方法もあります。
この記事の監修者
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