遺産分割における代償分割について

代償分割とは

代償分割について

債務を負担する方法による遺産分割のことを代償分割といいます。

ある共同相続人に法定相続分を超えて相続財産を現物で取得させ、別の共同相続人に対して、現物では法定相続に満たない相続財産しか取得しない他の共同相続人に対し、その不足分にあたる分を代償として負担させる方法です。

相続人全員について、法定相続分通りに現物を割ることができないケースがあり、そういう場合に代償分割の方法を使い、取得相続分を調整することができるので活用されるケースが多いです。

この場合、代償物に関して、金銭以外の固有の財産を提供できるかたについては争いがあり、基本的にはできるものという見解があります。

この代償分割は特別の事情がある場合にできるとされていて、一般的には、現物分割が絶対にできないケースや、分割するとモノの価値がなくなってします場合に使われます。

また代償金の支払いは即時にするべきと考えます。

遺産分割の調停、審判で決定された代償の支払いをしない時、履行遅滞により解除できるかですが、一般に、分割協議や調停で決められた代償の不払いによる解除はできないものと考えられています。

代償分割の活用

不動産の遺産分割を検討する際にうまく活用したいのが「代償分割」です。

代償分割とは、相続人の一人が遺産を取得する代わりに、ほかの相続人には相応の代償金をしはらうという方法です。

代償分割は不動産のように分割しにくい財産や、分割すると困る自社株式などの財産が多い際に有効な手法です。ただし、代償資金(キャッシュ)が必要な点に注意です。 

生命保険活用のメリット

節税や現金のことが心配なときは、代償分割時に生命保険をお使いになられることをお勧めします。まずは生命保険のメリットをご紹介します。

被相続人が亡くなった時には指定された受取人に確実に死亡保険金がわたります。この場合、受取人の固有財産となり、遺産分割の対象から外れる点がひとつめのメリットです。

また、死亡保険金は「基礎控除」にプラスして「法定相続人数×500万円」の非課税額を控除できます。(同額の現金よりも課税対象額が減額され、節税効果を作ります)

それではどのように代償分割に活用するのか、例えば「長男に家を守ってほしい」と考えるのであれば、長男を受取人として生命保険に加入します。すると、長男は受け取った保険金を代償分割の資金にすることができるのです。 

この記事の監修者

“横浜市内の相続代行の相談を受ける司法書士”

あいりん司法書士事務所    梅澤 徹

資格:司法書士・行政書士・宅建取引士

横浜市内の相続専門司法書士事務所で修行したのち独立。不動産が絡む難しい相続手続きが得意。宅地建物取引士資格も保有し、不動産コンサルティングには定評あり。

現在はあいりん司法書士事務所を経営。相続専門5期目として相続業務を幅広く対応。

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