公正証書遺言があれば調停は不要?遺産分割調停の条件と手続きについて

遺産分割調停

この記事を要約すると

  • 公正証書遺言があっても遺言内容に不備や異議がある場合は調停が必要になる
  • 遺留分侵害額請求が行われると調停または訴訟に発展する可能性がある
  • 調停を避けるには財産を漏れなく記載し遺留分に配慮し明確に特定することが重要

親が公正証書遺言を残してくれたから安心、と思っていませんか?
実は、公正証書遺言があっても遺産分割調停が必要になるケースがあります。
遺言内容に不備がある場合、相続人間で異議がある場合、遺留分が侵害されている場合など、調停が避けられない状況も少なくありません。

この記事では、公正証書遺言と調停の関係、調停が必要になる具体的な状況、そして調停手続きの流れについて、司法書士が詳しく解説します。

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この記事はこんな方におすすめ

  • 公正証書遺言があるが調停が必要か判断に迷っている方
  • 遺言内容に不満があり調停を検討している相続人の方
  • 公正証書遺言を作成予定で調停リスクを事前に回避したい方

公正証書遺言と調停の関係|3つの判断基準を解説

公正証書遺言は公証人が作成に関与するため信頼性が高い遺言書ですが、遺言があれば必ず調停が不要になるわけではありません
ここでは、公正証書遺言があっても調停が必要になるケースと不要になるケースの判断基準を解説します。

まずは基本的な関係性をしっかり理解しましょう。

公正証書遺言があれば調停は不要なのか

公正証書遺言があれば調停は原則として不要ですが、すべてのケースで調停が回避できるわけではありません。
遺言書の内容と相続人の対応によって、調停の要否が変わります。

公正証書遺言は民法第969条(e-Gov法令検索)に基づいて公証人が作成する遺言書で、遺言者の意思を明確に記載し、相続財産の分配方法を指定できます。
遺言書に従って相続手続きを進めれば、相続人間で遺産分割協議※を行う必要がなく、したがって調停も不要となります。

※遺産分割協議:相続人全員で遺産の分け方を話し合って決める手続きのこと

しかし、遺言内容に問題がある場合や、相続人が遺言内容に納得しない場合は、調停が必要になることがあります。
たとえば、遺言書に記載されていない財産がある場合、遺言内容が不明確で解釈が分かれる場合、相続人の一部が遺言の有効性を争う場合などです。
あなたが直面している状況は、どちらに当てはまるでしょうか?

最高裁判所の司法統計によると、令和4年度の遺産分割調停の新受件数は約1万2,000件となっており、そのうち少なくない数が遺言書がある事案です。
遺言書があっても調停が必要になるケースは決して珍しくありません

出典:司法統計年報 家事編 – 裁判所

調停が不要になる3つのケース

公正証書遺言があり、以下の3つの条件を満たす場合は、調停が不要となります。調停を避けるためには、これらの条件を満たすことが重要です。

遺言書にすべての財産が明記されている

遺言書に相続財産のすべてが明確に記載されており、遺言書に基づいて財産を分配できる場合は、調停は不要です。
不動産、預貯金、株式など、すべての財産について「誰に」「何を」「どのように」相続させるかが明記されていることが条件です。

また、「その他の財産はすべて○○に相続させる」といった包括的な記載があれば、遺言書に具体的に記載されていない財産についても遺言に従って処理できるため、調停は不要です。

相続人全員が遺言内容に納得している

次に、遺言内容について、相続人全員が異議なく受け入れている場合も調停は不要です。
遺言書の内容に従って相続手続きを進めることができます。

特に、遺言者の生前から遺言内容について家族で話し合いがあり、相続人全員が理解している場合は、トラブルになりにくいです。

ただし、相続人の一人でも遺言内容に不満を持っている場合は、調停が必要になる可能性があります。
遺言書があるからといって安心せず、相続人間のコミュニケーションが重要です。

遺留分を侵害していない

最後に遺言内容が遺留分※を侵害していない場合は、調停は不要です。
遺留分とは、配偶者や子などの法定相続人に保障された最低限の相続分のことで、遺言によってもこれを奪うことはできません。

※遺留分:法定相続人(配偶者、子、直系尊属)に保障された最低限の相続分のこと

参考:遺留分に関する民法の規定 – e-Gov法令検索

遺言書が遺留分を侵害していても、遺留分権利者が遺留分侵害額請求※を行わない場合は、遺言書のとおりに相続できます。
しかし、遺留分権利者が請求を行う場合は、調停や訴訟に発展する可能性があります。

※遺留分侵害額請求:遺留分を侵害された相続人が、侵害額に相当する金銭の支払いを請求する権利のこと

調停が必要になる4つのケース

それでは次に、調停が必要になるケースについても見ていきましょう。

公正証書遺言があっても、以下の4つのケースでは調停が必要になる可能性があります。
遺言書を作成する際や、遺言書に基づいて相続手続きを進める際は、これらのケースに注意しましょう。

遺言書に記載されていない財産がある

遺言書作成後に取得した財産や、遺言書に記載漏れがあった財産については、遺言書の効力が及びません。
これらの財産については、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。協議がまとまらない場合は、調停の申立てが必要です。

ただし、不要になるケースの所で説明したように、「その他の財産はすべて○○に相続させる」といった包括的な記載があれば、記載漏れの財産についても遺言に従って処理できます

遺言内容が不明確で解釈が分かれる

遺言書の記載が曖昧で、財産の特定が不十分な場合や、相続人の特定が不明確な場合は、遺言内容の解釈をめぐって相続人間で争いが生じることがあります。この場合、調停で解釈を統一するか、訴訟で裁判所の判断を仰ぐ必要があります。

相続人が遺言の有効性を争う

相続人の一部が、遺言書の作成時に遺言能力※がなかったと主張したり、遺言者の真意ではないと主張したりする場合があります。
遺言の有効性について争いがある場合は、調停または訴訟で解決する必要があります。

※遺言能力:遺言の内容と効果を理解し、判断できる精神的能力のこと

遺留分侵害額請求が行われる

遺言内容が遺留分を侵害しており、遺留分権利者が遺留分侵害額請求を行う場合は、侵害額の支払いについて話し合いが必要です。
話し合いがまとまらない場合は、調停を申し立てることになります。
遺留分侵害額請求は、相続開始を知った時から1年以内に行う必要があります。

公正証書遺言と調停の要否判断表

状況 調停の要否 理由
遺言書にすべての財産が明記され、相続人全員が納得 不要 遺言書のとおりに相続手続きを進められる
遺言書に記載されていない財産がある 必要 記載漏れ財産について遺産分割協議が必要
遺言内容が不明確で解釈が分かれる 必要 遺言内容の解釈統一のため調停が必要
相続人が遺言の有効性を争う 必要 遺言の有効性について調停または訴訟で判断
遺留分侵害額請求が行われる 必要 侵害額の支払いについて調停で話し合い

FAQ

Q. 公正証書遺言があれば必ず調停は不要?
A. 原則不要ですが遺言内容に不備がある場合や相続人が異議を唱える場合は必要です。

Q. 遺言書に書かれていない財産はどうなる?
A. 相続人全員で遺産分割協議を行う必要があり協議がまとまらなければ調停になります。

Q. 遺留分を侵害する遺言書は無効?
A. 無効ではないが遺留分権利者が侵害額請求を行えば調停または訴訟になります。

司法書士からのアドバイス
公正証書遺言があっても、遺言内容や相続人の対応によって調停が必要になる場合があります。
遺言書を作成する際は、すべての財産を明記し、遺留分に配慮し、相続人間のコミュニケーションを大切にすることが重要です。
遺言書の内容や調停の要否について判断に迷う場合は、無料相談で司法書士に相談し、専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。
 

遺産分割調停が必要になる5つの具体的状況と条件

公正証書遺言があっても調停が必要になる具体的な状況について、詳しく解説します。
遺言内容の不備、相続人間の異議、遺留分の問題など、実際にどのような場合に調停が必要になるのかを理解することで、適切な対応ができます。

実際の事例も交えて説明しますので、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

遺言内容に不備や不明確な記載がある場合

公正証書遺言は公証人が作成に関与するため形式的な不備は少ないですが、内容の不明確さによって調停が必要になるケースがあります。
特に、財産や相続人の特定が不十分な場合は注意が必要です。

最も多いのが、不動産の特定が不十分なケースです。「自宅の土地建物を長男に相続させる」という記載であれば問題ありませんが、「自宅付近の土地を長男に」というように、どの土地を指すのか不明確な場合は、その部分の解釈をめぐって調停が必要になることがあります。

不動産は登記簿の表示に従って特定する必要があります。

預貯金についても、「○○銀行の預金すべて」という記載は有効ですが、複数の支店に口座がある場合や、作成後に新しい口座を開設した場合など、どの口座を指すのか不明確になることがあります。
金融機関名、支店名、口座番号まで特定することが望ましいです。

また、相続人の特定が不十分な場合も問題となります。「長男の嫁に財産を遺贈する」という記載で、長男に複数回の結婚歴があり、どの配偶者を指すのか不明確な場合や、「孫に相続させる」という記載で複数の孫がいる場合などです。
相続人や受遺者※は、氏名と生年月日で特定することが重要です。

※受遺者:遺言によって財産を受け取る人のこと。相続人以外の第三者も含まれます。

さらに、遺言作成後に相続関係が変わった場合も問題になります。
たとえば、「長男に全財産を相続させる」という遺言を作成した後、長男が遺言者より先に亡くなった場合、長男の子(孫)が代襲相続※するのか、それとも遺言が効力を失うのか、解釈が分かれることがあります。

※代襲相続:相続人が相続開始前に死亡した場合に、その子が代わって相続する制度のこと

相続人間で遺言内容に異議がある場合

公正証書遺言があっても、相続人の一部が遺言内容に納得せず、異議を唱える場合があります。
特に、特定の相続人に有利な内容の遺言や、一部の相続人が相続から除外される内容の遺言では、トラブルになりやすいです。

最も多いのが、遺言の有効性を争うケースです。
相続人の一部が、「遺言作成時に認知症で遺言能力がなかった」「誰かに強制されて遺言を書かされた」などと主張し、遺言の無効を求める場合があります。
この場合、遺言無効確認訴訟※を提起するか、遺産分割調停の中で遺言の有効性を争うことになります。

※遺言無効確認訴訟:遺言書が法的に無効であることを裁判所に確認してもらう訴訟のこと

公正証書遺言は公証人が遺言者の意思確認を行いますが、それでも遺言能力の有無をめぐって裁判で争われるケースがあります。
特に、高齢の遺言者が認知症を患っていた場合、医師の診断書や介護記録などが重要な証拠となり、遺言能力の判断が行われます。

また、遺言内容が著しく不公平な場合も、相続人間で争いが生じやすいです。
たとえば、「長男にすべての財産を相続させる」という遺言で、次男や三男が何も受け取れない場合、次男や三男は遺留分侵害額請求を行うことができます。
この場合、侵害額の計算や支払方法について調停で話し合うことになります。

さらに、遺言内容が遺言者の真意ではないと主張されるケースもあります。
たとえば、生前は「子どもたちに平等に分ける」と言っていたのに、遺言書では特定の子に偏った内容になっている場合、他の相続人は「これは本当に親の意思なのか」と疑問を持つことがあります。

遺留分侵害で調停が必要になる場合

遺言内容が遺留分を侵害している場合、遺留分権利者は遺留分侵害額請求を行うことができます。
この請求が行われると、侵害額の計算や支払方法について話し合いが必要になり、話し合いがまとまらない場合は調停を申し立てることになります。

遺留分の割合は、法定相続人の構成によって異なります。配偶者と子が相続人の場合は法定相続分の2分の1、直系尊属(父母など)のみが相続人の場合は法定相続分の3分の1が遺留分となります。兄弟姉妹には遺留分はありません。

参考:民法第1042条(遺留分の帰属及びその割合)- e-Gov法令検索

たとえば、遺言者に配偶者と子2人がいる場合、法定相続分は配偶者2分の1、子各4分の1です。
この場合の遺留分は、配偶者4分の1、子各8分の1となります。「すべての財産を長男に相続させる」という遺言があった場合、配偶者と次男は、それぞれ遺留分に相当する金額を長男に請求できます。

遺留分侵害額請求は、まずは当事者間で話し合いを行います。
侵害額の計算方法や、支払方法(一括払いか分割払いか)、支払期限などについて協議します。
話し合いがまとまれば、合意書を作成して終了します。

しかし、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
調停では、調停委員※が間に入って、侵害額の計算や支払方法について調整を行います。
調停でも合意に至らない場合は、訴訟に移行します。

※調停委員:家庭裁判所の調停手続きで、裁判官とともに当事者間の話し合いを仲介する専門家のこと

遺留分侵害額請求には期限があります。
相続の開始および遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内に請求しないと、時効によって権利が消滅します。
また、相続開始から10年を経過した場合も、請求できなくなります。

遺留分侵害額請求から調停までの流れ

ステップ 内容 期限・期間
1. 遺留分侵害の認識 遺言内容を確認し、遺留分が侵害されていることを認識 相続開始後すぐ
2. 遺留分侵害額請求 侵害を受けた相続人が、侵害額の支払いを請求 相続開始を知った時から1年以内
3. 当事者間での話し合い 侵害額の計算方法や支払方法について協議 数週間〜数ヶ月
4. 調停の申立て 話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所に調停を申立て 話し合い決裂後すぐ
5. 調停期日 調停委員を交えて話し合い(通常3〜6回程度) 申立てから終結まで6ヶ月〜1年

FAQ

Q. 遺言書の記載が曖昧な場合はどうすればよい?
A. まず相続人間で話し合いを行い合意できない場合は調停を申し立てます。

Q. 遺言能力がなかったと主張するにはどうすればよい?
A. 医師の診断書や介護記録などの証拠を集め遺言無効確認訴訟を提起します。

Q. 遺留分侵害額請求の期限を過ぎたらどうなる?
A. 時効により請求権が消滅し遺留分を請求できなくなります。

司法書士からのアドバイス
公正証書遺言があっても、遺言内容の不備、相続人間の異議、遺留分の問題などで調停が必要になる場合があります。
特に、遺留分侵害額請求には1年という期限があるため、早めの対応が重要です。
遺言の有効性や遺留分について疑問がある場合は、無料相談で司法書士に相談し、適切な対応方法のアドバイスを受けることをおすすめします。

 

遺産分割調停の5つのステップと調停を避ける方法

公正証書遺言があっても調停が必要になった場合、どのような手続きを踏むのでしょうか。
ここでは、遺産分割調停の具体的な流れを5つのステップで解説します。

また、調停を避けるための公正証書遺言の書き方と、専門家への相談の重要性についても説明します。
調停を未然に防ぐことが、円満な相続のために最も重要です。

遺産分割調停の手続きの流れ5ステップ

遺産分割調停は、家庭裁判所で行われる話し合いの手続きです。調停委員が間に入って、相続人間の意見を調整し、合意形成を目指します。
調停の流れを理解することで、手続きへの不安を軽減できます。

1. 調停の申立て

遺産分割調停を始めるには、相続人の誰か一人が家庭裁判所に申立てを行います。
申立先は、相手方のうちの一人の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所です。

申立てに必要な書類は、遺産分割調停申立書、遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、遺産に関する資料(不動産登記簿謄本、預貯金通帳のコピーなど)、公正証書遺言の写しなどです。

申立費用は、被相続人1人につき収入印紙1,200円と、連絡用の郵便切手(家庭裁判所によって異なる)です。

参考:遺産分割調停 – 裁判所

2. 調停期日の通知

申立てが受理されると、家庭裁判所から相続人全員に調停期日の通知が送られます。
第1回の調停期日は、申立てから約1〜2ヶ月後に設定されることが多いです。

調停期日には、原則として当事者本人が出席する必要がありますが、弁護士や司法書士に代理を依頼することもできます

3. 調停期日での話し合い

調停期日では、裁判官1名と調停委員2名が間に入って、相続人間の話し合いを進めます。
調停は非公開で行われ、相続人は交互に調停室に呼ばれて、それぞれの意見や主張を述べます。
相続人同士が直接顔を合わせることは基本的にありません

調停では、遺産の範囲の確定、遺産の評価、各相続人の取得分、具体的な分割方法などについて話し合います。
公正証書遺言がある場合は、遺言内容の解釈や、遺言に記載されていない財産の分割方法などが主な論点となります。

調停は通常、1回の期日で終わることは少なく、3〜6回程度の期日を重ねることが一般的です。
各期日の間隔は約1ヶ月程度で、全体で6ヶ月〜1年程度かかることが多いです。

4. 調停の成立または不成立

相続人全員が合意に至れば、調停が成立します。
合意内容は調停調書※として作成され、これは確定判決と同じ効力を持ちます。
調停調書に基づいて、不動産の相続登記や預貯金の名義変更などの手続きを進めることができます。

※調停調書:調停で合意した内容を裁判所が作成する公的な文書で、確定判決と同じ法的効力を持つもの

一方、話し合いがまとまらず、合意に至らない場合は、調停は不成立となります。
調停が不成立になると、自動的に審判※手続きに移行します。
審判では、裁判官が職権で遺産分割の方法を決定します。
審判に不服がある場合は、2週間以内に高等裁判所に即時抗告※できます。

※審判:家庭裁判所の裁判官が、当事者の主張や証拠に基づいて判断を下す手続きのこと
※即時抗告:家庭裁判所の審判に不服がある場合に、高等裁判所に再審理を求める手続きのこと

5. 調停調書に基づく相続手続き

調停が成立したら、調停調書の謄本を取得し、これに基づいて相続手続きを進めます。
不動産の相続登記、預貯金の名義変更、株式の名義変更などを行います。
調停調書があれば、相続人全員の印鑑証明書がなくても、単独で手続きを進めることができます。

調停を避ける公正証書遺言の書き方3つ

公正証書遺言を作成する際に、以下の3つのポイントを押さえることで、調停が必要になるリスクを大幅に減らすことができます。
遺言書を作成する予定の方は、ぜひ参考にしてください。

1. すべての財産を漏れなく記載する

遺言書には、相続財産のすべてを漏れなく記載することが重要です。
不動産、預貯金、株式、自動車、貴金属など、すべての財産について「誰に」「何を」「どのように」相続させるかを明記します。

また、遺言作成後に新たに財産を取得する可能性もあるため、「その他の財産はすべて○○に相続させる」といった包括的な記載を入れておくことをおすすめします。
これにより、遺言書に具体的に記載されていない財産についても、遺言に従って処理できます。

2. 遺留分に配慮した内容にする

遺言内容が遺留分を侵害すると、遺留分権利者から侵害額請求を受け、調停や訴訟に発展する可能性があります。
遺言を作成する際は、遺留分を侵害しない範囲で財産を分配するか、少なくとも遺留分に相当する金銭を確保できるように配慮することが重要です。

たとえば、「長男に不動産を相続させ、次男には預貯金を相続させる」というように、各相続人が遺留分以上の財産を受け取れるように分配します。
どうしても特定の相続人に多くの財産を相続させたい場合は、遺留分を侵害することを承知の上で、付言事項※でその理由を説明しておくことも有効です。

※付言事項:法的効力はないが、遺言者の想いや理由を記載する部分のこと

3. 財産と相続人を明確に特定する

遺言書の記載が曖昧だと、解釈をめぐって争いが生じ、調停が必要になることがあります。
財産と相続人は、できるだけ明確に特定することが重要です。

不動産は、登記簿謄本の記載に従って、「所在」「地番」「地目」「地積」などを正確に記載します。
預貯金は、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号を明記します。
相続人や受遺者は、氏名だけでなく生年月日も記載し、「長男○○(昭和○年○月○日生)」のように特定します。

専門家への相談で調停リスクを事前回避

公正証書遺言を作成する際は、司法書士や弁護士などの専門家に事前相談することで、調停リスクを事前に回避できます。
専門家は、遺言内容の法的問題点をチェックし、調停が必要にならないような遺言書の作成をサポートします。

また、専門家に相談することで、遺言内容が遺留分を侵害していないかチェックできます。
遺留分の計算は複雑で、特別受益※や寄与分※がある場合はさらに複雑になります。
専門家に依頼することで、正確な遺留分を計算し、侵害リスクを最小限にできます。

※特別受益:相続人が生前に受けた贈与のこと。遺産分割の際に考慮されます。
※寄与分:相続人が被相続人の財産の維持や増加に特別に寄与した場合に認められる取り分のこと

また、相談することで遺言内容の明確化もしやするなります。
財産や相続人の特定が不十分だと、解釈をめぐって争いが生じます。
専門家に相談することで、法的に明確で争いの余地のない遺言書を作成できます

さらに、専門家は遺言執行者※の指定についてもアドバイスしてくれます。
アドバイスだけでなく、事前相談をした上で、そのまま司法書士等を遺言執行者に指定することもできます。

※遺言執行者:遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う者のこと

無料相談を実施している司法書士事務所も多いため、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。

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FAQ

Q. 遺産分割調停の申立ては誰ができる?
A. 相続人の誰か一人が申し立てることができ他の相続人全員が相手方になります。

Q. 調停に弁護士や司法書士は必要?
A. 必須ではないが専門家に依頼することで有利に進められることが多いです。

Q. 調停が不成立になったらどうなる?
A. 自動的に審判手続きに移行し裁判官が遺産分割の方法を決定します。

司法書士からのアドバイス
遺産分割調停は時間と費用がかかり、相続人間の関係にも影響します。
調停を避けるためには、公正証書遺言の作成時に、すべての財産を漏れなく記載し、遺留分に配慮し、財産と相続人を明確に特定することが重要です。
公正証書遺言の作成を検討されている方は、無料相談で司法書士に相談し、調停リスクを最小限にする遺言書を作成しましょう。

 

まとめ:公正証書遺言と調停の関係を理解し適切な対策を

公正証書遺言があっても、遺言内容に不備がある場合相続人間で異議がある場合遺留分が侵害されている場合などは、遺産分割調停が必要になります。
調停を避けるためには、遺言書にすべての財産を漏れなく記載し、遺留分に配慮し、財産と相続人を明確に特定することが重要です。

遺産分割調停は、申立てから終結まで6ヶ月〜1年程度かかり、相続人全員に精神的・時間的な負担がかかります。
調停が必要にならないように、公正証書遺言の作成時に専門家に相談し、法的に問題のない遺言書を作成することをおすすめします。

公正証書遺言の作成や、遺産分割調停について不安がある場合は、無料相談で司法書士に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

この記事の監修者

“横浜市内の相続代行の相談を受ける司法書士”

あいりん司法書士行政書士事務所 梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門7期目として相続業務を幅広く対応。

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