司法書士が解説。相続したら【もらえるお金】第5選!

相続したらもらえるお金5選

相続には、遺産分割や手続きなど、多くのことがあります。しかし、相続にはお金がかかることも少なくありません。

一方で、相続によって得られるお金もあることをご存知でしょうか?

今回は、相続したらもらえるお金5選をご紹介します。生命保険をはじめ、大切な情報と押さえておきたいポイントをまとめました!

1. 生命保険金をもらう

亡くなった方が生命保険に加入していた場合、契約内容によって死亡保険金等が支払われる場合があります。もし相続人に生命保険の受取人が指定されていた場合、その人が保険金を受け取ることができます。保険金の金額は、保険の内容によって異なりますが、相続人にとっては大きな収入となるでしょう。

生命保険とは? 

生命保険は、保険料を支払うことで、万が一の死亡や疾病などのリスクに備えるための保障を提供する保険のことです。保険金は、被保険者が亡くなった場合、あるいは疾病などの特定の状態になった場合に支払われます。生命保険は、終身保険や定期保険、医療保険など様々な種類があります。

相続時にもらえる生命保険金 

相続人になった場合、被保険者が生前に加入していた生命保険の保険金を受け取ることができます。保険金の受け取りには、被保険者が亡くなったことを保険会社に届ける必要があります。届け出には、被保険者の死亡証明書や保険証券などが必要です。生命保険は契約形態によって課税される税金が異なり、相続税がかかるケースもあります。契約形態によって課税が異なるので、契約内容を必ず確認しましょう。

生命保険は、相続時にもらえるお金の一つとして非常に重要です。被保険者が生前に加入していた 生命保険の有無を確認し、保険金の受け取り手続きを適切に行うことが、相続人にとって大切なことです。

※受取人を指定されていなかった場合や、受取人が相続人となっていた場合は、法定相続分の割合にしたがって、各相続人が保険金の給付を受ける権利を相続します。

2. 葬祭費

葬祭費とは? 

葬祭費とは、亡くなった方が国民健康保険に加入していた場合、葬祭を行った方に自治体から支給される給付金のことです。葬祭費の給付を受けるには、市町村役場の窓口へ申請手続きが必要です。

相続時にもらえる葬祭費

葬祭費の給付額は、亡くなった方が加入していた公的医療保険の種類と保険者によって異なりま す。金額は3万円から7万円程度です。

※国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していた場合は亡くなった方の住所地の市区町村、国民健康保険組合に加入していた場合はその組合によって異なります。

葬祭費は、通常、申請書に記入した金融機関口座に振り込んで支給されます。葬儀を行った方 が、亡くなられた方がお住まいだった市町村役場の窓口へ直接、あるいは郵送により手続きを行います。 申請してから振り込まれるまでの期間は、保険者によって異なりますが、通常、1~2か月ほどで す。

葬祭費を請求する権利は、葬祭を執行した日の翌日から起算して2年です。期限を経過すると時効によって消滅してしますので注意が必要です。

3. 埋葬費

「埋葬料(埋葬費)」は「葬祭費」と同様に、被保険者の埋葬や葬儀の補助として受け取れる給付金(助成金)のことです

埋葬料とは? 

先に紹介した「葬祭費」は、亡くなった方が国民健康保険に加入していた場合に支給される給付金(助成金)です。「埋葬費(埋葬費)」は亡くなった方が社会保険(会社の健康保険)に加入していた場合に支給される給付金(助成金)になります。

埋葬費とは、埋葬料を受け取る人がいないケースで発生する給付金です。故人に親族や生計をともにしていた方がおらず、受取人がいない場合において、埋葬した方に実費が支払われます。

相続時にもらえる埋葬費

埋葬料は、どの健康保険組合に加入していても一律5万円が支給されます。 ただし、加入している健康保険によっては、組合独自の「付加給付(埋葬料付加金)」を上乗せして支給する場合もあります。

埋葬料(埋葬費)も葬祭費と同様に、期限までに申請をしなければ給付金を受け取ることができ ません。申請先は、「勤務先の健康保険組合」または「社会保険事務所」となります。 申請する健康保険組合によって、必要書類が異なることもありますので注意が必要です。

埋葬料の申請期限は、被保期限を経過すると時効によって消滅してしまいます。(被保険者が亡くなった日から2年以内)埋葬料を申請できるのは、亡くなった被保険者と生計維持関係にあり、埋葬を行った人です。 生計維持関係とは、生計の「全部」または「一部」を維持している人のことを指します。

4. 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)

納税者が亡くなった場合、遺族が代わって税務申告を行うことが必要です。この時に納めすぎと なっている税金が還付されることがあります。このような場合に行われる申告が、「納税者が死 亡したときの確定申告(準確定申告)」です。以下では、その概要や手続きなどを詳しく説明します。

準確定申告とは?

準確定申告とは、亡くなった納税者の遺産について、遺族が代わって納税義務を果たす手続きのことを言います。亡くなる日までの間に税金を支払っている場合に、準確定申告をすると還付金 が受け取れる場合があります。これは、準確定申告が発生した所得金額を計算し、負担すべき税額を計算するための手続きであるためです。医療費控除などの計算を行い、納めすぎとなっている税金が還付されることとなります。

準確定申告は、相続が発生してから4か月以内に申告する必要があります。準確定申告の申告期限を過ぎてしまうと、加算税や延滞税といった追徴税がかかる可能性があります。申告時期が4ヵ月と短いこともあり、手続きの方法に手間取るとすぐに期限を迎えてしまい、申告遅延が起きる可能性も高いため、注意が必要です。 加算税や延滞税が発生すると、通常納める必要のない税金が発生します。

相続が発生した時点 で、準確定申告の必要有無を確かめるようにしましょう。準確定申告自体は不要でも、準確定申 告を行う事で還付金が返ってくることがあります。忘れずに確認しましょう。

準確定申告の手続き

準確定申告が必要になるのは、生前に収入を得ていた人が亡くなった場合です。準確定申告の必要書類は、通常の確定申告とほぼ同様です。亡くなった方の源泉徴収票や保険料等の支払証明書などが必要となります。申告が必要かどうか判断するために、亡くなった人の収入源やどのような控除を受けていたのかなどの情報を整理しましょう。

5. 未支給年金

未支給年金とは?相続人が知っておきたいこと

年金給付の受給権者が死亡した場合に、その者に支給すべき年金であり、まだ支給されていないものは、請求に基づき一定範囲の遺族に支給されます。これを未支給年金といいます。

未支給年金の受け取りには手続きが必要で、まずは故人の生年月日や死亡日、年金番号などを確認する必要があります。その上で、年金事務所に手続きを行うことで受け取ることができます。

未支給年金の受け取り方法

未支給年金の受け取りには手続きが必要ですが、具体的にどのような手続きが必要なのでしょうか? 

まずは故人の年金番号を把握し、年金事務所に問い合わせます。その上で、死亡証明書や戸籍謄本、相続人の印鑑証明書などが必要となります。手続きには時間がかかる場合があるため、早めに手続きを開始することが望ましいです。

また、未支給年金の額には上限があるため、高額な場合は分割払いとなることがあります。相続人の場合、受け取るまでに時間がかかることがあるため、手続きの開始時期には注意が必要です。

まとめ

相続した際にもらえるお金について、生命保険金、葬祭費、埋葬費、所得税の還付金、未払い年金についてご紹介しました。これらのお金をもらう方法や注意点を把握しておくことで、相続手続きがスムーズに進むだけでなく、負担を軽減することができます。

相続によって得られるお金もあることが分かりましたが、一方で「複雑だなぁ」「難しいなぁ」 と感じた人も多いのではないでしょうか? 相続には、遺産分割や相続税など、専門的な知識が必要なことが多くあります。しかし、相続に 関しては一般の人々でも身近な問題となるため、相談先を探すことが求められます。そこで、専門家である行政書士などの専門家に相談することが有用であると言えます。

行政書士は、相続において必要な手続きを支援する専門家です。相続に関する法律や手続きに精通しているため、相続に関する問題についてアドバイスを受けることができます。また、行政書士 は中立的な立場から、相続人間のトラブルを解決することができます。

また、生命保険については、保険契約書によって保障内容が異なるため、詳細については保険会社にお問い合わせください。

この記事の監修者

あいりん行政書士法人    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん行政書士法人と司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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