夫が死亡…家を相続できる人は?よくあるトラブルや配偶者居住権を紹介

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この記事を要約すると

  • 死亡した夫が遺した家は住居を共にしていた妻子が相続するのが一般的
  • 家の相続では、遺産分割協議や住宅ローンを発端としたトラブルが起こりやすい
  • 法定相続人でさまざまな分割相続の方法があるが、残された家族が夫死亡後も安定した生活を送るため配偶者居住権を主張できるようになった

民法では、家の名義人である夫の死亡後、残された家族が安心して生活を営めるように、家の相続に配慮した法律や権利が設けられています

本記事では、夫死亡後に家を相続できる人、民法における家相続の対応策を紹介します。家相続で生じやすいトラブルや新設された配偶者居住権についても理解が深まるでしょう。

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夫が死亡したら家を相続できるのは誰?

持ち家がある夫婦は、夫が家の名義を有するケースが多いです。

夫が妻より早く死亡した場合「今後も自宅に住み続けられるのか」「家の相続はできるのか」など、深い悲しみの中、妻子は今後の住居のことも考えなければなりません。

家は配偶者や子どもが相続するのが一般的

家の名義人の夫が死亡した場合、遺族が今後も落ち着いて生活できるよう、妻や子どもが家を相続するのが一般的です。

ただし、法定相続人同士が遺産相続でもめた場合には、遺産分割協議などを成立させる必要があります

法定相続人とは?

法定相続人とは、故人の遺産を相続する法的権利を有する人のことです。民法では、法定相続人は「配偶者と血族のみ」と定めています。

元配偶者や社会的には「夫」「妻」として暮らしていても事実婚などの関係性では、法定相続人になれません。

また、配偶者は常に法定相続人として認められ、子ども・父母・兄弟などは、故人との続柄によって、相続の優先順位が位置づけられています。法定相続人の順位は、次の通りです。

  1. 子ども
  2. 父母や祖父母
  3. 兄弟姉妹

故人と元配偶者との間に子どもがいた場合は、その子どもも第1順位の法定相続人となります。

法定相続人が多い相続では、相続登記の専門家である司法書士に一任するのがベターです。多くの相続協議の知見があるため、最適な解決方法を提案してくれるでしょう。

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夫死亡後の家相続でよくあるトラブル

夫の死亡後、それまで穏やかな関係性でも、親族間で家の相続についてトラブルが起こることがあります。夫死亡後の家相続で生じやすいトラブルを紹介します。

死亡した夫名義の家の相続人が複数いる

複数の法定相続人がいる場合は、法定相続分に従って遺産分割をします。法定相続分とは、民法で定められた遺産相続の分割割合のことで「妻が全財産の1/2」「子どもが残り1/2を人数で割った分」です。

既に自立した子どもや死亡した夫に認知されている婚外子・前妻との子どもは、法定相続人の一人として、故人の遺産を相続する権利があります。家にも法定相続分は適用されるため、トラブルの種になりやすい傾向です。

こうしたケースでは、共有分割や代償分割、換価分割などを用いて相続を成立させるのが一般的です。それぞれの分割方法と起こりうるトラブルについて、深掘りして解説します。

共有分割

共有分割イメージ

共有分割を選ぶと、法定相続人全員で家の名義を共有することになります。

一見、平和な解決方法にみえますが、相続成立後は不動産の売却や改築の際などに相続人全員の同意が必要です。さらに、相続した遺産は、次の世代にも受け継がれ、相続関係が一層複雑化する可能性があります。

代償分割

代償分割イメージ

代償分割は、死亡した夫が遺した家に住み続けたい法定相続人と、家を現金化することを望む法定相続人がいる場合に用いられる相続の方法です。

たとえば、妻と自立前の子どもが、死亡した夫名義の家にそのまま住み続けたい場合、自立した子どもや夫の婚外子・前妻との間の子どもなどに、法定相続分を目安とした代償金を支払うことになります。

しかし、家に住み続けたい法定相続人に貯金がないなど、代償金を支払えない場合もあるでしょう。「代償金の分割払い」といった提案が解決方法として健全ですが、協議が調停にもつれ込むこともあります。

換価分割

換価分割イメージ

換価分割は、死亡した夫が遺した家など、不動産の一部、もしくは全てを現金化して法定相続分に従って分割する方法です。公平性が高い方法といえます。

しかし、遺された家族に新たな住居を探す必要性が生じるため、夫亡き後の生活の立て直しの大きな負担になるかもしれません。

また、家の売却金額が予想より低いケースもあるでしょう。こうした場合、法定相続人間で遺恨が残る可能性もあります。

夫死亡後に住宅ローンが払えない

死亡した夫が住宅ローンの契約者だった場合、原則として、夫の死亡後も夫名義の住宅ローンは残された家族が相続します。

しかし、現在は住宅ローン契約時に団体信用生命保険(以下、団信)への加入が一般的です。団信が適用されれば、金融機関に夫の死亡を届け出ることで妻や子供に住宅ローン返済義務がなくなります。

ところが、団信に加入していなかったり、団信に加入していたのに住宅ローンが免除されず遺された家族に返済義務が生じたりするケースもあります。こうしたトラブルはどうして起こるのか、どのような解決法があるのか見ていきましょう。

団信未加入で夫の死後住宅ローンが払えない

団信が付帯しないために金利が安い住宅ローンに借り換えしていたり、そもそも団信付帯の住宅ローンの審査に通らなかったりした場合、住宅ローンの名義人の夫が死亡しても、遺族に住宅ローンの返済義務が残ります。

夫の死後、家の住宅ローン返済が難しい場合は、もっと金利が安い、もしくは返済期間が長い住宅ローンに借り換えを検討するケースが多いです。住宅ローンを契約している金融機関に返済期間延長の相談をするのもよいでしょう。

しかし、どの方法も手数料がかかったり、認められなかったりすることがあります。その場合は、家の売却も検討材料の一つとして視野に入れておきましょう

団信に加入していたのに家の住宅ローンが完済できない

団信に加入していても、ローンの組み方や状況によっては、夫の死後も住宅ローンの返済義務が免除されません。たとえば、住宅ローンの返済が滞っていたり、夫婦や親子で共同ローンを契約していたりする場合です。

ほとんどの住宅ローンの利子に、保険会社に支払う団信の保険料が含まれています。住宅ローンの返済が滞ると団信の保険料も支払われないため、団信の契約自体が失効します。

つまり、団信に加入していない状況となり、住宅ローンの返済が免除されないのです。

共同ローンとは、夫婦のペアローン、親子でローンを引き継ぐ親子ローンなどが知られています。この場合、夫がなくなると夫契約分の住宅ローンには団信が適用されますが、遺された妻や家族の返済分は返済義務が残ります。

ほかにも、連帯債務・連帯保証などの住宅ローン契約では、連帯責任者には返済義務が生じます。

いずれにせよ、住宅ローンの名義人が亡くなった場合、契約内容を確認する必要があります。金融機関への相談は必須ですが、遺された家の相続登記も含め、司法書士に相談するのも一つの手です。

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死亡した夫名義の家は相続せず配偶者居住権利用も可能

死亡した夫が遺した家に配偶者居住権を行使して、妻の存命中、もしくは一定期間、妻が無償で居住できる権利があります。これが配偶者居住権です。

遺された家族が住居を失うことがないよう、2020年(令和2年)4月から新たに認められました。ただし、配偶者居住権には注意点もあります。さらに詳しく見ていきましょう。  

配偶者居住権とは?

配偶者居住権は、家の名義人である夫婦のどちらかが亡くなった場合に、 家の価値を「所有権」と「居住権」に分けて考え、一定の要件のもと、残された配偶者が家に引き続き住み続けられるよう、新設された権利です。

家の名義を有する故人の配偶者は、故人の遺言や遺産分割協議により、配偶者居住権を得られます。

また、配偶者居住権は遺産の分割においてもメリットがあります。配偶者居住権は、存続年数や家の耐用年数などによって、評価されます。

評価額分は分割すべき遺産に含まれますが、居住権と所有権を別々に算定するため、ほかの貯金などの遺産を分ける際、家そのものを分割相続する場合により手元に多くの貯金が残るケースがほとんどです。

配偶者居住権には短期と長期の2種類があり、長期の配偶者居住権を有する場合は亡くなるまで居住権を行使できます

所有権こそ、配偶者以外の法定相続人が有する形になりますが、配偶者居住権の登記を済ませることで、引き続き家に住む権利を第三者に主張できます。

配偶者居住権の登記について不安がある場合は、司法書士に一任するのがベストな選択です。まずは無料相談を活用してみましょう。無料相談はこちら

出典:法務局 配偶者居住権とは何ですか?

配偶者居住権の注意点

配偶者居住権には、注意点もあります。配偶者居住権を有していても、所有権とは異なるため、譲渡・売却ができません

家の所有権保有者全員の承諾がない限り、増改築したり賃貸に出したりすることも不可能です。違反した場合は配偶者居住権の消滅請求を申し立てられる恐れもあります。

また、2024年4月より、相続登記と氏名・住所変更登記が義務化されたため、再婚や引っ越しの際に手間が増えます。放置すると過料の対象になることもあるため注意が必要です。

配偶者居住権を選択する際は、注意点やリスクについても相談できる司法書士に一任するのがよいでしょう。 

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まとめ

名義人である夫が死亡した場合は、住居を共にする妻子が家を相続するのが一般的です。しかし、多くの法定相続人がいる場合や、何らかの理由で住宅ローンの返済義務が免除されなかった場合など、家の相続はトラブルを生みがちです。

家の名義人である夫が死亡した際、残された妻が配偶者居住権を主張することもできますが、さまざまな制約があるため、慎重に進めるのがよいでしょう。

どのような選択肢を取るにせよ、家の相続が生じた場合は、相続の専門家である司法書士に相談するのがおすすめです。まずは無料相談を利用しましょう。夫が死亡したことで生じた不安を軽くするお手伝いをします。

 

この記事の監修者

“横浜市内の相続代行の相談を受ける司法書士”

あいりん司法書士事務所    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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