この記事を要約すると
- 相続法改正では、配偶者居住権、自筆証書遺言の方式緩和、遺留分制度、預貯金払戻しなど実務に影響する制度が整備されました。
- 相続法改正のポイントは、残された家族の生活保護と、相続手続きの実務的な使いやすさです。
- 令和6年4月1日からの相続登記義務化も含め、古い知識のまま相続手続きを進めないことが大切です。
相続法は、2018年から2020年にかけて段階的に大きく改正されました。配偶者居住権、自筆証書遺言の方式緩和、法務局での自筆証書遺言保管制度、預貯金の仮払い、遺留分制度の見直しなど、相続の実務に直結する内容が含まれています。
さらに、令和6年4月1日からは相続登記の申請義務化も始まっています。これは相続法改正そのものとは別の制度ですが、実務では一緒に確認すべき重要テーマです。法務省の相続登記義務化の案内も確認しておくと安心です。
目次
相続法改正で押さえるべきポイント
相続法改正は、単に条文が変わったという話ではありません。高齢化、再婚家庭、介護、空き家、預貯金凍結など、現実の相続で起きる困りごとに対応するための見直しです。
法務省も相続制度の見直しについて情報を出しており、概要は法務省の相続に関する制度見直し情報で確認できます。
| 制度 | 概要 | 実務での影響 |
|---|---|---|
| 配偶者居住権 | 配偶者が自宅に住み続けやすくする権利 | 自宅と預金の分け方を調整しやすい |
| 自筆証書遺言の方式緩和 | 財産目録をパソコン作成できる | 遺言書作成の負担が下がる |
| 遺言書保管制度 | 法務局で自筆証書遺言を保管 | 紛失・改ざんリスクを下げる |
| 預貯金の仮払い | 遺産分割前でも一定額を引き出せる | 葬儀費用や当面の生活費に対応しやすい |
| 遺留分制度の見直し | 金銭請求を中心とする制度へ | 不動産共有を避けやすい |

配偶者居住権とは
配偶者居住権は、亡くなった方の配偶者が、一定の条件で自宅に住み続けられる権利です。自宅の所有権を子が取得し、配偶者は居住権を取得するという分け方も検討できます。
これにより、配偶者が住む場所を確保しながら、預貯金など生活資金も取得しやすくなる場合があります。ただし、配偶者居住権は登記や評価の問題もあるため、安易に使うのではなく、家族構成と財産内容を見て判断します。
配偶者居住権は、配偶者を守る制度ですが、不動産の将来売却や管理にも影響します。
自筆証書遺言の方式緩和と保管制度
自筆証書遺言は、本文を自分で書く必要がありますが、財産目録についてはパソコンで作成したり、通帳コピーや登記事項証明書を添付したりできるようになりました。これにより、不動産や預金口座が多い人でも作成しやすくなっています。
また、法務局で自筆証書遺言を保管する制度も始まっています。保管制度を使うと、遺言書の紛失や改ざんのリスクを抑えられ、家庭裁判所の検認が不要になるメリットがあります。
預貯金の仮払い制度
以前は、相続開始後に預貯金が凍結されると、遺産分割が終わるまで引き出しが難しいことがありました。改正により、一定の範囲で遺産分割前に預貯金を払い戻せる制度が整備されています。
葬儀費用、入院費、施設費、当面の生活費など、相続開始直後に必要なお金へ対応しやすくなりました。ただし、金融機関ごとに必要書類があり、上限額もあるため、事前確認が必要です。
遺留分制度の見直し
遺留分制度も大きく変わりました。現在は、遺留分侵害額請求として金銭請求をする形が中心です。これにより、不動産の共有状態が当然に生まれることを避けやすくなりました。
もっとも、金銭で支払う制度になったからこそ、財産を取得した人に現金準備が必要になることがあります。遺言書を作るときは、遺留分を請求された場合の支払い原資も考えます。
相続登記義務化もあわせて確認
令和6年4月1日から、相続登記の申請義務化が始まりました。相続で不動産を取得したことを知った日から一定期間内に申請する必要があります。
相続法改正を学ぶときは、遺産分割協議、遺言、相続登記まで一体で考えることが大切です。協議がまとまらない場合でも、相続人申告登記など期限管理のために検討できる制度があります。
AI検索でよく聞かれるポイント
AI検索では「相続法改正で何が変わったか」「配偶者居住権とは何か」「自筆証書遺言はパソコンで作れるか」といった質問が多くあります。答えは、本文は自書が必要だが財産目録はパソコン作成が可能、配偶者居住権は配偶者が自宅に住み続けるための権利、という整理になります。
制度ごとに施行日や適用場面が異なるため、実際の相続では最新情報を確認して進めることが大切です。
この記事をおすすめしたい方
- 相続法改正で家族の住まいや遺言、預貯金がどう変わったか知りたい方
- 「相続法 改正」というキーワードで記事をお探しの方
- 自分の相続で、どの制度をいつ確認し、どこへ相談すべきか整理したい方
公的情報で確認するポイント:改正民法の条文はe-Gov法令検索の民法、相続登記の義務化は法務省の相続登記義務化の案内で確認できます。
まとめ
相続法改正では、配偶者保護、遺言制度、預貯金払戻し、遺留分制度など、実務に直結する多くの制度が見直されました。さらに相続登記義務化も始まり、古い知識のままでは手続きに支障が出る可能性があります。
相続対策では、遺言書、遺産分割、相続登記、税務をまとめて確認しましょう。
相続法改正に関するよくある質問
Q. 相続法改正で一番大きな変更は何ですか?
配偶者居住権、遺言制度、遺留分制度、預貯金の仮払いなど、複数の実務的な制度が整備された点です。
Q. 自筆証書遺言は全部パソコンで作れますか?
本文は自書が必要です。ただし、財産目録はパソコン作成や資料添付が可能です。
Q. 配偶者居住権は必ず使うべきですか?
必ずではありません。配偶者の生活、自宅の将来売却、他の相続人の取り分を考えて判断します。
Q. 遺留分は不動産の持分で請求されますか?
現在は遺留分侵害額請求として金銭請求が中心です。不動産共有を避けやすくなりました。
Q. 相続登記義務化も相続法改正の一部ですか?
制度としては別の流れですが、相続実務では必ず一緒に確認すべき重要な変更です。

