相続一般

「遺贈」と「負担付き遺贈」の違いは?遺言書の内容で異なってくるのか?

遺贈について

遺言書を作ることでその人が亡くなった後に財産を遺言の内容にもとづいて処分することができます。これを遺贈といいます。遺言に無償かもしくは負担付きで他人に財産的利益を与えるのかを書いておくことでなされます。亡くなった方の財産を遺留分に反しない限りでその人自身にゆだねるという趣旨があります。

遺贈と比較!「贈与」「死因贈与」を解説します

遺贈は「贈与」に似ていますが法律的には「贈与」は当事者間の契約であり、遺贈は遺贈者の単独行為である点が違います。また遺贈と「死因贈与」との区別ですが、死因贈与は「自分が死んだらある不動産を贈与する」などのように、贈与者の死亡を不確定期限とする贈与のことをいい、贈与者の死亡の時に効力を生じます。

「死因贈与」は死後に効果が発生するところが遺贈と似ていますが死因贈与は当事者の合意によって贈与者が死亡した時に、財産が贈与者から受贈者に移転するところが遺贈とは異なります。また遺言で遺産を処分する制度として、この遺贈の他に相続人に対する相続分の指定と遺産分割方法の指定の制度があります。相続分の指定は相続分の量を変更するものであり、遺産分割方法の指定は相続分を前提として相続人が取得すべき財産を具体的に定めることを言います。

登記実務では遺言書の文言が「遺贈する」「贈与する」と記載されていれば、仮に受贈者が相続人であっても、登記原因は「遺贈」となります。また、遺言の文言が「相続させる」「遺産分割方法を指定する」となっていれば、その名あて人が相続人であれば登記原因は「相続」になると考えられています。

負担付き遺贈とは?

負担付き遺贈とは、受遺者に一定程度の法律上の義務を課す遺言のことです。普通は「なにかをしてもらう」という債務を負担してもらうものです。例えば「マンションの一室を譲る。その代わり私の知り合いの横浜太郎に月額10万円を振り込むこと」などの内容の遺言書です。

負担付遺贈は、受遺者に義務を課すのみであり、その義務を仮に行わなくても遺贈の効力自体は生じます。なお、負担付き遺贈は包括遺贈、特定遺贈の区別なく負担付きとすることができます。

「受遺者横浜太郎は、その受ける財産上の利益の一部を割いて横浜次郎に与えよ」という一種の負担付き遺贈としての「お裾わけ遺贈」や「受遺者横浜太郎の受ける遺贈利益について、ある条件が成就し、または、期限が到来したときから、横浜次郎に移転する」というような「跡継ぎ遺贈」と呼ばれるもの、「Q不動産を横浜太郎に贈与する。遺言者死亡の時に受遺者横浜太郎が死亡している時は、その子横浜次郎に贈与する」というように、当初予定した受遺者に遺贈を受け得ない事情が生じたときは次の受遺者を予定する「補充遺贈」などがあります。

負担付遺贈の効力

負担付き遺言は下記通りの効力があります。

・受遺者は負担を履行しなければいけません。仮に負担を履行せず受遺者が死亡した場合、その相続人が履行義務を負います。

・遺言執行者並びに遺言者の相続人は受遺者に負担履行を請求できます。

・株式など価格が常に変動するものが遺贈や負担の目的の場合、受遺者が負担を履行した時の価格が適用されます。

負担付遺贈の放棄

民法1002条では次のように定めています。「負担付遺贈の受遺者が遺贈の放棄をしたときは,受益者は自ら受遺者となることができる」「ただし,遺言者がその遺言に別段の定めをしているときは,その意思に従う」

負担付遺贈遺言の取消しはできるのか?

負担付遺贈をいくらまっても受遺者が履行しない場合はどうか。この場合、相続人が受遺者に対して、期間を決めて履行を要請し、その後も一向に履行しないのなら家庭裁判所に遺言自体の履行を取り消し請求ができます。この場合、遺言そのものが無効になりますのでご注意ください。

相続分の指定遺言とは

被相続人は自由な意思で相続人の相続分を定めたり、それを第三者に委任することができます。さらに被相続人は遺留分に関する規定に反することはできません。また、被相続人が共同相続人の一部に関して相続分を定めた場合はほかの共同相続分は法定相続分の規定によって定まります。被相続人が亡くなった瞬間、共同相続人は亡くなった方が指定した相続分を共有することになります。

また、相続分の指定を第三者に託した場合も、被相続人が亡くなるのと同時にその意思表示の効力が生じます。この点、相続分を託された方にも拒否の自由がありますが、そもそも指定の委託は単独行為であり、指定先の第三者に届く必要もなく、方式もその方法も自由です。

被相続人が「相続人A、Bのうち、被相続人の配偶者と同居したものに相続させる」旨の遺言は有効なのか?

結論から言えばこの遺言は有効です。つまり、被相続人の配偶者と同居したのが相続人Aである場合、その遺言書と他の相続人Bが作ったAの同居証明書を添付することで、単独で相続による所有権移転登記をすることができます。

これに対して,「先祖まつりをする人に渡す」旨の遺言による登記について、申請書に「先祖まつりをする人は○○である」旨の相続人全員の申述書を添付して相続による所有権移転登記をすることができます。これらの規定ぶりは負担付き遺贈に準じて扱われるものと考えます

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