相続した家の不動産登記!子供か母親どちらの名義にすべき?

相続した家の不動産登記

この記事を要約すると

  • 母親名義にすると、将来認知症になった際に不動産の売却や管理が難しくなる可能性があり、成年後見制度の利用が必要になる場合があるため、慎重な検討が必要 
  • 母親名義にすると、母親が亡くなった際に再度相続登記が必要になり、手続きや費用が二重にかかるため、初めから子供名義にすることでこれらの負担を軽減できる
  • 不動産の名義を決める際には、法律的な側面だけでなく、家族全員が納得できる選択をすることが重要である

父親が名義人だった家の不動産をどうするかは、父親が亡くなった後、家族にとって非常に重要な問題となります。

母親(妻)と子供が相続人となる場合、その名義を誰にするかによって、将来の相続手続きや家の管理に大きな影響を及ぼす可能性があります。

本記事では、不動産の名義を母親か子供のどちらにすべきか、その選択が家族にどのような影響を与えるかをわかりやすく解説します。

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父親が死亡して母親と子供が相続人 

父親が亡くなった場合、通常、相続人は母親(配偶者)と子供たちです。

このとき、家の名義を母親にするか子供にするかは、家族の将来に大きな影響を与えます。父親が名義人だった場合、母親の名義に変更するのが自然な選択に思えるかもしれませんが、将来を見据えた慎重な判断が求められます 

母親名義にすることで、母親が引き続き安心して家に住むことができますが、いくつかのデメリットもあります。これらのデメリットを理解し、将来のリスクを回避するための対策を考えることが大切です。

一方、子供名義にする場合にも生じる問題があるため、どちらの選択肢が最適かをしっかり検討する必要があります。

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母親名義にすることで生じるデメリット

母親(妻)名義にすることは一見自然な選択のように思えますが、いくつかのデメリットがあります。特に、母親が高齢である場合や、将来の相続を考慮すると、注意が必要です。

ここでは、母親名義にすることで生じる主なデメリットを解説します。

①母親が認知症になって実家を売却できなくなる問題

母親が認知症になった場合、家を売却する際の手続きが非常に複雑になります。

認知症になると、法律上の意思能力がないと判断され、家の売却や管理が困難になることが多いです。この場合、成年後見人を付ける必要が出てきますが、その手続きは複雑で、時間と費用がかかります。 

母親が元気なうちは問題ないように思えますが、将来的に認知症になるリスクを考慮することが重要です。母親が認知症になると、家を売却して資金を確保したいと考えても、スムーズに進めることができなくなります。

このリスクを避けるためには、相続時に家の名義を子供に変更しておくことが一つの対策となります。これにより、将来、母親が認知症になったとしても、家の売却や管理をスムーズに行うことができます。

②母親に実家を相続させることで二次相続時の相続税が高額になる問題

母親が家を相続すると、その後に母親が亡くなったときに再び相続が発生し、二次相続時に相続税が高額になる可能性があります

一次相続では、配偶者控除が適用されるため、相続税が発生しないことが多いですが、母親が亡くなった際にはその控除が使えず、子供たちが支払う相続税が大幅に増加するリスクがあります。 

また、母親が相続した財産が大きい場合、二次相続での課税対象が増えるため、結果的に子供たちが負担する相続税が予想以上に高額になることがあります。

これを避けるためには、初めから子供が家を相続することで、将来的な税負担を軽減することができます。二次相続を見据えた遺産分割を行うことが、家族にとって賢明な選択となります。

③相続登記が2回必要になってしまう問題

母親が家を相続した場合、その後に母親が亡くなると再度相続が発生し、そのたびに相続登記を行う必要があります。これにより、手続きが複雑になるだけでなく、費用も二重にかかることになります。 

このような負担を避けるためには、一次相続の際に子供名義に変更することが効果的です。これにより、二度目の相続登記が不要になり、費用や手間を大幅に削減できます。

また、相続人間でのトラブルを未然に防ぐことができ、手続きの簡素化にもつながります。

 

子供名義にするデメリットはないのか

家の名義を子供に変更することは、税金対策として効果的な場合が多いですが、デメリットもあります。

一度子供の名義に変更すると、その名義を再び変更するのが難しくなる点です。

不動産の名義は、相続以外では簡単に変更できないため、将来的に状況が変わった場合でも、名義を変えるのが困難です。たとえば、最初に長男の名義にしたものの、後で次男がその家を使いたいと思っても、税金の問題で名義変更が難しいことがあります。

これに対して、母親の名義にしておけば、二次相続の際に名義を自由に選択できるため、より柔軟に対応できます。

そのため、家の名義を誰にするかは、慎重に検討する必要があります。

子供達で共有にする方法は?

子供たちで家を共有名義にするという方法もありますが、これには注意が必要です。

共有名義にすると、家を売るときに全員の同意が必要になるため、意思決定が複雑になることがあります。また、売却代金を共有の持分に応じて分ける必要があり、兄弟姉妹間でトラブルが起きる可能性もあります。

共有名義はあまりおすすめできませんが、家族全員が同意し、共有が最善の方法だと考える場合には、その選択肢もあり得ます。

基本的には、共有名義よりも単独名義をおすすめします。

単独名義にすることで、管理や処分がしやすくなり、家族間のトラブルを避けることができるからです。もし共有を検討する場合は、家族全員で十分に話し合い、慎重に決定することが重要です。

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母親の気持ちも大切

家の名義を決める際には、法律的な問題だけでなく、母親の気持ちや家族間の関係性も重要です。母親が安心して生活できるようにするためには、感情的な配慮が欠かせません。

特に、長年住み慣れた家での生活を大切に思う母親にとって、自分の住まいを失う不安や、名義変更に対する抵抗感があるかもしれません。 

母親(妻)の気持ちを尊重しながら、家族全員が納得できる解決策を見つけることが大切です。家族で十分に話し合い、母親が安心して暮らせるような名義変更を行うことが重要です。

 

ご実家の名義に悩んだらご相談ください

相続に関する問題は非常に複雑で、専門的な知識が必要です。

 名義を誰にするべきかで悩んでいる場合は、専門家に相談することで、最適な解決策を見つけることができます。相続税の計算や不動産の評価、名義変更の手続きなど、専門的なアドバイスを受けることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。

また、将来を見据えた相続や家族信託の活用についても、専門家のサポートを受けることで安心して進めることができます。家族全員の将来を考えた選択をするためにも、ぜひ無料相談をご利用ください。

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まとめ

不動産の相続は、家族にとって非常に重要な問題です。

母親名義にするか子供名義にするか、それぞれのメリットとデメリットを理解し、慎重に検討することが必要です。相続に関する問題は一度きりではなく、長期的な視点で考えることが求められます。

家族全員の将来を見据えた適切な判断を行い、安心して生活を続けられるようにしましょう。

また、家族間の意見が一致しない場合や、どちらの選択肢が良いのか迷った場合は、専門家のアドバイスを受けることが重要です。家族の未来を考えた正しい判断を行い、安心して暮らせる毎日を作り上げましょう。

 

この記事の監修者

“横浜市内の相続代行の相談を受ける司法書士”

あいりん司法書士事務所    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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