高齢化社会に介護保険制度
高齢化が憂慮されています。一般に、65歳以上の方を高齢者と規定しています。高齢者人口は1950年以降、一貫して増加傾向にあり2012年には3000万人を超えました。最新の統計(2018年)では、日本人の総人口は1億2644万3千人。
その内訳として、65歳以上の高齢者の割合は、27.3%。
一方、15~64歳人口の割合は59.7%で1950年以降過去最低となっています。さらに詳しく高齢者の内訳を見ると、70歳以上人口は97万9千人の増加で初めて20%を超え、75歳以上人口は初めて65歳以上人口の半数以上となりました。
分かりやすく言い換えるなら、日本人の10人に4人は65歳以上の高齢者でその4人の内、2人以上は75歳以上の後期高齢者という、深刻な事態なのです。高齢化は社会全体にとって大きな問題なのです。
◆高齢化を支える制度
日本人の3割近くが高齢者、さらに言えば人口の1割以上(1,691万人)が後期高齢者という高齢化社会を日本人全員で支える制度が、介護保険制度です。
介護保険制度は、1997(平成9)年に消費税率の引き上げ(3%→5%)とともに介護保険法として成立し、2000(平成12)年 介護保険法が施行されました。
ちなみに、介護保険制度が施行された平成12年当時の高齢化率(65歳以上)は17.3%でした。
それからわずか18年で高齢者の割合は、27.3%にまで進行しています。介護保険制度は、40歳以上の全ての方が加入対象となります。そして、制度上、年齢によって2つに分けられます。
・第1号被保険者(65歳以上の方) 原因を問わず介護や日常生活の支援が必要となったとき、居住する市区町村の認定を受け、サービスを利用することができます。
・第2号被保険者 (40歳から64歳までの方) 老化が原因とされる病気(特定疾病)により介護や日常生活の支援が必要となったとき、居住する市区町村の認定を受け、サービスを利用することができます。
介護保険の被保険者が利用するサービスの原資は、保険料で賄われます。
この保険料は所得に応じて決まります。 保険料は、第1号被保険者の場合、年金からの天引き、直接保険者に納付する方法で定額の保険料を納付します。
一方、第2号被保険者の場合は、国民健康保険料や職場の健康保険料などと一緒に納付します。 収入(所得)に応じた保険料で高齢者の介護を社会全体で支える制度が、介護保険制度です。
◆介護サービスを利用するには 入浴、食事、排泄などといった日常生活での基本的動作に介助が必要な高齢者になった時は、要介護認定を受けることで、介護サービスを利用することができます。
要支援1~2、要介護1~5と高齢者の状態によって7段階に分けられています。
こうした状態の見極めは、市区町村の介護保険窓口、または、地域包括支援センターで行います。 介護サービスを利用するには、介護保険窓口、地域包括支援センターへ要介護認定の申請をするところから始まるのです。
日常生活に不安がある場合には、市区町村の介護保険窓口、地域包括支援センターへまず相談してみましょう。