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相続登記の義務化が影響!?原野商法の二次被害?相続土地国庫帰属制度とは?

原野商法の二次被害

この記事を要約すると

  • 相続土地国庫帰属制度を利用できるのは、原則として相続または遺贈により土地を取得した人のみ。ただし、共有で取得した場合は、共有者全員が共同で申請可能
  • 原野商法の被害者は、原則として相続土地国庫帰属制度の申請不可。ただし、原野商法の被害者が相続により土地を取得した場合や、共有で取得した場合で、共有者に相続が発生した時、共同で申請可能。
  • 原野商法で購入した山林や原野の処分方法は、売買、寄付、山林引取サービスの活用など。特に、相続登記の義務化により、所有者が不明な土地は国庫に帰属する可能性があり、注意が必要。

相続登記の義務化で、原野商法の被害者が所有権を放棄できず、トラブルに巻き込まれるリスクが高まっています。そんな中、新たに創設された「相続土地国庫帰属制度」は、原野商法の被害者を救済する可能性を秘めています。

この制度の概要や、原野商法の被害者が申請できるケースについて、詳しく解説します。

 

相続土地国庫帰属制度の申請ができる人とは?

相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈により土地を取得した人が利用できる特別な制度です。この制度の特徴と申請資格について理解することは、特に相続が絡む土地取引において重要です。

まず、この制度は相続又は遺贈によって土地を取得した人だけが申請できます。つまり、相続や遺贈以外の方法(例えば売買)で土地を取得した個人や法人は、この制度を利用できません。

特に、原野商法によって山林や原野を購入した人も、自ら土地を取得したとみなされるため、この制度の対象外となります。

しかし、一部の例外があります。相続等により共有持分を取得した共有者がいる場合、共有者全員が共同で申請することにより、この制度を利用できるようになります。

これは、土地の共有持分を相続以外の方法で取得した共有者も含みます。言い換えると、原野商法で土地を取得した人でも、共有者の中に相続による取得者がいれば、共有者全員でこの制度を利用する申請を行うことが可能です。

 

原野商法の被害者が申請できるケース

原野商法は、1960年代から1980年代にかけて全盛期を迎えた悪徳商法です。

この商法は、価値の低い山林や原野を、開発計画があるなどと偽って売りつける手口で知られています。2010年代以降は、原野商法の被害者を狙った二次被害が増加しています​​。

この文脈で、相続土地国庫帰属制度の適用に関する重要な点があります。この制度は、相続または遺贈によって土地を取得した人が利用できるものです。

そのため、売買など他の方法で土地を取得した人や法人は、この制度の利用ができません。これには原野商法で自ら土地を購入した場合も含まれます​​。

しかし、特定のケースでは原野商法の被害者もこの制度を利用できる可能性があります

その一つは、原野商法の被害者から相続により土地を取得した場合です。また、被害土地が共有されていて、共有者の中に相続により土地を取得した人がいる場合、その共有者は原野商法で騙されて土地を取得した人も含めて共同で申請が可能です​​。

この情報は、相続土地国庫帰属制度を検討している方々、特に原野商法の被害者にとって重要なものとなります。相続土地国庫帰属制度を利用することで、これらの土地を適切に処理し、潜在的な法的問題を解決する一助となるかもしれません。

相続土地国庫帰属制度では、基本的に相続又は遺贈により土地を取得した人のみが申請可能です。このため、原野商法で自ら山林や原野を取得した方は、通常、この制度を利用することはできません。

例外的なケース

しかし、例外的なケースも存在します。相続等により共有持分を取得した共有者がいる場合、共有者全員が共同して申請することで、この制度を利用できるようになります。

つまり、土地の共有持分を売買などの方法で取得した共有者も、相続等により共有持分を取得した共有者がいる場合、共同して申請が可能です​​。

原野商法の被害者が相続土地国庫帰属制度を申請できるのは、特定の条件下でのみ可能です。基本的に、被害者が単独で土地を所有している場合、その被害者自身は申請できません。しかし、被害者の相続人は申請することができます。これが原則です。

ただし、例外もあります。それは、土地が共有されており、さらに共有者の間で相続があった場合です。この二つの条件が揃っている時、原則に反して、原野商法の被害者自身が国庫帰属制度の申請を行うことが許されます。このように、特定の状況下では例外的に申請が可能となるのです。

このようなケースでは、被害者やその相続人は相続土地国庫帰属制度を活用することにより、不要な土地の処理や管理の負担を軽減できる可能性があります。

しかし、これらの申請プロセスや要件は複雑であり、適切な法的アドバイスを受けることが重要です。

 

原野商法で買った山林や原野を処分する方法

売買や寄付の方法

原野商法で購入した山林や原野は、所有者にとって大きな負担になることがあります。

まず、売買は最も一般的な方法です。しかし、原野や山林は市場価値が低く、買い手が見つかりにくい場合も多いです。その場合、不動産業者や専門の仲介業者を利用すると良いでしょう。

寄付はもう一つの方法です。公益目的で活動する団体や、自然保護を目的としたNPO法人などが寄付を受け入れていることがあります。

寄付を行う際には、税制上の優遇措置を受けることができる場合があるため、専門家に相談することをお勧めします。ただし、寄付を受け入れる団体を見つけるのも容易ではありませんので、時間と労力が必要になります。

山林引取サービスの活用

山林引取サービスは、原野商法で手に入れた土地を処分するうえで有効な手段です。このサービスは、山林を専門に扱う業者が土地を引き取り、再生利用や管理を行うものです。

例えば、未利用の山林を森林資源として活用する、生態系保護のための自然公園にするなど、さまざまな方法で土地が有効活用されます。

このサービスを利用するメリットは、所有者が直接買い手を探す手間を省けることにあります。また、土地の有効活用によって、地域の自然環境や生態系の保護にも貢献できる点です。

しかし、全ての土地がサービスの対象となるわけではなく、地域や土地の条件によっては利用できない場合もあるため、事前に業者と相談することが重要です。

 

より深刻に!「原野商法の二次被害」トラブルとは?

年度別相談件数の推移

原野商法による二次被害は、残念ながら依然として増加傾向にあります。このトラブルは、過去に原野商法の被害に遭った消費者やその相続人が再び被害に遭うケースが多いです。

特に、相続した土地に関して「高値で買い取る」という電話勧誘があり、手続き費用や税金対策の名目でお金を請求される事例が目立っています。

高齢者がこの種のトラブルに遭うケースが非常に多く、相談件数も2017年度には前年同期比で約1.8倍の1,196件に達し、被害が深刻化しています。

契約当事者の年代別件数等

国民生活センターが提供しているデータによると、年代別の契約当事者を見ると、70歳代が約4割を占め、最も多いことが分かります。

全体的に見ても、60歳以上の高齢者が約9割を占めており、このことからも高齢者が原野商法の二次被害に特に弱いことが明らかです​​。

(引用:より深刻に!「原野商法の二次被害」トラブル-原野や山林などの買い取り話には耳を貸さない!契約しない!-(発表情報)_国民生活センター (kokusen.go.jp))

原野商法の二次被害への対処方法

高値買取りの甘い言葉には注意

高値での買取りを謳う電話勧誘には注意が必要です。特に相続した土地に関しては、詳細をよく理解せずに契約しないようにしましょう。

高齢者の支援

高齢者が原野商法の二次被害に遭いやすいため、家族や地域社会がサポートすることが重要です。不審な勧誘に対しては、消費生活センターなどの公的機関に相談することを勧めましょう。

相続登記の重要性

相続登記を適切に行うことで、土地の正確な所有者を明らかにすることができます、相続が発生した場合は、迅速に相続登記を行うことが重要です。

相続登記の義務化は、土地の所有権を明確にします。特に高齢者は、この種の詐欺に遭いやすいため、家族や地域社会の支援が不可欠です。

また、相続土地国庫帰属制度によるリスクを避けるためにも、相続が発生した際には迅速な相続登記が求められます。

 

原野商法の二次被害の手口と事例

(1)売却勧誘-下取り型

相続登記の義務化により、遺産分割後の土地に注目が集まり、原野商法による二次被害が懸念されています。特に「売却勧誘-下取り型」の手口は、相続人をターゲットにした狡猾なものです。

この手口では、相続人に対し、その土地を高価で買い取ると申し出ます。しかし、実際は不当に低い価格での下取りを行い、相続人は適正な価格で土地を売却できない状況に追い込まれます。

このような事例では、相続人は適切な情報をもとに判断する必要があり、専門家のアドバイスを仰ぐことが重要です。

(2)売却勧誘-サービス提供型

次に「売却勧誘-サービス提供型」の手口です。この方法では、土地の売却を勧める際に、税金対策や相続対策として、さまざまなサービスを提供すると謳います。これにより、相続人は誤った判断を下しやすくなります。

例えば、特定の税理士や司法書士を紹介し、相続人に不利な条件での契約を結ばせることがあります。また、不必要なサービスに高額な料金を支払わせるケースも少なくありません。

相続人は、こうした提案に対し慎重に検討し、必要に応じて独立した専門家の意見を求めるべきです。

(3)管理費請求型

最後に「管理費請求型」の手口についてです。このパターンでは、土地の管理を名目に、高額な管理費を請求される事例があります。特に、相続登記の義務化に伴い、放置されている土地の相続人が明確になったことで、このような事例が増加しています。

こうした場合、相続人は管理費の相場を把握し、不当な請求には応じないことが大切です。また、土地の管理に関しては、信頼できる専門家や管理会社との契約を検討すべきです。無理な管理費請求には、法的手段を取ることも一つの方法です。

 

まとめ

相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈により土地を取得した人が、一定の要件を満たした場合に、その土地を国庫に帰属させることを可能とする制度です。

この制度は、相続登記の義務化により、土地の所有者が不明の状態を解消するための措置として創設されました。

原野商法の被害者も、特定のケースではこの制度を活用することができます原野商法で購入した山林や原野は、市場価値が低く、処分に困るケースが多いです。

相続土地国庫帰属制度を活用することで、このような土地を処分する負担を軽減することができます。

しかし、相続土地国庫帰属制度の申請には、一定の要件を満たす必要があります。また、原野商法の被害者を狙った二次被害も依然として増加しています。

相続土地国庫帰属制度を利用するかどうかについては、専門家の助言を得ながら、慎重に検討することが重要です。

この記事の監修者

あいりん司法書士事務所    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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