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【戸籍法改正とデジタル化の波】わかりやすく解説!相続手続きに必要な知識

戸籍法改正とデジタル化の波

2023年2月、国の法制審議会の部会が戸籍法改正案をまとめ、氏名に読みがなを付ける法改正の要綱案がまとめられました。今後、行政手続きなどのデジタル化に向けての一歩となります。(参考記事はこちら)。

戸籍は私たちの人生に密接に関係しており、出生から死亡までさまざまな事項が記録されています。しかし、時代とともに変化するニーズに対応するために、戸籍法も改正が求められています。

今回は、戸籍法の改正や戸籍がどのように相続に関係しているのか、そして新たな戸籍法による読みがなの追加手続きなど、戸籍にまつわる情報をわかりやすく解説していきます。この記事を読めば、戸籍の役割や重要性が理解できることでしょう。

 

戸籍法改正の要綱案について

改正の要綱案によると、氏名として用いられる文字の読み方として一般的なものでなければならず、「キラキラネーム」など極端なものは記載されません。しかし、辞書に載っていなくても一定程度受け入れられる読み方であれば認められる方向とのことです。

既に戸籍に氏名が記載されている人については届け出が必要であり、今後自治体に書面またはマイナンバー制度の専用サイトを通じて届け出ることができるようになることが想定されています。届け出がない場合は、自治体が読みがなを市区町村長の権限で記載しますが、その読みがなは本人に事前に通知されます。政府は改正案を提出する予定であり、今後具体的な施行内容について注目されます。

 

戸籍とは何か:戸籍の基本を知ろう

はじめに戸籍の基本を解説します。

戸籍の役割と目的

戸籍は、戸籍法に基づく国民の身分や状態を記録するための公的な文書です。国や自治体が国民の正確な人口や家族構成を把握することができます

現状の法律で戸籍に書いてある事項

現行の戸籍法では、氏名、生年月日、性別、続柄、本籍地などが記載されています。また、戸籍は一家族ごとに作成され、家族構成や続柄が分かるようになっています。

 

戸籍法改正の歴史:読みがな追加に至る経緯

次に戸籍法の改正の歴史とデジタル化に向けた対応などを解説いたします。

戸籍法改正の歴史

戸籍法はこれまでの歴史で改正を重ねてきました。法改正の歴史は以下の表の通りです。

明治31年戸籍法

戸籍公開に関する規定

誰でも身分登録簿や戸籍簿、謄本などが交付請求可能になった。

「家」を基本とする戸籍制度が開始された。

大正3年戸籍法

市町村長は「正当な理由」がある場合に限って、戸籍謄本等の交付を拒否することができるようになった。

家族一人一人に、両親の名前や生年月日、そして家族の中でどのような位置にいるか(例えば、長男の嫁や孫など)が記載されるようになった。

昭和22、23年現行戸籍法

戸籍公開制度は大正4年戸籍法と同じ

「家を基本単位」とする戸籍から、「夫婦」を基本単位とし、「戸主」を廃止して「筆頭者」という記載方法に変更されました。また、「皇族、華族、士族、平民」といった身分事項もこれまでの戸籍から廃止されました。

昭和51年改正後

戸籍閲覧制度の廃止

戸籍と除籍で別々の公開制度となった。

不正受領者への罰則規定

戸籍の処理が電子化され、コンピューターで戸籍を管理できるようになりました。これに伴い、縦書きから横書きの書式に変更され、以前の戸籍謄本は「戸籍全部事項証明書」に、戸籍抄本は「戸籍個人事項証明書」と改名されました。

引用:法務省(https://www.moj.go.jp/content/000005171.pdf)

デジタル化の推進

近年、行政手続きのデジタル化が進む中で、戸籍の氏名に読みがなが記載されていないことがデジタル化の妨げとなっていました。そのため、国の法制審議会の部会は、読みがなを付けるための戸籍法改正案をまとめました。

キラキラネーム問題と読みがなの規定

今回の改正案では、読みがなをカタカナで表記し、「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものでなければならない」という規定が設けられました。これにより、行き過ぎたキラキラネームなど、社会に混乱を招く極端な名前は記載されないことになります。

 

相続と戸籍:なぜ戸籍が重要か

戸籍は相続においても重要な役割を持っています。次に相続における戸籍の役割や手続きなどについて、解説します。

法定相続人を確定するための戸籍取得

相続において、戸籍は法定相続人を確定するために必要とされます。戸籍をもとに、相続人の範囲や順位が判断されるため、正確な戸籍情報が求められます。

戸籍提出が必要な手続きや機関

相続において、戸籍は銀行解約や不動産の名義変更に、戸籍は様々な手続きや機関に提出が求められます。例えば、銀行解約や不動産の名義変更など、相続手続きにおいて戸籍が必要とされる場合があります。これにより、適切な手続きがスムーズに進められるようになります。

銀行解約

遺言書がない場合、相続財産は相続発生後一旦相続人全員で共有になります。銀行は、共有財産を処分するために必要な合意が得られるまで、故人の預金口座の凍結といった保全措置をとります。そのため、通帳やキャッシュカード、印鑑は利用することができなくなります。

遺産相続のためには、預金口座の凍結を解除する手続きが必要になります。この手続きの際誰が相続人かを確定させるために戸籍謄本提出が必要になります。

不動産の名義変更

不動産もまた、故人の遺産にあたります。不動産を相続する場合に戸籍謄本の提出が必要になります。不動産の場合は、遺言書の有無や相続する人が法定相続人か法定相続人以外かによって必要な戸籍謄本が変わってきますので、不動産を相続する場合は一度専門家に相談するとよいでしょう。

 

新しい戸籍法の手続きについて:氏名の読みがなを追加する方法

今回の法改正の要綱案は行政手続きのデジタル化を進めるためのものでした。ではこの法改正が実現すると、戸籍の手続きはどのように変化するのでしょうか。その手続き方法について解説いたします。

書面かマイナポータルでの届け出

戸籍法改正により、すでに戸籍に氏名が記載されている人は、法律の施行から1年以内に読みがなを改めて自治体に届け出る必要があります。届け出方法としては、書面またはマイナンバー制度の専用サイト「マイナポータル」の利用が想定されています。

本人による読みがなの変更可能性

今回の法改正では、読みがなが事前に本人に通知され、本人が望まなければ1度だけ変更できる仕組みが設けられています。これにより、本人が希望する読みがなが戸籍に記載されることが可能となります。

政府の今後の方針:関連法改正案の提出予定

政府は、今の国会に関連する法律の改正案を提出する方針です。これにより、戸籍のデジタル化が進み、行政手続きがよりスムーズに行われることが期待されます。また、キラキラネーム問題に対処することで、社会における混乱も軽減されることが予想されます。

 

まとめ

今回の記事では、戸籍の役割や現行法で記載されている事項、戸籍法の改正の歴史と読みがなの追加に至った経緯、相続と戸籍の関係、新しい戸籍法の手続き方法、政府の今後の方針について解説しました。

戸籍は私たちの人生に大きな影響を与える公的な文書であり、改正によってデジタル化が進み、行政手続きがスムーズに行われることが期待されます。また、キラキラネーム問題への対処や相続手続きにおける戸籍の重要性も明らかになりました。

戸籍に関する知識を身につけることで、日常生活や手続きにおいてもスムーズに対応できるようになります。デジタル化に対応できるよう、法改正の動向に注目しましょう。

 

この記事の監修者

あいりん行政書士法人    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん行政書士法人と司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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