おひとり様と持ち家について
おひとり様にとって持ち家は安心して暮らすための重要な資産です。家賃がかからないのは老後になって大きなメリットになります。
固定資産税やメンテナンス費用はかかりますが賃貸に居続けるよりも支出はかなり抑えられます。老後は限られた年金や貯金で暮らすことになるので、持ち家に住んでいるのであればできるだけ長く住みたいと思うのが普通です。一方で年齢を重ねると少しの段差や階段、トイレのしゃがみがつらくなってくるというのは大きな問題です。
そこでバリアフリー化にする方が近年増えています。段差をなくすのはもちろんトイレや浴室に手すりを設置するなど、中にはエレベーターをつける方もいらっしゃいます。
さらに要介護になった後も住み続ける予定であれば、物の整理も大事になります。ものがありあまっていると車椅子が通りづらいし電動ベッドや介護用トイレがおけなくなるからです。もし今後車椅子の生活や介護用家具を取り入れるご予定があるのであれば物の整理整頓を欠かさず行いましょう。
持ち家を所有し続けることがリスク?
ところで、現在の持ち家に居続けることが最上の選択であるとは限りません。基本的に持ち家は家族で住めるような広さの家を、ということで購入するケースが多いと思います。
老後、おひとりになったときにただただ広い持ち家の広さはもてあますことになりかねません。また防犯面、草刈などのメンテナンスなどシニアには大きな負担になることが多いといえます。
ですので、このような事になる前に見守りサービスや生活支援を受けられる高齢者住宅への住み替えが一つの選択肢になりえます。見守りサービスなどは郵便局や民間の会社も参入している分野ですのでご自分にあったサービスを利用したいところです。
さらに持ち家は売却することで住み替えの資金になり心の余裕につながります。もちろん立地や売り出し価格によっては、売却が長引くケースもありますが、そのあたりの問題は不動産屋さんにお任せしましょう。
賃貸として貸し出すのも一つ
また、賃貸すれば年金以外の収入も得られるようになります。住まなくなったら売らないで賃貸に出すという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか?特に管理状態が良かったり、駅近や商業地など賃貸に出す方が持ち家を売却するより良い結果を生み出す可能性があります。
イメージとしては今お住まいなのが戸建てよりマンションの場合には検討してみてもよいのかなと思います。戸建ては商業地区から離れているところも多く、築年数が古い建物だと賃貸に出す際に多額の修繕費がかかることもあるからです。
ただし、建物を取り壊し駐車場などにしたり、借地にすることもできます。借地にすれば借地料の相場は固定資産税の2~4倍ですので、固定資産税が10万円なら10~30万円の収入になります。しかしながら借地にすると貸主からの一方的な解約ができないのでその点は注意すべきです。
まとめ
このように現状ではおひとりの暮らしに問題がなくても、近い将来、大きな問題に直面すると身動きが取れなくなります。前もって問題点を整理して事前にできることはやっておきたいものです。その中でも任意後見契約や遺言書作成などは事前対策として効果がでてくる分野もあります。少しでも興味がある方はお気軽に当事務所にご相談ください。