公正証書遺言の証人になれない人とは?条件・費用・依頼先を解説

公正証書遺言の証人

この記事を要約すると

  • 公正証書遺言には2人以上の証人が必要で、内容を知られる
  • 推定相続人・受遺者とその配偶者・直系血族は証人になれない
  • 証人が見つからなければ公証役場や専門家に依頼できる

「公正証書遺言を作りたいけれど、誰を証人にすればいいの?」
「財産のことなんて、身内にも友人にも知られたくない…」

遺言書を作ろうと決心した方の多くが、この「証人探し」で壁にぶつかります。
実は、法律によって「遺言の証人になれない人(家族や親族など)」が厳密に決まっており、知らずに身内に頼んでしまうと、せっかくの遺言が無効になってしまう恐れがあります。

この記事では、数多くの遺言作成をサポートしてきた専門家が、法律で決められた「証人になれない人」の条件をわかりやすく解説。さらに、「誰にも内容を知られずに、かつ確実に証人を手配する方法」とリアルな費用相場まで公開します。

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この記事はこんな方におすすめ

  • 公正証書遺言の作成を検討しているが、証人を誰に頼むべきか分からない方
  • 家族や親族が証人になれるのか確認したい方
  • 証人が見つからず困っている方

公正証書遺言の証人とは|必要な人数と役割を解説

公正証書遺言を作成するには、証人の立会いが法律で義務付けられています。
「証人って何をする人?」「誰でもなれるの?」と疑問に思う方も多いですよね。
ここでは、証人の人数や具体的な役割について解説します。

公正証書遺言には証人2人以上が必須

公正証書遺言を作成する際は、2人以上の証人が必要です。
これは民法969条で定められた要件であり、証人がいなければ遺言書を作成できません。

参考:民法第969条(公正証書遺言) – e-Gov法令検索

証人は遺言書の作成当日に公証役場へ同行し、遺言者と一緒に公証人の前で手続きに立ち会います。

「2人以上」なので3人でも4人でも構いませんが、一般的には2人で作成するケースがほとんどです。
証人には特別な資格は必要なく、後述する「証人になれない人」に該当しなければ誰でもなることができます。

証人の役割は「遺言内容の確認」と「署名」

証人の主な役割は、以下の2つです。

役割 内容
遺言内容の確認 遺言者が口述した内容を公証人が筆記し、その内容が正確かどうかを確認する
署名・押印 遺言書の内容に間違いがないことを確認した上で、証人として署名・押印する

証人は「遺言者本人が自分の意思で遺言を作成している」ことを見届ける役割を担っています。
これにより、遺言者が騙されたり、脅されたりして遺言を作成していないことを担保しているのです。

証人は遺言の内容を知ることになる点に注意

証人は遺言書の作成に立ち会うため、遺言の内容をすべて知ることになります

「誰にいくら相続させるか」「どの財産を誰に渡すか」といった内容は、証人にも伝わります。そのため、遺言の内容を知られたくない相手を証人にするのは避けるべきです。

作成した遺言に、誰にも知られたくない内容が含まれてはいないでしょうか?

特に以下のようなケースでは注意が必要です。

  • 相続人に内緒で遺言を作成したい場合
  • 財産の詳細を他人に知られたくない場合
  • 遺言の内容がデリケートな場合(相続人を廃除※するなど)

遺言の秘密を守りたい場合は、司法書士や弁護士など守秘義務のある専門家に証人を依頼するのがおすすめです。

【用語解説】

  • ※相続人の廃除:遺言者に対して虐待や重大な侮辱をした相続人から、相続権を奪う制度のこと

FAQ

Q. 公正証書遺言の証人は何人必要?
A. 2人以上の証人が必要です。一般的には2人で作成します。

Q. 証人は遺言の内容を知る?
A. はい、証人は遺言内容をすべて知ることになります。

Q. 証人になるのに資格は必要?
A. 特別な資格は不要です。欠格者に該当しなければ誰でもなれます。

 

証人になれない人は5種類|民法974条の要件

民法974条では、公正証書遺言の証人になれない人(欠格者※)が定められています。
該当する人が証人になると遺言が無効になる可能性があるため、しっかり確認しておきましょう。

参考:民法第974条(証人及び立会人の欠格事由) – e-Gov法令検索

欠格者の種類 具体例
未成年者 18歳未満の人
推定相続人・受遺者 配偶者、子、遺贈を受ける人
推定相続人・受遺者の配偶者・直系血族 子の配偶者、孫など
公証人の配偶者・四親等内の親族 公証人のいとこ、甥・姪など
公証役場の書記・使用人 公証役場の職員

未成年者は証人になれない

  • 未成年者(18歳未満)は証人になることができません。

遺言の証人には、遺言内容を理解し、適切に判断できる能力が求められます。
未成年者は判断能力が十分でないと法律上みなされているため、証人の資格がありません。

また、未成年者と同様に、以下の人も証人になれません。

欠格者 理由
未成年者 判断能力が不十分とみなされるため
成年被後見人※ 判断能力を欠く状態にあるため
被保佐人※ 判断能力が著しく不十分なため

つまり、証人になるには成人していること判断能力があることが条件となります。

【用語解説】

  • ※欠格者:法律上、ある行為をする資格がないと定められた人のこと
  • ※成年被後見人:精神上の障害により判断能力を欠く状態にあり、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた人
  • ※被保佐人:精神上の障害により判断能力が著しく不十分で、家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた人

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推定相続人・受遺者とその配偶者・直系血族はNG

遺言によって利益を受ける可能性のある人は、証人になることができません
これは遺言の公正性を保つためのルールです。具体的には以下の人が該当します。

推定相続人

遺言者が亡くなった場合に相続人となる予定の人です。
配偶者、子、親、兄弟姉妹などが該当します。
遺言によって財産を受け取る立場にあるため、公正な証人とはなれないのです。

受遺者

遺言によって財産を受け取る人です。相続人以外で「〇〇に財産を遺贈する」と指定された人が該当します。
たとえば、お世話になった知人や慈善団体などに遺贈する場合、その受取人は証人になれません

推定相続人・受遺者の配偶者と直系血族

推定相続人や受遺者本人だけでなく、その配偶者や直系血族(親・子・孫など)も証人になれません
これは、本人に近しい人が証人になると、遺言内容に影響を与える可能性があるためです。

例えば、遺言者の長男が推定相続人の場合、以下の人は全員証人になれません。

  • 長男本人
  • 長男の妻(配偶者)
  • 長男の子(遺言者の孫)
  • 長男の親(遺言者本人)

このように、遺言の内容に利害関係のある人やその近親者は証人から除外されます。
「家族に頼めば簡単」と思っていた方には意外かもしれませんが、これは遺言の信頼性を守るための大切なルールです。

公証人の配偶者・四親等内の親族も不可

公正証書遺言を作成する公証人の関係者も証人になれません。

欠格者 具体例
公証人の配偶者 公証人の夫・妻
公証人の四親等内の親族 いとこ、叔父・叔母、甥・姪など
公証役場の書記 公証役場で働く職員
公証人の使用人 公証人に雇われている人

これは、公証人と証人が近しい関係にあると、遺言の公正性が疑われる可能性があるためです。

ただし、公証役場で証人を紹介してもらう場合は、この条件に該当しない人を手配してくれるため心配はいりません。

司法書士からのアドバイス
証人の欠格者に該当するかどうかの判断は、遺言作成時点で行います。
「この人は証人になれる?」と迷った場合は、事前に専門家へご相談ください。該当者が証人になると遺言が無効になるリスクがあります。

FAQ

Q. 家族は証人になれる?
A. 推定相続人とその配偶者・直系血族は証人になれません。

Q. 友人は証人になれる?
A. 受遺者でなければ友人は証人になれます。

Q. 証人の欠格者が立ち会うとどうなる?
A. 遺言が無効になる可能性があります。必ず確認しましょう。

 

証人の依頼先と費用相場|見つからないときの対処法

「証人になれない人」の条件を見て、「誰に頼めばいいか分からない」と感じた方も多いのではないでしょうか。ご安心ください。証人が見つからなくても、いくつかの方法で確保できます。ここでは、証人の依頼先と費用相場を紹介します。

依頼先 費用(1人) 費用(2人) メリット デメリット
友人・知人 無料〜数千円 無料〜数千円 費用が安い 内容を知られる
公証役場の紹介 6,000〜15,000円 12,000〜30,000円 手配が確実 費用がかかる
司法書士・弁護士 10,000〜20,000円 20,000〜40,000円 守秘義務あり 費用が高め

友人・知人に依頼する場合|費用は安いがリスクも高い

費用面では最も安く済むのが、友人や知人に証人を依頼する方法です。

費用の目安:無料〜数千円程度(お礼として)

ただし、「費用が安い」という点以外のメリットはほとんどありません。実務上、以下のリスクがあるため慎重に検討が必要です。

  • 遺言の内容(誰にいくら渡すか)を知られることになる心理的ハードルが極めて高い
  • 友人が後日うっかり親族に漏らしてしまい、トラブルになるケースもある
  • 推定相続人の配偶者や直系血族でないか確認が必要
  • 当日のスケジュール調整が必要

「財産の内容も家族への想いも、友人には知られたくない」という方がほとんどです。費用は安くても、その後の人間関係に影響するリスクも頭に入れておきましょう。

公証役場で紹介してもらう場合の費用は1人6,000〜15,000円

証人が見つからない場合は、公証役場で証人を紹介してもらうことができます。

費用の目安:1人あたり6,000円〜15,000円程度

公証役場によって費用は異なりますが、2人で12,000円〜30,000円程度が相場です。

依頼先 費用(1人あたり) 費用(2人合計)
公証役場の紹介 6,000〜15,000円 12,000〜30,000円

公証役場で紹介される証人は欠格者に該当しないことが確認されているため、手続き上の安心感はあります。ただし、実務上は「まったく見ず知らずの人に、自分の財産や家族への想いを聞かれるのが嫌だ」と感じる方が少なくありません。証人は遺言の内容をすべて知ることになるため、「誰に聞かれるか」という点での心理的なハードルも考慮しておきましょう。

司法書士・弁護士に依頼する圧倒的なメリット

遺言の内容を絶対に他人に知られたくない場合は、司法書士や弁護士に証人を依頼するのがおすすめです。

費用の目安:1人あたり10,000円〜20,000円程度

司法書士や弁護士への依頼の最大のメリットは、単なる「守秘義務」だけではありません。証人として立ち会うだけでなく、以下の「二重の安心感」が得られます。

メリット 内容
遺言内容の「法的なダブルチェック」 将来、相続人同士で揉める火種(遺留分の侵害など)がないかをプロの目で最終確認できる
作成後の「執行」までスムーズ いざという時、遺言執行者としてそのまま不動産の名義変更や預貯金の解約を任せられるため、残されたご家族の負担を劇的に減らせる
守秘義務による完全な秘密保持 遺言の内容が外部に漏れる心配がない

特に以下のような場合は、専門家への依頼を強くおすすめします。

  • 財産の内容を誰にも知られたくない
  • 相続人間でトラブルが予想される
  • 遺言書の内容が法的に問題ないか確認したい
  • 遺言書の作成自体もサポートしてほしい
司法書士からのアドバイス
遺言書は「作って終わり」ではありません。いざという時にスムーズに執行されるためには、作成時から執行までを一貫してサポートできる専門家に任せることが重要です。
当事務所では証人の手配から遺言書作成・執行まで一括対応しております。まずは無料相談をご利用ください。

FAQ

Q. 証人の費用相場は?
A. 公証役場紹介で1人6,000〜15,000円、専門家で1人10,000〜20,000円程度です。

Q. 証人が見つからないときは?
A. 公証役場で紹介してもらうか、司法書士・弁護士に依頼できます。

Q. 証人に守秘義務はある?
A. 一般の方にはありません。秘密厳守なら専門家への依頼がおすすめです。

 

まとめ:証人探しで立ち止まらないために

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
証人探しは、遺言書を完成させるための「最後のハードル」です。

証人になれない人(民法974条)

  • 未成年者・成年被後見人・被保佐人
  • 推定相続人・受遺者
  • 推定相続人・受遺者の配偶者・直系血族
  • 公証人の配偶者・四親等内の親族
  • 公証役場の書記・使用人

家族や親族の多くは証人になれないため、友人への依頼(無料〜謝礼程度)、公証役場での紹介(1人6,000〜15,000円)、司法書士・弁護士への依頼(1人10,000〜20,000円)を検討しましょう。

「友人に頼むのは気が引けるし、公証役場の手配だと知らない人で緊張する…」
「そもそも、自分の遺言内容が法的に問題ないか不安…」

もし少しでも迷われているなら、一人で抱え込まず、私たちにお話を聞かせていただけませんか。当事務所では、ただ証人を用意するだけでなく、「あなたの想いを確実に形にするため」のサポートを第一に考えています。

「証人の手配だけお願いできる?」「費用はどれくらい?」といった、ごく簡単なご質問からで構いません。あなたの不安を解消するお手伝いをさせてください。

この記事の監修者

“横浜市内の相続代行の相談を受ける司法書士”

あいりん司法書士行政書士事務所 梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門7期目として相続業務を幅広く対応。

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