同居している弟が親のお金を使い込むケース
独身の弟が認知症気味の母と実家暮らしをしています。弟は長年母の預金を使い込んでいるようですが証拠もないし、このままでは母の預金が亡くなってしまう。こんなケースを検討したいと思います。
親の預金がはっきりしない場合、兄弟間では疑心暗鬼になります。その発端は、父の死亡時にもっと財産があるはずなのに、思った以上に財産金額が少なく、兄弟が父の遺品を隠匿するなど、兄弟名義にすり替えているのではないかという思いにあります。
このようなトラブルは一見仕方がないように見えますが、避ける方法はいくつかあります。例えば親と話ができるうちに財産目録をつくり、定期的に親の通帳の収支を確認することです。
とはいえ、収支の把握が正確にできるわけでもないので、はじめから兄弟間で話し合いできる良いコミュニケーションをとっておくのが必要です。
また、「成年後見制度」を活用し、成年後見人をつけるのも一つの方法です。成年後見人は親に代わって同意権、代理権、取消権をもち、被後見人が不利益にならないように法律に則って判断をするので、兄弟間の無駄な支出の監督役として働きます。
親が亡くなって、遺産を兄弟で分ける状況になったら、遺産分割協議書に署名捺印をしないことも一つです。相続人のうち一人でも実印を押さなければ、どの兄弟も遺産を取得できません。遺産分割には相続税支払いのような期限はありませんので急がなくても大丈夫です。
相続人だけでは話がまとまらないなら、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。昨今の遺産分割協議案件の約75パーセントは財産額5000万円以下で起きているのが事実です。